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逢想の纒憑  作者: 中保透
二章 はじめての
32/52

29.苦悩


 [不動総合病院 別館 葵専用研究室]


 カタカタとキーボードを打つ音が響く。


「……ふぅ」


 外は雲一つなく月明かりが木々を照らしていた。打つ手を止め葵は月をじっと眺めコーヒーを啜る。


「葵」

「あれ、朱弥? なんでいるの?」

「ノックしたんだが……大丈夫か?」

「え、何が? 主語がないからわかんないんだけど」

「……眠れているのか」

「ちゃんと寝てるよ? たまに薬作るのに没頭しすぎて寝るの忘れるけど〜」

「はぁー……まぁならいい」

「あ! 呆れてるね? 納得してないでしょ」

「なんでこんな奴に似てしまったんだか……」

「それアツキちゃんの事言ってるよね? なんだよ俺に似ると悪いみたいな!」

「孝介が似なくてよかったな」

「何それ皮肉? 寧ろ似たのが親子じゃない事にびっくりだよ」

「うるさい泣き虫」

「それいつの話だよ! ったくー」

「今もだろう」

「はぁ? ……俺がいつ泣いたよ」

「目が赤い」

「寝不足でしょ」

「医者が何言ってんだ」

「じゃあゴミが入った!」

「じゃあってなんだ……なんだかな」

「ちょーっと!! なんで撫でるのさ! 俺大人! 男! オニーサン! 女の子にならまだしも野郎に撫でられても嬉しくないっての!」

 頭に置かれた手を払い、葵は威嚇する。

「可愛くない奴だな」

「可愛くなくて結構! 格好いいって言って」

「格好良くはないだろ」

「はぁー? これでもモテるし! いんちょーだもんね!」

 ふふんっと自信満々に胸を張る。

「がき……」

「何か言った?」

「何も」

「何しにきたのさ?」

「別に、顔見にきただけ」

「は? 何それ意味わかんないだけど」

「お前には色々巻き込んで迷惑かけてるしな」

「それどれの事? 迷惑なんてかけられた覚えないね」

「そうか」

「俺も暇じゃないんだけどー?」

「もう上がりだろ。飯行くぞ」

「診察は終わってもやる事は終わってないんですけど」

「待ってる」

「聞いてる? ……はぁ、アツキちゃん待ってるだろ」

「由月の所に泊まり行ってる。勉強会兼パジャマパーティーだとさ」

「えー何それ面白そー。良かった、元気そうだね」

「あぁ、まぁ……」

「……」

「葵」

「……はぁ、ちょっと待ってて。大事なのだけでも片付けてくる」

「あぁ、悪い」




「すみません、朱弥さん……お願いしますね」

「えぇ。こちらからこそすみません、お忙しいところを」

「大丈夫ですよ。担当の患者さん達にはお知らせしてますから……それに他の医師や患者さん達にもお願いされたので」

「まぁ……それならいいのですが……」

「少しでも、良い方に気が紛れればいいんですけど」

「……はい」


「おまたせ〜って何ナンパ? やめてよね、うちの子に手出すの」

「なんでそうなる」

「院長と一緒にしないで下さい」

「俺手出した覚えないんだけど……」

「もういいのか?」

「あ、うん。とりあえずは」


「お疲れ様です。ゆっくり……おやすみください」

「? うん、お疲れ様〜」

 葵は見送る看護師に手を振り病院を後にする。



 * * *


