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多田氷雨の作品集

君が君を必要なくても

作者: 多田氷雨



君がある日言った。


「私はこの世界に必要のない人間だから」


って。


瞳を波打たせながら。


今にも泣き出しそうな顔で声で。


君は、言った。


たしかに、世界から見たら君も、そして僕もちっぽけな存在で。


君が言ってることは間違いないのかもしれない。


けど、違う。


僕からしたら、違う。


僕は君が必要なんだ。


君は誰でもない「君」だから。


君と言う存在は君しかいないから。


君がいない世界なんて知らないし、君がいない世界なんて考えられない。


考えたくない。


僕は君にいてほしい。


いなくならないでほしい。


例え君が君自身を必要ないと思っても。


僕にとって君の存在は必要不可欠なんだ。


君がいない世界なんて、それこそ僕にとっては必要のない世界なんだ。


僕は……君のことが好きだから。


だから、「私はこの世界に必要のない人間だから」だなんて本当は言わないでほしい。


僕もこころが落ちてしまったらそんなことを思ったり言ってしまうけど。


やっぱり、愛する人にそんなこといわれたくないな。


君が必要なくても。


僕は必要だよ、君のこと。


君の存在が僕の日々を。


世界をつくるんだ。


君がいなきゃ、僕も世界にとって必要のないものになる。


君がいるからこそ、僕の世界は成り立つんだ。


君は僕の世界に必要な人なんだ。


だからそんなこと……言わないでほしいな。


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