表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/49

二十回目 リア充に決闘を!

なんか、前と展開が似てる気が・・・


 「では、簡単な確認でが、両者のどちらかが戦闘不能、もしくは降参を宣言した場合、決着と見なす。また、審判の私が、勝負あったと判断した場合も同様に決着とする」


 向かい合うように立つ、俺とアトス・ネイトリンの間。ちょうど真ん中のあたりに立ったベルードが、決闘の説明を行っている。


 決闘しろ!と叫ぶアトスをベルードともう一人のリュノアさんが説得をしようとしたのだが、まったく聞く耳をもたず。

 決闘するにも。アトスの状況を見るに、普通の怪我で済むとは思えず。

 じゃあ、納得のいくまで闘ってもらい、危ないなと思ったら誰かが止めようか!

 そしたら、審判いるんじゃね?

 では、審判は、ベルードに決定! 審判よろしくね♪


 みたいな流れで、あれよあれよと決闘することが決まり、さらには審判までいつのにか決定してしまった挙句・・・。


 「この状況に至る、と」

 『今更じゃな』


 溜息と共に出た呟きに、同調するように返してくる。


 『まぁ、事ここに至っては嘆いたところで、さして変わらん。ご愁傷様じゃな、主よ』

 『・・・慰め、ありがとよ』


 まぁ、ここまで来たら、腹くくるしかないか。


 憂鬱とした気分を吐き出すように、息を吐き出す。

 吐き出すと同時に気持ちを切り替える。


 改めて相手―――アトスを見る。


 アトスはベルーガの話を聞きながらも、いまだに俺を睨んできている。

 その目には、強い敵意が見て取れた。


 羽織っていた外套はすでに脱ぎ、そこには魔術師が着るようなローブではなく、革製の簡素な鎧を着た立っている。

 その鎧姿を見て、俺は自分の認識を改める。

 先ほどの外套についていたブローチの紋様から察するに、この国の魔術師団に所属だと思ったのだが・・・。

 しかし、実際アトスが来ているのは魔術師が着るようなローブではなく、簡素とはいえ革鎧だ。

 

 魔術師じゃないのか?


 そうあれやこれやと考えていると、少し離れたところに立っていた女性―――リュノアさんが俺に近づいてきた。

 

 なんでリュノアさんだけ、「さん」付けかだって?

 それは、リュノアさんが「綺麗なおねぃさん」だからだ!

 

 『バカじゃな・・・』


 そこ、ボソッと突っ込まない!


 「えーと・・・ライハ、くんだったかしら?」

 

 俺の近くにきたリュノアさん(綺麗な金色の髪を首の後ろ辺りで一つにくくっている―――いわゆるポニーテール! 最高です!)が、名前を確かめるように話しかけてくる。


 「はい、ライハ・バーミアスと言います。確か、リュノアさん、でよかったですか?」

 『うわ、主が変じゃ』


 失敬な!

 俺はいつも紳士だ(綺麗なおねぃさん限定)!


 

 リュノアさんは、ホッとしたような表情をして

 

 「うん。リュノア・ネイトリンといいます。リュノアと呼んでくださいね。ちなみに、キミに決闘を申し込んだのは、わたしの弟なの」


 ・・・・・・はい?


 「ごめんね。なんか弟が迷惑かけて。普段はいきなりあんなこと言う子じゃないんだけど・・・」


 俺に向かって申し訳なさそうに謝ってくるリュノアさん。

 そんな、シュンとした表情も綺麗です!


 それよりも・・・


 「・・・・・・弟、さん・・・なんですか?」


 『弟』という言葉に呆然としながら、リュノアさんに聞き返す俺。


 そんな俺に、不思議がりながらもリュノアさんが答えてくれる。


 「うん。アトス・ネイトリン。わたしの弟だよ。少しヤンチャだけど、悪い子じゃないから仲良くしてあげてね?」


 何かを期待するようなリ目で俺を見るリュノアさん。

 しかもその表情は、本当に、弟のことを心から想っているのが、初対面にも関わらず伝わってくるくらいで・・・・・・。



 ・・・・・・うん。


 ・・・・・・決定!


 「・・・・・・ぅだ・・・」

 「なに、ライハくん?」


 俺の声が聞こえなかったのか、聞き返してくるリュノアさん。 


 

 「・・・・決闘だ・・・」

 「え?」


 今度は聞こえたのか、目が点になるリュノアさん。

 そして、俺の声に反応したのか、こちらを向く、ベルードとアトス。


 そんな三人を前にして、俺は、力の限り叫ぶ。


 「決闘だ、このやろうぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」


 


 リアアトスに対する、血の涙を流しながら。






 『・・・・・・主も、バカじゃったか・・・』

 

 

あれ、主人公の性格が・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