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第五章 ~交わる剣~①

前回の更新から結構あいてしまいました。就活で忙しいのです。すみません。

スーツ姿で歩き回ってます。肩こりました。10月18日現在

さて第五章、はじまります。

第五章 ~ 交わる剣 ~




 会場には既に多くの腕自慢の者達が集まっていた。

近くではサーカスの一団が華麗な演技を披露して観客を魅了している。


とても一夜で拵えたとは思えない大きなブランコの上で、くるりと一回転して見せるその足軽な技に観客の間では度々歓声が沸き起こる。


子どもたちはまるでおとぎ話の中に入り込んでいるかのような格好ではしゃぎ回り、国中で催される立食パーティに覗き込んでは、その手がつねに何かおいしそうなものをつかみ取ってから、また走り出して追いかけっこを楽しんでもいる。


そして、その一角にある闘技場の舞台の下に黒コートの男はいた。


とても気の長い性質と思えないのはまさにその通りだろうが、足がそそくさとしているものの、しかし腕を組み、じっとその舞台の先一点を見つめている男は、まるでその場一帯の空気を支配しているようにさえ感じさせた。


そしてその近くにはシェルミアの姿もある。

ここにいる闘志あふれた男たちの中では、シェルミアの不格好差はたいして目立つものではなかったが、その巨体の堂々とした出で立ちからはなんとも屈強な戦士の姿を彷彿させる。


二人とも既にエントリーはとうに済ませているようだ。

そろそろ試合の始まる時間も近づいてきたのだろうか、それにつれて周りの者たちも妙に穏やかではなくなってきた。

笑みを浮かべているものも、その口元に力が入っているのが見て取れる。


木で拵えた刀を振り回し、その形振りを見せびらかすものは、他の参戦者への威嚇のつもりだろうか。

だが男とシェルミア、この二人だけは何もせず、じっと待つだけでその誰とも違う強さを見せつけているようにさえ思えよう。

 

シェルミアはリオンの姿を見るなりすぐに受付へと連れて行き、強引にも参加させているのを、イリアスは後ろから見ていた。


「これが大会で使用する剣だ。相手を死傷に至らせる行為は失格となるので注意するようにな。場外に出た場合も失格になる。飛べないということをよぉく頭にいれておくことだな」

 

皮肉にも最後の言葉を特に強調してそう言うと、シェルミアは木製の剣をリオンに持たせた。

木製とは言ってもそれなりに強度はあるようで、リオンが振り回しても逆に気持ちのいいぐらいに空を裂く。

シェルミアは何も言わないが、それはリオンに丁度いい大きさの剣を選んだからこそだった。


シェルミアの後ろで、ただひとりその様を知るイリアスはつい笑みをこぼしていた。

その後されるがままに、リオンはシェルミアに背中を押され舞台に立たされていた。


「せっかくお前のために開いたのだからな。最後まで生き残れ」


「……偉そうに」


 そうは言うものの、何かリオンの中では妙に血が騒ぐものを感じていた。

手に持っているのは木製の剣だが、何故かそういう大きさのものを握り慣れていたような気さえするのだ。

やれと言われれば素直にやりたい気分も半々、シェルミアに流されるのが嫌な気分であることは否定できなかった。

 

その舞台の下で、故意になのか偶然なのかはわからないがイリアスの傍にいながらその様子をあの男がじっと見つめていた。


「そういえばあいつ……白い髪だなんて珍しいな。初めて見た。国によってそういう色なんてものはたいてい決まっているものだが」

 わざとイリアスにも聞こえるように男は呟いた。


確かに今この国にいる者達の中で髪が白い者はリオン以外にはいないかもしれない。だがさすがに翼が本物だなんて事は気づきもしないだろう。

なにせ皆が仮装をしている中でたとえ一人翼をつけていてもおかしくないからだ。言ってしまえばイリアスだって今では鳥人間(ホルス)のようだ。


「…気に食わないな」

 その言葉はかろうじて聞き取れた。

だが、その時予選大会を始めるという声がかかったので、男もリオンもシェルミアも、舞台に上がった。

 

