表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/49

十八回目 始めの一歩

ご無沙汰しておりました。更新となります。


 俺は今森の中を歩いていた。

 家の周りを囲むように形成されていた森。修行などでしか使わなかった為、漠然と「緑がワンサカある森」としか認識していなかったが、こうしてゆっくり歩きながら眺めていると、意外と静かで情緒ある森なんだと認識を改めさせられる。


 ・・・・・・まぁ、所々にある、変な穴や不可思議に巨大なクレーター、幹の途中から焼け焦げている大木、なにかに砕かれた岩などなど、目をつむるとしても、だが・・・。


 「しかし、こうしてゆっくり歩いてると分かるけど、意外とこの森って広かったんだなぁ」

 『修行のときには、分からないかもしれんかったが、一応あのバイアスが選んだ土地だからのぉ』

 

 俺の独り言に、右肩に止まっていた朱雀が、嘴で羽を掃除しながら答えた。


 「親父が選んだからって、ただの森だろ?」

 『そんなことはない。隠棲する上で、人にあまり見つからず・寄り付かず・少々の騒ぎでも人に知られない為に選んだ森じゃ。それなりに魔術も仕掛けておるようじゃし、そこらへんの森とはまったく異なるじゃろうて』

 「・・・それって、『森』というより、一種の『迷宮』だろ・・・」

 

 ただの森を、なに好き勝手いじってチート使用にしてんだ、あのクソ親父は!


 心の中で、改めて親父に対して毒づいていると

 

 『・・・まぁ、あのバイアスじゃしな・・・。それより我が主。色々と話し込んでいる間に森の終わりが見えて来たぞ』

 「お、もう森の端まで来てたのか」


 朱雀に言われ、視線を前方に移すと、森の切れ目が見える。

 

 そして、人影も。


 「あれかな? 親父が言ってた()同僚ってのは。」

 『じゃろうな。ただあまり歓迎しておらん輩もおるようじゃが・・・』


 朱雀も羽の掃除をやめ、前方に見える人影を見つめる。


 前方に見える人影は、三つ。

 遠目で分かりづらいが、女が一人と男が二人。


 敵意を放っているのは、その男たちの方の、背格好が俺と同じくらいのヤツだ。


 「まぁ、初対面で恨まれる理由なんて・・・・・・」


 なにか忘れてる気が・・・・・・


 『・・・我らに、奴らを迷わせるように結界を張らせたじゃろう』


 おぉ! そういえば、そんなことも!


 「スッカリ忘れてた!」

 『・・・威張るところではないぞ、主』


 ナイスツッコミです、朱雀さん!


 「忘れていたことは仕方ないから、とりあえず置いといて・・・」

 『置くなっ!』


 スパーンッ! と景気よく俺の頭を羽で叩く朱雀。


 「とりあえず、なんか向こうの人たちも待ってるみたいだから、ちゃっちゃと行きますか!」

 『そうじゃの』


 俺は、三つの人影に向かって、足を速めた。









 


 これが、俺の長い長い冒険の日々の、第一歩となった。

またもや新たに新キャラの予感。


次回、人影の正体?・・・となる予定。


ご感想お待ちしております。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