レアンの街
商人に馬車に乗せてもらったおかげで予想より早く街に着く事が出来た。しかも門番に話も通してくれ、チェックもスムーズに終わった。
「何から何まですまないね」
「いえいえ、こちらとしては何の損もしておりません。質の良いグリズリーの素材を手に入れる事が出来ましたし、ここまで連れてきたのも目的地が同じだっただけですので」
「そうかい。まぁ余裕が出来たら色々入用になるから、店の方にも顔を出させてもらうよ」
「はっはっは、そうですか。必要な物があれば出来る範囲で仕入れさせて頂きます。その時はぜひ我がロベルタ商会をご利用ください」
この商人、名をサム・ロベルタと名乗っていた。どうやら商会のトップだったようだ。
「ちなみにどんな物を扱ってるんだい?」
「商会という意味では何でも幅広く扱ってますな。ここ、レアンでは王都に近い事もあり人も多いので割と幅広く用意しておりますよ。冒険者用の道具類から一般用の食器類。貴族様向けの高級商品も置いてありますな」
割と何でも揃うと言うことで、雪乃の中でもイメージはニ〇リやI〇EAのような感じだった。
「そりゃ色々揃ってて楽しそうだね」
そんな話をしながら馬車はロベルタ商会の店まで辿り着いた。他の建物に比べて、ひと際大きい。グリズリーの素材は馬車に乗らなかった為、収納に入れていたのでサムの指示した場所で取り出し、あとは任せた。その後、冒険者ギルドの場所を聞いて、異世界で初めての街に繰り出した。
(しかし結構人がいるもんだねぇ。街の外はどんな田舎だってぐらい何も無かったってのに…)
街の外に関しては、テレビで見るような海外の田舎の風景ぐらいに何も無かった。その分、街の中はかなり人がいる印象を受ける。とはいえ、東京の人混みに比べればまだ少ないぐらいだろう。
「おっ!そこの可愛い嬢ちゃん!1本どうだい?」
串肉の屋台のおっちゃんが雪乃に声をかけるが、雪乃に声をかけられたという意識はない。精神年齢は100を超えているのだ。嬢ちゃんなどと言われてもピンとくることは無い。
「そこの嬢ちゃん!そう!あんただよ!」
「私かい?…嬢ちゃんって言われてもしっくりこないねぇ」
「なんかうちの婆さんみたいな喋り方だな。どうだい1本?銅貨3枚だ」
「結構すんだね。まぁ貰うよ」
グリズリーが結構な値段で売れたため、今は小金持ちである。ちなみにサムからの説明で貨幣に関しては大体把握している。元々、神の知識にあったが日本円でどれ程の価値なのかが分かりづらかった。銅貨は1番下の硬貨だが、大体100円程だと思っている。
「久々の肉だね。なんの肉だい?」
「こいつは角ウサギの肉だ。この辺じゃ割とポピュラーな肉だぜ」
齧り付いてみると想像していたより硬かった。日本で食べた肉と言えば大体、柔らかく調理した物が多かった。それに比べればゴムでも噛んでいる様だ。しかし、味はなかなか悪くない。
「もう少し柔らかけりゃ食いやすいんだがね」
「角ウサギは脂が少ないからな。オークの肉なんかは脂も多くて柔らかいんだが、近くにはいねぇからなぁ」
良いことを聞いた。オークの肉は美味いらしい。オークと言えば雪乃でも知っている豚顔の魔物だ。という事は恐らく豚肉に近い物だろう。雪乃は店主に礼を言って、再び冒険者ギルドに向かった。
なんだろう?行き当たりばったりで書きはしてるが、昔より文章がひどくなった気がする。