舞台と言っても、昨晩までの徹夜で作ったものであるから、それほどに立派なものでもない。

石畳を敷き詰め、周りのものからは少し見上げる程度の高さにあるその舞台の周りを木の柵で覆っただけのものだった。

だがそれだけでも十分であることは間違いない。

簡単ではあるがちゃんとした舞台にはなっていた。

 

観客は先程にも増して増え続け、柵の外側を完全に埋め尽くしていた。

ただの野次馬ばりな者たちもいれば、個人的に応援しているものも少なくはない。

賞金がかけられているとすればなおさらである。

平和なこの国の者達にとって、こういった武闘大会なるものはちょっとした刺激になるのだ。

 

何十年ぶりかという大会だけあって結構な参加者が募り、予選だけでも三試合に分ける形となった。

そしてそれぞれの試合で最後まで生き残った四名だけ、つまり合わせて十二名が本戦という形で試合は行われるそうだ。

 

最初の試合に出ることになったのはシェルミアだった。

そしてその中には数人、城の兵士も参加していたが、兵士達は皆シェルミアのそばには近寄ろうとすらしなかった。

四名という枠があるからこそ、シェルミアを入れて残りの三名になればいいという考えなのだろう。

しかしそれが逆にシェルミアに、あえてその者達を狙おうと考えさせるようになる。

 

試合開始の合図とともにシェルミアは兵士たちを狙い、兵士達の持つ剣を破壊したり、場外に投げ飛ばしたりしてその力を十分に見せつけていた。

その力の前に棄権する者もいたり、やがて徐々に人数は減っていき、気づいた時には兵士一人とシェルミア、そして一般人二人という結果に終わっていた。


 周りの観客からはその力強い戦いぶりに、さすがシェルミアと言わんばかりの歓声が沸き起こった。

シェルミアはリオンと目が合い、得意げに舞台を降りた。

 

だが不思議なことに、それがすごかったのか、それともすごくはなかったのか、リオンには分からなかった。

ただ皆はそれが強いと思っているのか歓声を上げている。しかしちらとさっきのマントの男を見てみれば、何故か退屈そうに欠伸をしていた。


「なんなんだ、あいつ」


 強いというものが分からないリオンにとって、この時間はとても窮屈なもので不安という空気がリオンを取り囲んでいた。

まるでその男の様な余裕は見せられそうもない。

リオンの横からは次の試合に出るらしいたくましい体をした者達がこぞってぞろぞろと舞台に上がっていく。


前の試合をしていたものはあまり大きな怪我などは無かったようで、もう次の試合を見ようと気の変わりの速さを見せていた。

周りから見ればシェルミアに負けたと思えばその気持ちもわかると言えるのだろう。

自分自身の感覚であるにも関わらず、それがあまりにも不思議で仕方がなかった。

せめてどちらかの感情が湧いてくれさえすればいいのに、と思わずにはいられない。

 

次の試合はというと、まだ幼そうな少年やらが大人顔負けの剣さばきを披露するなどと、白熱な試合展開となり、観客を喜ばせていた。

一体どこでそんな剣術を覚えたものだと、後でとやかく言われることになろうが、今でこそその称賛は場を湧かせた。

 

