広告最適化
「全ての広告に最適なクリエイティブを導入しよう」
外資系マーケティング会社から広告会社に転職してきた部長は、
意気揚々とグループ会で宣言した。
彼は部が担当するビール会社の広告のクリエイティブディレクターとして指揮をとった。
CM1
「ほんとうにうまい!」
CM2
「あー美味しい!」
CM3
「最高!他にはないね!うますぎる!」
効果の出る広告表現を突き詰めた結果。
全てが同じようなクリエイティブになった。
しかしそれで効果が出た。
気を良くした部長はそこからさらに簡略化していった。
コストが一番かかる出演者がいなくなり、セリフと映像と音楽になった。
撮影と録音が無駄だという理由から、
映像と音楽がフリー素材で代用されるようになった。
ついには、セリフと商品画像だけになった。
しかし、商品は売れ続けた。
そして、この最適化の手法を評価され、
最適化の元、部長は解雇された。