二回目 起きたら「おぎゃあ」
基本、主人公は怠けものです。
・・・う~~~ん、よく寝たなぁ。さて起きるか。
「おぎゃあ!」
・・・は?
俺、いまなんて言った?
いやいや、まてまて。もう一度しゃべってみよう。
せーの・・・
「おぎゃあ!」
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・・・なんじゃあ、これは!
「お、やっと起きたか」
ふと近くから、若い男の声がする。
「おぎゃあ(誰だ)!」
俺は、声のしたほうを向こうとして、それができないことに気がついた。あ、頭が動かない!?
「ほおぉ~~。珍しい色をしてるな」
声の主が、俺の視界に入る。
「ここまで瞳の色が黒いのは初めて見るな。いや、それにしても珍しい」
俺を真上から覗き込んでいるその声の主は、見た目20代半ばくらいの、メガネをかけたインテリ風の男だった。
「おぎゃおぎゃあ(あんた、誰だ)?」
「よしよし、やっと目が覚めたみたいだし、こいつの名前も決めないとな」
インテリ男はそう言うと、腕組みをしながら、うんうんと唸りだした。なんか、だんだん頭が傾いている気が・・・。
俺はというとインテリ男が名前を考えている間、「おぎゃあ」「おぎゃ」と叫びまくっていた。
内容的には「なんだこれ!?」「説明キボンヌ!」「あんたカッコイイよ!」などなど。
もうやけくそ気味だね、俺。
そんなやけくそな叫びに疲れていると、
「よし!!」
インテリ男がなにか閃いたようで、ポンと手を叩きながら頷き、
「決まったぞ、お前の名前」
よっぽど良い名前が思いついたのか、満足げな顔で一人納得している。
ていうか、納得しなくていいから、俺のこの状況を誰か説明しろぉぉぉーーー!
進行速度がやたら遅いです。
全然話が進んでいない気が・・・。
次回、主人公の異世界での名前が決まります!