「へぇ〜お前こんなとこ食べ来るんだ? 野郎と来て楽しいの?」


 連れてこられたのは全部屋個室の綺麗な居酒屋。襖で遮られた部屋、飾られる花瓶……いや壺? 窓から見える和風な庭。

 塀に囲まれた外装を見た事はあるが入る事のなかった葵は少しわくわくしていた。


「個室の方が話しやすいだろ」

「まぁ……別に普通の居酒屋でも良くない?」

「ここも普通の居酒屋だぞ。内装が高そうに見えるだけだろ」

 そう言われメニューに書かれた金額を見る。

「ふーん? あ、ほんとだ良心的お値段」

「好きなの食え」

「遠慮するつもりないけど? だって朱弥の奢りでしょ?」

「お前……まぁそのつもりだからいいが」

「やったね、どれにしよっかな〜お、酒も種類いっぱいある」

「飲みたきゃ飲め」

「んーいいや。明日もあるし」

「……俺、これ」

「ぷっ、それチョコドリンクじゃん。相変わらず朱弥は見た目と似合わず甘党だねぇ」

「悪いか」

「悪いとは言ってないでしょ。俺はコーヒーでいっかな飲み物は」

「またコーヒーか」

「いいでしょ別に〜。あ、これ美味そうお手製フレンチトーストだって」

「デザートは後にしろ」

「チョコドリンク頼んでる奴に言われたくない……」




「で?」

「ん?」

「何か用があったから飯誘ったんでしょ」

「用がないと誘っちゃいかんのか」

「え、ほんとに飯誘いにきただけなの? ほんと? は? ほんとに?」

 唐突な誘い、やはり何かあると疑っているのだろう葵は何度も確認する。襤褸(ぼろ)を出さないよう平静を装い返す。

「お前な……たまにはいいだろう」

「……ふーん、まぁいいけど」

「……どうだ最近は」

「別に変わりなく。俺はね」

「そうか……孝介の事、すまない」

「朱弥が謝る事ないでしょ。あの馬鹿が自分でどっか行ったんだから」

「しかしな……身を預かる立場としては、」

「そーゆーのいいよ別に。そのうち帰ってくるでしょ。今までだってそうだし」

「期間が違うだろう。それに今までは井守宮だって転移すればある程度の把握は出来てた」

「……あぁ、伝通石か」

「恐らく何かの衝撃で壊れたんだと思う。通信もできないからな……」

「何、俺を不安にさせて泣かせたいの? 悪趣味〜」

「そういう訳じゃない。お前にあやふやに言っても聞かんだろう」

「まぁね。それに俺は自分の事は自分で確かめた物しか信じないよ。……例えそれが本当の事であってもね」

「それでいい。そのほうがいいだろう」

「俺よかアツキちゃんだよ。孝介がいなくなってあの子だって一人で無理してるだろ」

「……そうだな」

「俺なんかよりアツキちゃんの心配しなよ。別に俺は心配されるような事はない」

「しかし、」

「俺は!」

 遮るように声を荒げ、朱弥を軽く睨む。

「……別に平気だよ。何も変わりない、何もな」

「葵……」

「……ちょっと便所」

「あぁ」

「おまたせしました〜コーヒーですぅ〜」

「あ、どーもー。置いといて下さい」

「はい〜」


「……」


 部屋から人影が見えなくなったのを確認し、朱弥は葵の飲み物に一粒の欠片を混ぜた。


 * * *


「はぁ……何だよ朱弥の奴……」

 トイレの個室に籠もり扉に寄りかかる。


 大丈夫、今までだってどっか行ってもちゃんと帰ってきてたんだ。大丈夫、大丈夫。


「大丈夫……だよね、紗衣(さえ)


