二十三回目 絶叫
叫びます
「・・・くくっ。養子とは言え、良くも悪くも、さすがはアイツの『息子』というわけか」
気まずい空気が流れる中、ベルードが笑いながら話しだした。
「アイツから、手紙を、もらってはいた、が・・・ハハッ」
途切れ途切れになりながら話していたベルードだったが、我慢できなくなったのか、ついに笑いだしてしまう。
ちなみに、ほかの二人はまだ驚いたままだったりする。
「あの~・・・、なんか皆さん驚いたりしてますが、なにかいけなかったんですかね?」
とりあえず、一刻も早くこの気まずい空気から脱したい俺は、まだ笑い続けているベルードに問いかけた。
「ハハッ、あぁ、スマン。少し待ってくれ」
そういうとベルードは、んんっと咳払い一つし、笑いをおさめ、真面目な表情で俺を見る。
「いや、スマン。久しぶりにあんなに笑ったものだから、つい、な」
「そんなに笑えることだったんですか?」
思わずチラっとほかの二人を見やる。
とてもそんな感じでありませんが?
そんな俺の視線に気づいたのか、ベルードも驚いたままの二人を一瞥し、
「正直に言えば、笑えることではないな。あの二人の反応が概ね正しい」
「・・・そうなんですか」
なにがそんなにいけなかったんだ?
「『なにがそんなにいけなかったんだ?』 と思っているな」
え、なにそれ、読心術!?
「そんな顔をしている。意外と素直なんだな、アイツの息子にしては」
さようでしたか~。
しかし、そんなに顔に出てたかな?
「で、なんでですか?」
とりあえず問題解決が先と思い、話を進める。
「それはな、キミが魔術を殴ったからだよ」
「・・・・・・」
「正確に言うならば、そのキミ手に持っている棒で打ち返しただがね」
「・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・はい?
え・・・ちょ、ちょっと、待った!?
「待ってください!? だって、たかが魔術を打ち返しただけなんですよっ!?」
そう、俺はただ魔術を打ち返しただけだ。
俺の驚きに、ベルードはなにか納得したように頷き、
「そうか・・・キミのなかでは、ただ魔術を打ち返したなのだな・・・。だが、まずその根本からして間違っている」
「根本から?」
「そうだ。本来、魔術で生み出された現象は、いかなるものであれ・・・」
そこで彼は、ひどく意地の悪い顔でニヤリと笑い、
「同じ魔術でのみしか、ぶつかり合えないんだ」
・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・え。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇえぇぇーーーーーーーーーーー!?」
叫びました