その試合の最中、イリアスがリオンとシェルミアの方へとやって来た。

「おめでとうシェルミア」

 にこりと笑顔で声をかけられ、シェルミアは頭を下げた。


「あ、ありがとうございます。しかし姫様、このような野蛮なものはあまり見ない方が――」

 この様な時でも付き人らしい振舞いを見せたが、それはイリアスにごまかされた。


「固いこと言わないの。それよりも次はリオンの番よね。がんばってね」


 だがリオンはイリアスの言葉など全く耳に入ってはいなかった。

リオンが見ている先にはやはりあの男がいた。

次は自分の番だというのにも関わらず、未だに眠そうに頭をポリポリとかいているあの男に。


「リオン、聞いてるの?」

 イリアスに肩をゆすられ、初めてイリアスがそこにいることに気づいたのだろう。

リオンは驚いて、とっさにイリアスの手をはらいのけた。


「……大丈夫?」イリアスが心配そうに顔を覗き込んだ。


「ん、ああ」


 アデマのことも、男の強さのことも、そして自分のこともわからないということが一気に肩にのしかかり、それらがリオンを焦らせていた。

イリアスのお節介な励ましに、うっとうしいと虚勢を張る余裕すら無かった。

先程城の下でイリアスに言われたことも、納得のいく話ではあるが、しかしこの状況で落ち着けという方が無理な話だ。

ここに求めていたアデマへの道が見えかかっているとすれば、意地でも吐かせる魂胆だった。

リオンは三試合目の声がかかると舞台へと上がっていった。

 

それぞれ適当な位置へと散っていく。まずは皆試合前に闘いやすい相手を選んでいるといったところだろう。

開始とともに近くのものに狙われないようにということも考えにいれているのかも知れない。

 

しかしそんな中に一人、場違いにも明らかに浮いている男が一人だけいた。

 

そう。動きにくくはないのかと思わせる黒いコートを着たままのあの男だった。

「はやく終わらせようぜ、こんな前座はよう」


他の者達とは違い舞台の中央に立ち、右手に木製の剣を持ち、もう片方の手はコートの中にあるのか外からは見えない。

剣をかまえる気配すら見せてはいなかった。

まるで他の参加者に、狙ってくださいと言っているかのようにも見える。

周りの観客もその異端者に疑問の表情を浮かべた。

その男のあまりのばかばかしさに嘲笑う者もちらほらいたが、男は余裕の表情でそこにたち続けた。

 

他の者は皆、その男の余裕ぶった態度のおかげで、出鼻をくじこうとでも思い立ったのか。

その馬鹿な男を一番に狙おうと決めたらしい。皆が皆、中央に剣先を向けた。リオンを除いて。


そう、試合開始の数秒前に、その男の目をリオンは確かに捉えていたのだ。

先ほどまでの眠そうな眼とは一変。まるで近くによるものを一瞬で切り裂きそうな眼を……。


その眼を見た瞬間、リオンだけは剣を向ける気にはなれなかったのだ。

リオン以外の者はその異彩な眼に気付いてはいないようで、ただリオンだけがそこに纏う空気だけで、その男に向けるべき覇気を失っていた――。


試合開始の合図と同時に、男はまったくリオンの方を見向きもせずに、だが確かにリオンに向けて言った。


「いいか小僧。こんなとこで俺の剣技が見られるということを光栄に思え。もっとも……見えればの話だがな」

 

そう言っている男の背後には、既に何人もの剣を振り上げた男たちが飛びかかってきていた。


普通の人間ならば、その内の何本かは受け止められようが、すべてかわすとなれば不可能だろう。そうだれもが思うことだろう。

だが男はにやりと白い歯をリオンに見せた。そして――。

 

その男がどうやって皆を場外へと吹き飛ばしたのか知っている者がいたら、どうか説明してほしいと皆が皆、そう口にすることだろう。


「う、嘘だろ……?」


気づいた時には、男が姿勢を低くして剣を前方に向けているだけだった。

風になびく黒いコートがふわりと男の肩の辺りを漂っている。

そう、リオンの目の前でその試合は一瞬で決着がついたのだった。

 

男はフゥと一呼吸置くと、立ち上がって剣を一振り。そして振り返りざまに高々と言い放った。


「我が名はアルクレア。言っておくがお前たちの負けは恥じゃない。相手が悪かっただけだ」

 そう言い終わると試合前と同じようにコートを正し、剣を持ち直した。


吹き飛ばされた者は、一体何が起こったのか分からずに、その場で目を見開いたままで地面に突っ伏していた。

大した外傷もなく、ただアルクレアの剣圧だけで投げ飛ばされたかのようだ。


しかしそんなことが人間にできるのだろうか。

会場を覆うすべての人の口は開いたままふさがらない。

今起きたことがそもそも現実かどうか疑いたいことだろう。


アルクレア以外、誰がこの場で動作をとることができたであろうか。

舞台を一人堂々と降りて行く中で、リオンはこの男が別格であることだけは分かった。


シェルミアも確かに強いと言えるのであろうが、比べるだけ野暮というものだ。

それほどにこの男の強さは衝撃的で、何よりその強さを肌で感じた。


皆しばらくその場に固まってしまった。

舞台の外ではシェルミアも、先程の得意げな顔は消え失せ、その額に冷やりとした汗を流していた。


この男がどれだけ余裕を見せようと、それは全く隙ではなく、全てがこの男の間合いであり、そして実力であることを証明した。

 

