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十一回目 月日は早々と・・・

とりあえず、進行中。


 見渡す限り鬱葱と茂る木々。

 辺り一面、木々と草花しかない。

 生えている木々、どれも天に向かってこれでもかと言わんばかりに枝を伸ばしている。

 

 そんな山あいの中、俺は、粛々とただ走っていた。


 ザッザザッと木々の間を駆け抜ける音。

 そこへ、不意打ちがごとく、


 ドンッ!!

 ドンッドドンッ!!


 と、飛来する俺の頭ほどの炎の塊。


 しかし、俺に直撃するであろうその塊は、ほんの少し走るスピードを上げたことによって、そのことごとくが地面や周りの木々へと直撃する。


 「・・・火球の精度をあげてきたな」


 俺がそうつぶやくと同時に、先程とは比べ物にならない速さで火球が迫ってくる。


 チッと内心その容赦のなさに舌打ちをすると、手に持っていた棒で火球をはじき返す。


 しかし、相手もさることながら、次々と無慈悲と思えるほどに火球を繰り出してくる。

 

 その数、なんと20以上。


 「・・・おいおい、さすがにこれはヤバイだろ・・・」


 思わず足を止め、迎撃の態勢を取る。下手に動き回ったらかえって危険だ。


 「しかし、全方位からの一斉射撃。見事に囲んでくれたもんだ」


 背中に嫌な汗が流れる。

 

 一応言っとくが、これ、修練だよな? この数はさすがに死ぬよ?


 『主よ、鬼ごっこはお終いじゃ』


 どう対処しようものか考えていると、どこからか声が聞こえてきた。

 気配を感じ、上を見上げる。

 

 そこに紅い鳥――朱雀がいた。


 「朱雀、これはちょっとやりすぎじゃないかい? いくら俺でも避け切れるか微妙なんだが・・・」


 『大丈夫じゃ、我が主』


 すると朱雀はスッと片翼を上げる。


 『手加減は致す。なに、もし無理ならば、骨は拾ってやるでのぉ』

 「いや、拾うまでするな! むしろ骨にするな!」


 朱雀の死刑宣告に、片手に持った棒を振り回しながら全力で突っ込みを入れる。


 『ほぉほぉ、我が主はまだまだ元気があるようじゃのぉ・・・どれ・・・』


 俺の周りを囲んでいた火球の数が増える。

 ・・・しかも、大きさも倍になって。


 「ちょ、朱雀、やりす―――」

 『なに、死ぬ気でやれば死なんよ』

 

 朱雀が、上げていた翼をスッと下ろす。


 次の瞬間、


 「・・・いつか、焼き鳥にしてやるぅぅぅぅぅ!!!」


 俺の絶叫と共に、量と質を倍にした火球が、一斉に俺目掛けて襲ってきたのだった。


 





 季節は、深緑豊かな夏の初め。


 俺―――ライハ・バーミアス、13歳のいつもの日常のひとコマであった。 


はい!来ました、いきなりの年齢すっとび!


さくさくと物語を進めていきたいなぁ!

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