 首に掛けられた指輪を強く握り、一人の女性の名を呟いた。



 * * *


「遅かったな」

「何だよトイレくらいゆっくりさせてよ」

「別に駄目とは言ってないだろ」

「俺さっきのフレンチトースト食べたーい」

「食え食え。俺はいちごタルト」

「お前も食うのかよ」

「悪いか」

「別に、飲み物は?」

「水でいい」

「そう」


 葵が飲み物を飲んでいるのをじっと確認する。


「何?」

「別に。不味そうだと思って」

「何だよ人が飲んでるものを……」



 * * *


 居酒屋を後に朱弥は車を走らせる。


「いや〜食った食った! ご馳走さん」

「お前意外と食うな……」

「にゃはは、人の金だと思ったら胃袋も膨らんだ〜人の金で食う飯は美味いね」

「なんて奴だ」

「お前のわがまま聞いてやったんだから……いいだろ」

「まぁいいが」

「ふぁ……」

「別に寝ても構わんぞ」

「え〜……ねぇお前さ、なんか……混ぜた?」

「何をだ?」

「それを聞いてんじゃん……だってさっきから、異様に……眠ぃ……」

「……勘はいいくせに、警戒心がまるでなってないな」

「な、に……」

「大丈夫だ、何もしない。……おやすみ」

「……、……」


 葵の意識は途切れる――。




 寝息を立てたのを確認すると朱弥は伝通石を繋ぐ。


《……井守宮や。どうや? 効いたかいな?》

《あぁ、今寝た》

《そうかいそうかい、なら連れてきぃ。ベッドは空けとるで〜》

《お前が言うと犯罪に手を染めてる感じしかしないな》

《何や薬で眠らせちょる奴がよう言うわ》

《まぁいい。もうすぐ着く》

《あいよ。お手製の香の準備も大丈夫や》

《あぁ。悪いな》

《構へんよ、うちもちょぉ責任感じちょるしな》

《お前が責任感じる必要はないだろう》

《何や朱弥らしゅうないな……それに伝通石が簡単に壊れたっちゅー事は耐久性が低かったっちゅー事や。改良せなな》

《……そうだな》


 * * *


 [準管理棟 元医療薬師部 仮治療室兼仮眠室]


 少し前まで専用の治療室として使われていた一室。今では保健室の方が主になっていたり総合病院に直接治療を受けに行ったりと使われる事は減り仮眠室となっている。整えられたベッドに座り、井守宮は朱弥達の戻りを待っていた。


「お、連れてきたかいな。……よし、よぅ寝ちょるな。何や可愛らしゅう寝顔しちょるの」

 葵の顔色を確認するように覗く。

「手出すなよ」

「せんわ、全く。ほらこっちに寝かせぇ」

「……あぁ」

「大丈夫や、変なもんは入れちょらんよ。継ともちゃんと確認し合って作っちょるから」

「元が呪草の時点であれだが……まぁそこは心配してない。こいつが作る謎の薬よりはましだ」

「あーそういや新薬作りが趣味やったな……」

「正直何がしたいのかよくわからん」

「はは……そこは専門的な事やしうちもわからへんわ。ほれ行った行った、香焚くで」

 陶器でできた香炉を手に取ると井守宮は朱弥を追い払う。

「あぁ……ゆっくり休め、葵」




「ん……」

「ん? なんやもう起きたんかいな」

「……薬扱う俺が……薬に耐性持ってない訳……ないでしょ」

「なんや可愛いないな。効いちょったくせに」

「……呪薬なんて……油断した」

「まぁそんだけ警戒せんと安心出来る相手っちゅー事やろ」

「はぁ……一発殴っとけばよかった」

「やめとき。葵ん事思ってや。言うたら病院全体がグルやで」

「まじ? 全然気付かなかった、ゆっくりおやすみってそういう事か……」

「皆心配しちょるんよ。うちも見た時死んどるか思ったわ」

「縁起でもない事言わないでよ……」

「それほどに顔色が悪いっちゅー事や、蒼白い顔しよって。自分、鏡見たことあるんか」

「はぁ……あー頭痛い……」

「寝不足やアホ。大人しく寝ろ、顔色良くなるまではここから出さへんで」

「なんでだよ……こっちだって仕事あんだって、の」

「言うたやろ病院もグルやて。お前の休みはちゃんと貰っちょるわ」

「戻ったら……関係者全員、減給してやる……」

「やめや、子供みたいな事すな全く」

「……井守宮、ちょっと一人にして」

 香炉から煙が出たのを確認し立ち上がる。

「言われんとそーするわ。携帯あるやろ、何かあったら呼びや」

「ん……」

「ゆっくりおやすみよ、寂子(さみしご)