周りで見ている観客の間でも、不穏の空気が漂い続けた。

いつしかサーカスを見ていた者や食事に夢中だった者もざわめきを聞きつけたのか集まって来ていた。

そんな中、アルクレアのこともあり、四名の枠のうちたった二人しか残らないという異例の結果のもと、次の試合には十人でのトーナメントとして大会は進行されていった。

 

組合せから、リオンが最初に呼ばれた。

対戦するのは先程素早い身のこなしで大人をも倒した少年だった。


少年の方も相手が屈強な大男ならまだしも、リオンのように自分と同じくらいの体つきをしているのを見て、勝てそうだとでも思ったのだろうか、にやりと笑うと剣を構えた。


予戦ではアルクレアが倒してしまったために、リオンにとってこれが事実上初試合となる。


「こういうの、どうやって使っていたっけ」

リオンも少年にならって慌てて剣を構えた。


しかしそれは周りから見れば明らかに少年の方に分があると思わせる構え方だった。


二人を囲んで周りでは二人をはやしたてたりあおったりという声が飛び交っている。

しかしアルクレアだけはあまり興味もない様子で、自分の長い黒刀とは違う短い木の剣をくるくると回していた。


試合開始の合図とともに、少年はリオンの懐に飛び込んできた。

イリアスが小さく叫び声をあげたがリオンは間一髪、右に跳んでそれをかわすことができた。


だが同時に姿勢は崩された。

少年はそれを好機に次々とリオンに斬りかかり、あまりに手慣れているその剣さばきはリオンもかわし続けることが困難になり、やがて少年の剣がリオンの腕や肩をかすめるに至った。


リオンもその隙にと何度か剣を振るうもそれは少年にかすりもしなかった。

少年にとっては何度もかすめているそれが効いたとは思いもしなかったはずだ。

なにせ飾り物の翼をかすっただけだと思っているのだから。


だがリオンにとってはそれが確かに効いていた。

瞬間、その傷が激しく疼いたせいで、リオンは隙を見せてしまった。


木製の剣と雖も、精巧に作られたものを相応に使用すればそれは強い破壊力を持つ。

リオンは治りかけていたはずの傷を狙われ、そしてついにその剣はリオンに届いた。


周りの観客がその瞬間どよめいた。

イリアスは口に手をあてがえて見ている。シェルミアの言う通り見なければ良いものを、とリオンは何を思ったか闘いの最中にちらりと考えた。


見ればリオンの右肩の傷口からは血が勢いよく流れている。

リオンはその場に膝をつき、少年はもらったとばかりにとどめをさそうとした。

 

あたりどころでも悪かったのか、傷は思ったより深かった。

少年がとどめをささなくとも、リオンはこの時意識が飛びそうだったに違いない。


もはやリオンは何も考えていなかった。

いや、考えていたとすればただ一つ。頭の中でその言葉だけがリオンの胸に響く……俺は弱いのか?


