表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偏在の理想ボーイ幻覚の普通ガール  作者: キャボション
45/65

戦じゃい

車が2時間ほど走り続けていると風景が大分変わってしまった。建物はあるにはあるのだが人がいる気配がしない。それに建物は崩れかかっているものもあった。

「山猫さん、私たちはどこに向かっているんですか?」

「紛争地域」

「紛争地域!?」

俺たちは驚いてしまった。それに中東の紛争地域といえば過激派組織「解放戦線」と義勇兵団の紛争くらいだ。山猫は話を続ける。

「解放戦線は大量破壊兵器を造っている。今回の俺たちの任務はその大量破壊兵器の無力化及びその開発者の確保だ。それにその開発者は黒猫部隊と太いパイプを持っている」

「太いパイプ?その開発者は黒猫部隊とどんな繋がりがあるんだ?」

すると山猫は俺に指を向けた。

「久遠、いい質問だ。その開発者は黒猫部隊から大量の資金援助を受けているらしい。今回の任務、大量破壊兵器を無力化できるし上手くいけば黒猫部隊の有力な情報も得られるかもしれない。一石二鳥なんだ。それに報酬もがっぽりだ」

山猫は少しにやつきながら親指と人差し指で円を作っていた。まぁ、確かに報酬は重要だ。

再び1時間ほど走るとベースキャンプに到着した。ナルサスは俺たちを大型のテントに呼んだ。テントの中は更衣室の機能を果たしていた。大きな箱が3つ置いてあり、それぞれの名前が書いてあった。

「とりあえず開けるか」

箱の中身はパトロールキャップ、タクティカルブーツ、ヘッドセット、その他諸々。傭兵の装備そのものだった。これらの装備は義勇兵たちに紛れるためらしい。

「ジャーン!乃愛ちゃん!似合う?」

「似合ってるな」

「あの、私も似合っていますか?」

「すげぇ似合ってるよ」

「よかった」

テントから出るとナルサスが俺たちに小銃と拳銃を渡した。その銃たちもやはり傭兵が好んで使用するものだった。

「組織が調べた情報によると大量破壊兵器の開発施設はここから10キロメートル先だ。久遠たちには義勇兵たちに紛れてそこまで行ってくれ」

「まじか」

「久遠、まじだ」

「山猫、それはいつやるの?」

「明日」

とりあえず俺たちは貰った銃の扱いを覚える事にした。覚えようとしているときあることに気付いた。

「あ、乃愛ちゃんも気付いた?」

「あぁ。この小銃と拳銃、めちゃくちゃ使いやすい」

「そうそう。使いやすいよね」

「そうですね。この銃、軽くて使いやすいですね」

「でしょ!桃花ちゃん!」

「えぇ」

銃を別のものに言い換えれば普通の女子高生の会話と大して変わらなかった。銃の分解、組み立てを覚えたところで俺たちは寝ることにした。

テントで横になっていると乃木が話しかけてきた。

「乃愛ちゃん、死ぬのは怖い?」

「死ぬのは怖いから考えてない。それに俺は生きることばかり考えてる」

「そっか。私と一緒だね。でもさ、私が明日死んじゃったらどうする?」

「安心しろ。乃木は死なない」

「どうして言い切れるの?」

「俺が守るからさ」

俺がそう言うと乃木は俺の背中にピタリと体を合わせた。

「乃愛ちゃんは男らしいね」

「脳は男だ」

「そうだったね」

俺と乃木は笑った。まるで恐怖を和らげるかのように。

「そういえば椎名はなんで山猫と一緒に寝てるんだろうな」

「乃愛ちゃん、鈍感じゃない?」

「何がだ?」

俺は本当に分からなかった。

「桃花ちゃんは山猫のことが好きなんだよ」

「まじか」

しばらくすると急に眠くなり目を閉じると朝になっていた。テントの外からは椎名の声が聞こえる。

「久遠さん、朝ですよ起きてください」

「今起きる。ほら、朝だぞ乃木。あれ?いない」

乃木はテントから消えていた。

「乃木さんはもう起きてますよ」

「乃愛ちゃんはおねぼうさんだね」

乃木の楽しそうな声が聞こえる。

「今出るよ」

俺はテントからジッパーを開けて出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