17話 地下にいる分身
エレベーターが地に着いた感があった後、
エレベーターのドアは開いた。
地下格納庫らしい・・・
思惟たちが乗ってる武者が、普通の人間サイズとして、
ちょっとした空港くらいの大きな空洞がそこにはあった。
普通の人間サイズでも広々としているのに、
小さな妖精にとっては、途方もない広さだ。
コックピットの扉が開き、外に出ると、
大きな黄金の手が現れた。
思惟は姫さまに続き、恐る恐るその手に乗った。
実際は170センチぐらいなのだが、
現在の思惟は妖精サイズ。
「高い・・・」
校舎の屋上並みの高さで、掴むべき手すりもない。
思惟は、ちょっとビビったが、
黄金の手は手袋の様な物をはめていて、
滑らないようにはなっていて、ちょっと安心した。
「見て、あれが今、この街の上空を守っているの・・・。」
姫さまは、地下格納庫の奥を見つめながら言ったが、
その先には何も見えない。
「あたしであり、あたしでない・・式」
「式?」
「感じない?」
「ん?」
「・・・・来て」
姫さまは、コックピットに戻り、思惟も後に続いた。
姫さまが、いくつかの操作をすると、
スクリーン上に巨大な生き物が映った。
「スフィンクス?」
大きさはジャンボジェット機と同じくらいはある、
羽根らしきものがあるスフィンクスの様な生き物が、
こちらをじっと見つめていた。
「あたしの分身」
姫さまがそう言うと、羽のあるスフィンクスは、
可愛くウインクをした。
「分身・・・」
「人は、黄金を纏い、貴人化すれば、
自己の世界を広げることが出来るの。」
「貴人化・・・・」
「そう・・・それは人に強力な力を与える・・・。」
つづく
今話で、1章終了です。o(*^▽^*)o~♪
いつも読んで頂き、ありがとうございます\(^▽^)/