ポイニクスならば――。


その瞬間、リオンの中で心臓が激しく鼓動したのが分かった。

ドクンという音がリオン自身聞こえ、それはリオンの中のなにかを変えた。「俺は――」


ふと顔を上げた時、目の前にはあの氷の洞窟で出会った男が見えた。

手にレーザーガンを持って自分を狙うあの男が、飛びかかってくる少年とかぶりながら。


全身の毛が逆立ったのを感じた。予選の前に感じたあの血の騒ぐような感情も再び襲ってくる。

もちろん実際に男の姿が見えたわけではなく、感じたと言った方が適当だろう――。

 

だがその幻覚はリオンの身を高ぶらせ、少年の渾身の一発をかわす動きを与えた。


少年にはその時何が起きたのかわからなかったが、それはリオンとて同じ。

しかしさっきとは違うものがあった。


今のリオンに不安や緊張はなく、それはまるで体中を駆け巡る血が、細胞が勝手に体を動かしたように、リオン自身も分からない興奮につつまれていた。

しかし確かに感じたのは、自分の体に力が溢れ出してきているということだった。

何故かもう、少年の一太刀もくらうことはないという自信にさえ包まれていた。

 

以前感じたことのあるこの体のざわめきは、怪我をしていることを一切感じさせることなく、リオンを突き動かした。その眼はどんな獲物も見逃さない鋭い眼をしている。

 

剣を持ち直した。と少年にはそう見えたことだろう。

だがその瞬間にはもう少年の背後にリオンがいた。


はやい、と言う暇すらとらせないほどの動きを見せ、少年にはもはやリオンの姿は見えてはいなかっただろう。

リオンはたったの二度剣を振った。そしてついに、少年の持っていた剣を吹き飛ばしたのだった。

そして、留めには少年の目の前に、持っている剣を突き付けた。

 

形勢逆転と言うに相応しいこの闘いに、少年は「まいった」と終わりを告げた。


「勝者、リオン選手!」

溢れんばかりの歓声とともに気がつけば、リオンはその場に立ちすくんでいた。


たった今自分がとった行動は、ほとんど無意識だったのだ。

リオンは自分の掌を見るが、やけに他人事のように聞こえる歓声が信じられない。

勝ち名乗りを受け、少年が無念そうに去っていく中、自分の力に驚きを隠せないリオンだったが、イリアスが舞台に上がって来たのを見て我に返った。


「リオン! 大丈夫?」イリアスは急いで持ってきた包帯を出したが、リオンはそれを拒み、逃げるように舞台を降りた。


「最後の動きはまあまあ良かった……が、まだまだだな」

 いつの間にか試合を見ていたらしいアルクレアが、皮肉にも舞台の下ですれ違いざまにそう言った。

リオンはフンと鼻をならし、観客の場に混じった。


その後の試合は十名とは言ったものの、アルクレアとあたったものは試合前に棄権するか、一瞬で試合が終わるかに過ぎなかった。


同時にシェルミアも内容は違うものの、結果はそれと変わらなかった。

ただの消化試合というにも可哀そうではあるが、そう思われても仕方がなかった。


当初シェルミアの考えていた兵士の訓練の一環であるこの大会はその意義を失っていた。

どちらにしろ、この二人の力の差が分かるような試合はなかった。


四人にまでしぼられるころには、リオンも順当に勝ち上がり、もはやリオンやシェルミアが出場した時には声援を投げられる程だった。


アルクレアについては声援を送る間もなく相手がやられてしまうので、むしろ非難すらあびる気配もあったが、本人は全く気にしていないようだ。


まるでただ楽しめればいいとその身が言っていた。


そしてついに怪我をおして出場を続けていたリオンが準決勝で勝ちをものにした。

剣を手にした時にだけ人が変わっているかのような動きをも見せ、一風変わったその闘いに人々は応援し、リオンはその不思議な感覚に酔いしれないわけにはいかなかった。


そして――。


「次はいよいよ」誰かがごくりと生唾をのみながらそう言った。

観客はもう次の試合へと興味を移していた。それは今大会で一番名のあるものとなかったものの。


二人は舞台に上がった。



でました俺様アルクレア。作者お気に入りの彼が、この後一体どうでるのか。謎の男といえどもその腕は天下一品。はたしてシェルミアは?

パソコンで見ている方たちは僕の書き方で見やすいかなあといつも思いながら編集しています。この作品、ワードで書いているので、手元には完全に単行本のような状態でできあがっています。なので毎回投稿する時には段落と行変換を手作業でやっているんです。

これでいいとか、こうした方が見やすくなるよとかいう意見・感想があればぜひ一報くださればと思います。

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