「誰が寂子だよ、ばか……」


 扉を閉め寄りかかる。

 暫くすると中からは嗚咽を漏らす葵の声が聞こえた。


「……もう一度ダメ元で記録探ろか」



 * * *


 [由月/哉妹宅]


 月明かりが射し込む寝室。皆が寝息を漏らす中、柑実は目を閉じるも眠れずにいた。


「寝れんか?」

 梛莵の側で寝ていたであろうピヨ助が顔を出す。


「なんじゃ家でないと眠れんタイプかの?」

「別にそんなんじゃない」

「望が心配か?」

「……」

「なんじゃ一日くらい。すぐに更けよう」

「わかってる。けど、考え出すと夜が長く感じる」

 言い当てられ悔しくも柑実は眉間に皺を寄せてしまう。

「……お主、疲れんかの?」

「疲れる?」

「周りの心配してばかりで、お主の心の安らう場はどこにある」

「はっ……俺にそんなもんの休息なんか必要ねぇ。こいつらに比べたら俺なんか」

 横で眠る梛莵を軽く撫でる。


「俺はな、正直……母さんの事はあんま覚えてねぇんだよ」

「母親?」

「父さんの術力の乱れ……元の原因は母さんだ。母さんは父さんの目の前で自害したんだって」

「!」

「父さんは止められなかった事……助けられなかった事を悔いてる。父さんもすぐに後を追おうとしたんだって。でも梛莵の親父……柊季さんが止めてくれた」

「なぜそんな……」

 ふぅ……と息を吐き柑実は続ける。ポツポツと一つ一つを組み合わせるように。

「……母さんは纒憑に憑かれて何人かを殺めたらしい。魂の、じゃなく。父さんが纒憑を引き離して……母さんの魂は無事で……」

「殺生……?」

「あぁ。憑かれていたとしても自身が悪いって、俺達に顔向けできないってそんで……謝りながら自分でって」

「……もうよい」

「父さん……少し前までは何度か、死のうとしてたんだ」

「何? そのようには見えぬが……」

「意識的にじゃなく、無意識になんだよ。言われてハッとする。自分が何しようとしてたか、わからないんだよ」と首に手を添えた。


「多分母さんだけじゃない。きっと……父さんは色んな人と関わりがあったし、他にも色々あっただろうし……」


 寝返りを打ち窓から射し込む月を眺める。


「……俺は父さんの事も、梛莵の事も、何も知らない。だから俺が出来る事なんてない。側にいる事しか」


 その場にいることも、分かち合える事もない。

 本当に大切なモノを失う辛さを、苦しさを、計り知れない哀しみを、俺は知らない。


「……俺もまだガキだ。柊季さんみたいに自由に動ける身でも、力もない。守ってやれる事だって……限られる……」



 ――貴様の『言葉』には力が足りん



 言葉……。


「なぁ、今の俺に出来る事って……何なんだろうな」

「難しい事考えるの」

「……」

 覗き込むと吐き出す事で疲れたのか眠りについていた。


「……無力故の苦しみは、お主がよくわかっているのやも知れぬな」



「……」

 梛莵は静かに目を閉じた。


 * * *


 [準管理棟 井守宮専用 記録管理室 《水鏡面(みくも)》]


