第一部最終話、愛で、運命を切り開く
乙女ゲーム『ロイヤル・ブロッサム』のクライマックスが迫る。王子エリオットと騎士レオンは、リリアナ・ヴェルモンドを殺すシナリオを強行。ダンジョン最深部で、巨大な魔王が召喚され、咆哮が響く。リリアナは剣を構え、ユウトに問う。「なぜここまで私を信じる?」。モブ貴族ユウトとして転生した悠斗は、穏やかに笑う。「ゲームのあなたも、目の前のあなたも、俺には同じ。守りたいんだ」。リリアナの瞳が揺れ、心が決まる。「なら、私もお前を守る」。ラブパワーが限界を超え、彼女の剣と魔法がハート型のオーラで輝く。炎をまとった剣が、魔王の腕を一閃で切り裂く。
魔王の攻撃が襲い、ユウトは補助魔法でバリアを張る。ゲーム知識を活かし、魔王の弱点を叫ぶ。「心臓の核を狙って!」。リリアナは頷き、ラブパワーが炸裂。彼女の魔法「ラブ・ノヴァ」がダンジョンを照らし、ハート型の炎が魔王を焼き尽くす。エリオットは絶叫する。「なぜ、ゲームのシナリオを…!」。リリアナは冷たく答える。「愛が運命をぶち壊したのよ」。ユウトのバリアが魔王の最後の攻撃を防ぎ、リリアナが核を貫く。魔王が崩れ落ち、ダンジョンに静寂が戻る。
戦いの後、貴族社会にエリオットの陰謀が暴かれる。リリアナは、かつて嫌われ者だった令嬢から、英雄として讃えられる。丘の上、ダンジョンを見下ろす場所で、リリアナはユウトの手を握る。「お前がいなかったら、私は死んでいた」。彼女の声は柔らかく、頬がほのかに赤い。ユウトは笑う。「これからも、そばにいてやるよ」。二人の間にハート型の光が灯り、夜空を彩る。ゲームのバッドエンドは完全に覆され、新たな未来が開かれる。
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