主との再会 2
国家特待生エリーブラウンとの交流
幼年学科剣技大会、初日ベスト十六試合。
アンジェラの試合が行われようとしていた。
エリーがアンジェラを見惚れていると、アンジェラと視線が合う、すると、アンジェラが素早く動いて、エリーの前までやって来た。
(えーー、なんで、なんか怖い)
エリーがびっくりした表情をしていると、アンジェラが真剣な顔で言った。
「エリーさん、ガルシア会長戦見せて頂きました、わたくしの思う剣技と違いましたが、明日の対戦楽しみにしておりますわ」
アンジェラは言い終わると、直ぐに背を向けて開始ライン位置に戻った。
(アンジェラ様、昼間の感じと全然違う、なんか怒ってる、私、なんかしたかしら? 試合開始前だから気合い入ってるからかも)
エリーがちょっと悲しそうな顔をしていると、ジョージアが話し掛ける。
「どうした、落ち込んでるぞ」
エリーは「なんか、アンジェラ様、怖いです、お友達になろうと言ってたのに」
ジョージアは少し考えて「まあ、試合前だからだろう。それに、学生会副会長として思うところもあるのかもしれん」
エリーは少し驚いた。
(アンジェラ様、学生会副会長なの)
ジョージアが「始まるぞ」
アンジェラが名乗る「アンジェラ•クロード3年生、正々堂々剣を交えましょう」
対戦相手が名乗る「テッド セオドア3年生、アンジェラ副会長と対戦出来るとは、これ以上嬉しいことはない、宜しく頼む」
審判が両者に確認「準備良いか!」
両者頷く。「試合開始!」審判が旗を振り下ろした。
それと同時に、アンジェラが間合いを素早く詰めて、下段突き、下段斬りを繰り出す。
相手は木剣を外に振りそれを祓い退ける。相手は1歩下がり、上段から一気に木剣をアンジェラの肩目掛けて振りおろす、アンジェラはそれを半身で交わした。
アンジェラは右に身体を振り、左中段から鋭い斬りを、相手の胴体に入れるが、相手の木剣に直前で防がれる。
エリーはアンジェラを見ながら。
(さすがですね、かなりの修練をされているのが判ります。そして、剣筋も綺麗です)
アンジェラは思っていた。(エリーさんの前で、手の内を見せていいものなのか、だけど、時間を掛けて剣筋を見られるのも問題ですわね)
アンジェラは相手を見据えて後方へ下がり間合いを取ると、木剣を正面に構え、全身に魔力を流して身体強化を図る。
エリーはそれを見て「アンジェラ様、魔力上げました、もう、決まりますね」ジョージアが頷く。
アンジェラは左に身体を振り、上体を沈めると、一気に間合いに潜りむ。そこからの、右下段からの強烈な斬り付け相手の木剣を身体逸らして受け流すと、相手の後方に抜けていた。
相手が呻き声を上げて、膝をつく。
審判が旗を上げる。「勝者、アンジェラ•クロード!」
観戦していた学生達から歓声が上がる。アンジェラが礼をして退場して行く。
エリーの所に来て「エリーさん明日、よろしくお願いしますわ」アンジェラは若干微笑んでいるが、ブルーの瞳は笑っていない。
エリーは(アンジェラ様、何で・・・・・・)
(私、アンジェラ様に何かしました?)
エリーは少し引き攣った笑顔をする。
「アンジェラ様、試合楽しみにしております」
アンジェラは軽く頷くと、エリーから目をそらし、去って行く。
(エリーさん、ゴメンナサイ・・・・・・心がザワメキ立って変な感じで、冷静になれないの)
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