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最強ババアの異世界転生  作者: ジョナ燦燦
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出発の前に

森に流れる小川のそばに雪乃は立っていた。



「だいぶ使えるようになってきたかね。いかんせん比較できる相手がいないからねぇ…」



雪乃は濡れた髪を魔法を使い、乾かしている。すでに森で暮らし始めて2週間程が経っているが、魔法の腕はかなり上達していた。2週間ですでに複数属性の同時発動だけでなく、複合まで使っていた。現在、髪を乾かしているのも火と風を合わせ、温風を出すドライヤーを模倣している。

拠点も土魔法で5日程かけて岩山に穴を開けて整えている。しかも魔法が上達し、魔力消費こそ多いが金属も加工できるようになっていた。ゴブリンの短剣を2本分合わせ、少し長めの短剣が出来ていた。



「さて、今日は何食おうかね?そろそろ肉が食いたい所なんだがね」



ゴブリン以外のまともな動物にまだ出会っておらず、川魚や森に生っている果物や茸などしか食べていなかった。鑑定はとても有能で食用かどうかだけでなく毒の有無、さらに神が追加したのか地球での近いものも教えてくれる。おかげで食べ物には特に困ってなかった。

正直、生活はかなり快適だった。娯楽が無い事だけは残念だが、土魔法でかまどを作り、風魔法で木を切って風呂やベッドを作り、なるべく快適に過ごせるように改造してあった。トイレだけは外に作り、深く穴を掘り埋めていたが…。生活魔法の清潔(クリーン)で綺麗にはなるが、気分的なものである。



「そろそろ街に向かっても良いかねぇ。魔法にも慣れたし、飯に関しても調味料が欲しい所だね。後はやっぱり服かねぇ?魔法で綺麗になってるって言っても気分的にねぇ…」



この世界に来た時に着ていた今の服しかない。せめて数枚、最悪でも活動時の今の服と就寝時の2枚は欲しい所である。



「まぁ果物類は収納に多少入ってるし、3日位なら余裕かね。馬車とかの知識はあるし、運が良けりゃ拾ってもらえるだろ」



拠点の入り口を塞いでから行こうと、魔法で作業をしていると気配察知に反応があった。気配察知も慣れたのか熟練度的なものでもあるのか、範囲がかなり広がっていた。最初はせいぜい10m程だったが、今では30m程の距離はわかる。



「前のゴブリンよりデカい…のかね?」



反応は大きいが大きさで違いがあるのか、強さで違いがあるのかも分からない。とりあえず少し離れた位置で木に登って確認すると、体長3m程の巨大な熊がいた。鑑定で見るとフォレストグリズリーという名だ。



(レベルは12。体力が1400に魔力が80…。えらく差があるねぇ。魔法を使う人間が特殊なのかね?しかし、体力が10倍かい…。どうしたもんかね?)



ゴブリンを2匹倒し、気付けばレベルは2に上がっていたが体力は10上がって130。体力だけ見れば10倍以上の差である。生物である以上、急所は存在するし首を落とせば死ぬ。とは言え、こちらの装備は少し切れる程度の短剣1本。



(武器は無理だね。となると魔法だけど、まずは罠にでもかけるかね)



雪乃は出発前に偶然、遭遇した相手を倒すべく行動を開始した。

『生活魔法』は通常の魔法と異なり、特定の効果しか持たないが消費魔力が少なく誰でも使える様に調整された魔法です。

物を綺麗にする『清潔』、ろうそく程の小さな火を点ける『灯火』、周囲を照らす小さな光球を作る『小光』などがあります。

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