 ガラス屋根から差す月の光が水面を照らす。六畳ほどの水盤。周辺を泳ぐ透明のヤモリ。それらを覗き込むように井守宮は置かれた足場に座っていた。


「どうだ?」

「なんや朱弥、帰ったんと違ったんか」

「ちょっとな」

「心配せんでも大丈夫や。さっき一旦起きたで」

「そうか」

「香も焚いとる。薬もまだ少し効いちょったし、寝たやろ」

「ならいい」


 ケースに入れられた錠剤を見ては顔を顰める。

「……葵、睡眠薬服用しちょるかもな」

「わかるのか?」

 ケースを閉じると朱弥にそれを投げ渡す。

「それ、上着のポッケに入っちょった。まぁ恐らく不眠気味なんやろな。普通の薬は耐性ついちょる分あんま効果はあらへんみたいやけど」

「はぁ……」

「仕方ないっちゃ、仕方ないやろ。はよ見つけたらなあかん」

「わかってる。わかってるんだがな……」

「それができたら苦労しぃひんよな。すまん」

「いや、いい。気にするな」

「うちももう一回記録掘り出して目星付けちょる。結果は前と変わらんやろし……期待はせんでな」

「あぁ、頼む」

「お前は緋月ん事に集中し。いなくなったんは孝介だけやない。楜莵に、柊季らの方だって取っ捕まえなあかん。他にも色々解決したらなあかん。あかん事づくしや」

「あぁ」


 ヤモリの形をした水が井守宮の周りを泳ぎ、指で触れると姿は弾ける。

「んー、うちが思うに……楜莵は孝介と居るやろ」

「本当か?」

「多分な。最後の移動が一緒や。さすがに一緒にいたのに移動術使えん楜莵だけおいてどっかいったりせんやろ。あの子は根は優しい子やし」

「最後に移動した場所は……」

「わからん。登録地点とはまた別の場所や、登録しちょらん所はさすがに把握できんて。移動したって事しかな」

「そうか……」

「もどかしいな。伝通石自体の場所が把握できれば一番やけどそこまではプライバシーやて付けてへんかったからな……」

「こんな事なら任務中だけでも付けさせとくべきだったな……」

「今更考えたってしゃあない。やめやめ、暗ぁなるわ」

「……」

「まぁ葵は任しとき。とりあえずちゃんと寝かしてよーなったら帰すけぇ、何かあったら連絡しちゃるから」

「あぁ……すまんな」

「お前もしっかり休めぇ。おやすみな」

「あぁ、お前もな。おやすみ」


 * * *


 次の日、勉強会は引き続き行われ夕暮れ時に解散となった。


「お邪魔しましたぁ」

「はーい、また遊びに来てね」

「またね〜」

「あっちゃんはぁ?」

「後で父さんが迎えに来てくれるって」

「そっかぁ!」

「しっかりな〜哉妹」

「うぐ、名指し……」

「が、頑張れな……」




 家に向かう帰り道。


「意外と燐ちゃん理解が早かったもんねぇ」

 ふんー! と腰に手をあて胸を張る燐。

「ドヤってるよ柑実先生」

「苦労したの俺だぞ。引っ叩きたくなるわ」

「おかげでアカテン? は回避出来そうだぞ」

「後はやったとこが本当に出てくるか、だけどな」

「え……範囲って出るところじゃないのか?」

 立っていた耳と尻尾をたらし、見えた希望から絶望へと突き落とされたような顔で柑実を見やる。

「全部が全部出るとは限らねぇよ。復習みたいなのあったりするし」

「復讐……? ここは勉強でも物騒なのか!」

「多分違う意味で伝わってそうだが……ある意味そうかもな」

「アハハ〜」

「卯鮫はもうちょっと綺麗に書け」

 柑実とやり取りをしている燐を笑っていると不意に振られる。

「不意打ちの紅ちゃん!? そんな事言われてもすぐになんて直らないよぉ!」

「でもあれは例え合ってたとしても丸は付けたくないよな」

「私は読めなかったからわからない」

「燐ちゃん達さえも味方してくれないのぉ!?」

「先生らが今までどんな風に採点してたのか気になるとこだな」

「亜妻先生とか無言の圧力凄そう……」

「語学になると人変わるからな、あの人」

「みのりんのは大丈夫! つぐちゃんが頭抱えてたからみのりんが直々に叩き込みに来てくれたのぉ! おかげでアルファベットはマシになったもん!」

 自慢気にえっへん! と胸を叩く。やっぱり頭抱えられてたんだ……。

「余は紅の字、前衛的で面白いと思うがの。読めんが」

「それフォローになってないよピヨ助」



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