1 プロローグ
「これ、HA NI |KA MIのペンダントヘッドだよね?しかもスワロフスキーのシャクナゲ?」
「イイでしょー。選択授業一緒の子にもらったんだー」
「え?こういう高そうなのは、ガチャでもなかなか当たらないんじゃないの?」
「う~ん。その子、ペンケースもキーホルダーもHA NI KA MIのいっぱい持ってんるんだよ。幼稚舎からの生え抜きでスッゴイお金持ちだから、買い物でポイント稼げるんじゃない」
「だからって!」
「くれるって言うんだから、いーの。いーの」
「まったくぅ~。お礼はちゃんと言った?」
「言ったよ~。それより、お姉ちゃんはゲームの攻略進んでるの?」
「あんまり……。三人は攻略したんだけど、皇太子がね~」
「あ~、真面目なんだけどそのぶん選択肢読めないよね
」
「服とか買えないし、買い物ポイントも付かないから厳しいのかしら」
「お姉ちゃんの歳でキラキラの花柄とかヤバくね!姉ブランドのHA ZI RA Iでも難しいそうWWW」
「は?まだHA ZI RA Iは着れますぅ~」
「じゃあさ!私に服とヘアゴム買ってよ。春の新作出たんだよ」
「無理、無理。いくらすると思ってるの」
「大好きな皇太子様の攻略、早く進むかもよ。いいじゃん」
「ダメなものは、ダ・メ」
「ちぇッ。ケ~チ~」
「ケチで結構。私そろそろ行くわね」
「え?早くなーい?」
「研修会で東京に行くから、今から出ないと急行に間に合わないのよ」
「東京いいなー。」
「遊びじゃなくて、仕事だから。夕方までみっちりカリキュラム入ってるし、逆に大変なのよ」
「へー」
「あんたも早く行きなさい!高校に遅れるんじゃないわよ」
「へーい」
まさか、これが最後なるなんて思わなかった。