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【9枚目】ミラ•エマーズ被害者の会、会長ルーク様、副会長エリザベス様。


「「「はぁ…?」」」


皆さんが困惑した顔でこっちを見ている。


「いや、だってあの人がエリザベス様に勝ってるのなんてどう考えてもオッパイの大きさくらいじゃないですか。


 人柄も顔も賢さも所作もマナーも爵位もエリザベス様に軍配が上がると思うんですけど。」


私がそう言うと、エリザベス様が


「…では、私は悩む必要なんてないと言う事…?!」


と言って呆然としている。


「そりゃそうですよー。それにあの人、この前うちのクラスに来て鼻水出してましたよ。」


そう言うと、モニカが何かを思い出したのか、

「…ぷっ。」と吹き出した。


「…とりあえず、なんだか悩んでいたのが馬鹿らしくなって来ますわ。」


エリザベス様がそう言って脱力している。


 すると、ルーク様が口を開いた。


「…実は僕らはね。秘密裏に『ミラ•エマーズ被害者の会』を立ち上げたんだ。


 ちなみに会長は僕。副会長はエリザベス。ハリスが補佐だ。

 

 君達3人にもメンバーに入ってもらおうと思っていたんだけど。


 あとの2人はミラ•エマーズについてどう思っているんだい?」


ルーク様がそう言うと、モニカがポツリと呟いた。


「ミラ•エマーズは、相手の婚約者の有無に関わらず顔の良い伯爵家以上の令息達に近づいています。


 実際にルチアはポール•ディアーノ様に邪険にされた挙句、婚約破棄されました。まあ、破棄されたルチア本人はこんな感じですが。


 けれど、私は許せません。はっきり言って彼女に靡いた男達にも自分の婚約者含めて腹が立っています。政略ですし恋焦がれてはいませんでしたが、誠意は持っているべきかと。」


すると、ユリアちゃんも頷いた。


「私もモニカさんと同じ意見です。…ところで。


 エリザベス様に関してはわかりますが、ルーク様とハリス様はミラ•エマーズからどんな『被害』を受けられたんですか?」


そう言うと、ルーク様は重々しく口を開いた。


「兄はミラ•エマーズが現れてからおかしくなった。


 このままではまともに国を回していけるのかも分からない。


 僕は被害者というよりも、第二王子だからね。いわゆる兄上のスペアだ。だから、僕が中心になって調査することになったんだよ。


 ハリスもパディントン家の事に関わってくるから参加してもらった感じかな。」


それを聞いて私はふと思った。


「あの…。質問しても良いですか?」


「何だ、トラボルタ嬢。不敬罪にはしないから、何でも言ってくれ。」


そう言って、ルーク様が諭してくださった。


「あ、はい。それでは。


 あのー、ミラ•エマーズさんとカール様や私の元婚約者のポール様は、もうチョメチョメはされていたりはするのでしょうか?」



「チョ、チョメチョメ?それは一体…?」


ルーク様が困惑し出したのであわてて補足する。


「あ、すみません。所謂、エッチな事ですね。」


そう言うと、何故かハリス様が耳を赤くして『チョメチョメ…』と言いながら照れている。


「うーん、兄上には王家の護衛がついているからな。流石にそれはないとは思うが…。」


ルーク様が淡々と答える。


「じゃあ、もちろん、ぱふぱふもないですよね?」

一応私は聞いておく。


「ぱふぱふ…?それは一体…。」

ルーク様が再度困惑した表情になる。


「あ、おっぱいで顔を挟んでパフパフやることです。」


すると、何故かハリス様が『ばふぱふ…。』と言いながら無表情のまま鼻血を出した。


「キャー!お義兄様っ!!誰かハンカチを持って来て!」


そう言ってエリザベス様が呼びかけると、使用人忍者がすぐ駆けつけてハンカチを手渡していく。


「えーっと君はさっきから何を言っているのかな?」


ルーク様がどうしていいかわからない顔になっているので慌てて補足する。


「いやー、エッチな事もしてないならそんなに大人数の令息達をどうやって自分を好きにさせたのかなぁって純粋に疑問に思いまして…。


 一体何をやったらそんなにおモテるになるのかなぁ、と。


 いくらおっぱいが大きいからと言って、性格もあんまり良くなさそうだし、もっと美人な令嬢は沢山いますし。…ちょっと不自然じゃないですか?」


 それを聞いてルーク様はやっと合点がいったようだ。


「確かに…!魅了魔法や何か薬を盛っている可能性もある…と言う事か。


 それに万が一婚約中の令息と肉体関係を持っていたとしたらそれはそれで重大な契約違反だ。まあ、兄にもしそのような事があればさすがに報告があるだろうが…。


 他の令息についても一度その線できちんと調査をしてみることとしよう。


 また、上記のどれかに当てはまらなかった場合、それはそれで対策が必要だな。」


…あ。いや、そこまで深くは考えてなかったんですけど…。


 でも結果的に何かいい事を言ったことになったみたいなので良かった。


「今後はこの会合は少なくとも週一で、昼休みに学園の食堂の王族専用の特別室で行うつもりだ。


 全員がきちんと集まるように。


 とりあえず、あまり人数が増えすぎても動きにくいのでこのメンバーで今後は動いていこうと思う。


 次の会合は一週間後とする。


 それまでに王家の方で調査を完了させて結果を伝える。」

 

…いつの間にか『被害者の会』に私も強制入会させられていた。


 そして、全員がやる気いっぱいで頷いている。

 

 ―一週間後の昼休み。


 『被害者の会』のメンバーは王族専用特別室でドキドキしながらルーク様の結果報告を待っていた。


 なお、テーブル上にはルーク様の奢りでステーキ弁当が置かれている。


「それでは、結果を発表する。」

全員がゴクリと喉を鳴らす。


「調査の結果、ミラ•エマーズは、やはりルチア•トラボルタ嬢の予想通り、200年前、傾国の美女と言われたクレア姫と同じ特殊な魅了魔法を使っているだろう事が予想される。」


いや、予想してないですけど。でも、魅了魔法なんてあるんですね。びっくり。


「…それは!!!」


全員がカッと目を見開く。


「ああ、恐らく『ラッキー⭐︎スケベ』という名の魅了魔法だ。」


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