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偏在の理想ボーイ幻覚の普通ガール  作者: キャボション
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青春(恐らく)

副大臣の件から数週間、俺と乃木に任務が来ることは無く久しぶりの日常に戻ってきた。乃木と学校に通い、授業を受け、同級生と下らない話をする。たまに下駄箱を開けてラブレターが落ちてきたり、何度か初めてみた奴から交際を申し込まれた。案の定俺はそれを断り、乃木に怒られたりもした。その度に乃木に違うと説明し、その度にお互いに慰め合っていた。

副大臣は適当な罪を付けられて現在は留置所にいるらしい。恐らくそのまま刑務所に行くのだろう。

「ねぇ、乃愛ちゃん。今、すごく平和だね」

裸の乃木がそう言ってきた。

「そうだな。でも、後々恐ろしいことが起きるかもしれないな」

「きゃーこわーい」

乃木はわざと体を震わせた。

「怖いからもう一回抱きしめてー」

そう言うと乃木は抱きついてきた。乃木の体温が俺の体に伝わってくる。乃木の体温を感じる度にまさか女の体になって情事を体験するとは思わなかったと毎回感じる。

感情というのは恐ろしい。理性を壊してしまうからだ。だが俺は一時的に理性を壊すことにより乃木の気持ちを受けとめることができたので結果としては良かったのだろうか。

「乃愛ちゃん、どうしたの?」

乃木は心配そうに見つめてくる。

「少し考え事をしてた」

「エッチな事してるときはそんなこと考えないでよ。・・・もう一回しようよ」

「乃木、今日だけでもう8回もしてるぞ」

「あと一回!あと一回!」

「しょうがないな」

お互いの性器を合わせる。ゾワゾワとしたものが体を走り回り、体が快感により震える。それは乃木も同様で「乃愛ちゃん」と何回も呟きながら達した。

その日、結局14回も合わせた。

翌日

「はぁ~」

俺は机に突っ伏していた。すると同級生が「大丈夫?」と聞いてきたので「大丈夫じゃない」と答えた。

「何かあったの?」

「疲れただけ」

「どうしたの?」

「体力を使い過ぎた」

俺は決して嘘はついていない。最近は毎日のように乃木と行為に及んでいた。いくら体力のある体とはいえ毎日はつらい。今度乃木に回数を減らす交渉をしてみようか。

授業をこなし気がつけば放課後だ。下駄箱から再びラブレターが出てきた。「放課後屋上に来い」それだけ書いてあった。

屋上に着くとひとりの男がいた。男からはあまり良い印象は持てなかった。その上俺の体をなめ回すように見ている。

「お前さ、レズなんだろ?」

男はそう言った。

「それがどうしたんだ?」

「みんながこれを見たらお前学校行けなくなるだろうなぁ」

男は俺にスマートフォンを見せた。

「盗撮か。良い趣味とは言えないな」

「俺が言いたい事わかるよな?」

「いいや、わからないな」

俺は男からスマートフォンを奪い取り、それを折った。バキッという音は俺に爽快感を、男には怒りを与えた。

「てめぇ!」

男の目は真っ赤に充血していた。

「どうしたんだ?そんなに真っ赤になって」

俺は男の足を蹴り転ばせ、男の腹を踏みつけた。

「お前の場合は性欲をつけるよりも制欲するべきだな」

男は苦しんでいた。

「乃愛ちゃん!浮気は許さないよ!」

乃木が屋上のドアを開けた。

「逆だ、逆。俺が危なかったんだ」

「え?そうなの?じゃあ」

乃木は男に思い切り平手打ちをした。

「次、乃愛ちゃんに手を出したらただじゃすまないからね!行こっ、乃愛ちゃん」

「お、おう」

俺は屋上を後にした。

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