表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偏在の理想ボーイ幻覚の普通ガール  作者: キャボション
25/65

二輪の花

「ッ・・・!」

キスをしてきた乃木はそのまま舌を口の中に入れてきた。乃木の舌は俺の舌に絡みつきニュルニュルと動いている。しばらくして乃木は俺の口から舌を出した。

「乃愛ちゃんの唾液、美味しい・・・」

乃木は恍惚とした表情をしている。すると次は俺の下腹部を触ろうとしてきた。俺の貞操が危ない!そう思ったタイミングで俺の体は完全に 起き、乃木を押し飛ばした。

「乃木、なぜこんなことをする」

「乃愛ちゃんが好きだから」

乃木はまだ興奮している。

「好きだとしても相手の同意を得ないセックスはセックスじゃない。レイプだ」

「でも、」

「でも、じゃない」

「私は乃愛ちゃんのことが大好きなんだよ?」

乃木は今にも泣きそうになっていた。これでは俺が泣かせてしまったようではないか。そう考えているうちに乃木の目からは涙がこぼれ始めた。

「あぁ!めんどくさい!」

俺は半ば自棄になって乃木にキスをした。その上、舌まで入れてしまった。

そのキスは数分間に及び、お互いに抱き合っていた。

「本当は私のことが好きなんだよね?」

「まぁ、そうなるかな」

俺は頭で思っていたことと全く真逆の言葉を発してしまった。

「男、久遠乃愛!最後まで責任を取らせて貰う!」

俺は腹を括った。

「乃愛ちゃんは女の子でしょ?」

「体はだ。脳は男だ」

「私はどんな乃愛ちゃんも好きだよ」

「乃木・・・」

これが俺の本心なのだろうか。頭に言葉が浮かぶ前に口から出てくる。

そして俺と乃木はベッドに倒れた。


「乃木、痛くないか?」


「うん。大丈夫だよ」


「乃木、すごいトロトロだな」


「乃愛ちゃんが好きすぎて」


「そうか」


「ふふっ、おかえし」


「ひゃう!」


「乃愛ちゃんはここが弱いんだね。乃愛ちゃん、すごく可愛いよ」


「んっ・・・アッ」


「ヒウッ!」


「の、乃愛ちゃん!」


「真理亜!」


「大好き」


「俺もだ」


「あぁん!アァァァァ!」


「アァァァァ!」


部屋中に響くふたりの声。その声はまるでふたりの間に出来ていた壁を壊すようだった。

気がつくとカーテンの隙間からは優しい朝日が染み込み、朝の訪れを俺と乃木に伝えてくれた。

「乃愛ちゃん、おはよう」

「おはよう。乃木」

俺は乃木にキスをした。

ピリリリ!ピリリリ!

その時乃木スマートフォンからは着信が届いた。

「はい、乃木です。はい、はい、あ、そうなんだよかったじゃん。切るね」

「なんか良いことでもあったのか?」

「それは昨日の夜でしょ?」

「それ以外で」

「あの副大臣が情報を吐いたって」

「それは良いことだな」

「なんかヤクザを経由してアジア各国に売ろうとしていたみたい。でも調査したらどの武器もまだ輸出されてなかったって」

「よかったな」

「本当にね」

乃木は俺にキスをした。

「じゃあ今日は」

「なんだ?」

「黒猫部隊について詳しく勉強しようね」

「頑張るかな」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