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偏在の理想ボーイ幻覚の普通ガール  作者: キャボション
18/65

試し打ち

「じゃあさ、どこかに出掛けようよ」

「それはいいな。どこに行く」

「んー。そうだ!あそこに行こう!」

乃木はどこに行くか決めたようだ。

「どこに行くんだ?」

「それはお楽しみ」

「楽しみにしてる」

俺は乃木にピースサインをした。

「髪を乾かしてからでも良いか?」

「全然良いよ」

俺は丁寧に素早く髪を乾かした。

「準備完了だ」

「行こっか」

「あぁ」

乃木は玄関のドアを開けた。

十数分後

俺たちが着いたのはサバイバルゲームで使う道具を売っている店「ヤマト」だ。

「乃木はサバゲーでも始めるのか?」

「乃愛ちゃんはやったことあるの?」

「月に1回はやってた。前はな」

「そうなんだ。私は特にやろうとは思ってないなぁ」

乃木は背伸びをしながら言った。

「じゃあなんでサバゲーショップなんかに?」

「このお店はすごく面白いんだよ」

「面白い?」

「見た方が早いよ。さぁ!入って入って」

乃木は俺の背中を押しながら店に入った。

「あら、真理亜ちゃん!しばらくぶりねぇ。その娘は誰かしらぁ?」

店内にいたニューハーフの男性が乃木にそう言った。

「うちの新人だよ。それにね店長」

このニューハーフがこの店の店長なのか。

「それに?」

店長はウキウキしていた。

「私の、こ・れ」

乃木はゆっくりと小指を上げた。

「まぁ!そうなの?」

店長は驚いていた。

「勘違いを起こそうとするな」

俺は乃木にデコピンをした。

「あら、違うの?」

「まったくもって違います」

「でも乃愛ちゃん、私と一緒に寝たじゃん」

「あら、そうなの?乃愛ちゃん」

「睡眠のほうです」

「なんだ、つまらないわね」

店長は残念そうにしていた。

「もぉ、乃愛ちゃんったらぁ」

乃木は俺の腕を抱いた。

「本当はそうなんじゃないのぉ?」

「もう、それで良いです」

「やっぱりサラリーマンは諦めと妥協が得意なのね」

「え?なんでそれを?」

「そりゃねぇ、アタシは真理亜ちゃん達の協力者だもの」

「乃木、そうなのか?」

「そうだよ。マダムはエージェントひとりひとりに会った銃のカスタムをしてくれるの」

「すごいな」

「すごいでしょう?気軽にマダムって呼んでね」

「よろしくお願いします。マダム」

「よろしくね、乃愛ちゃん」

「じゃあマダム。本題に入るね」

乃木はマダムにそう言った。

「じゃあ、奥まで来て」

「奥?」

「面白いのは奥にあるんだよ乃愛ちゃん」

俺は奥にある地下まで降りていった。

地下はかなりの広さで体育館の半分ほどはある。そして数メートル間隔に金属製の的が設置されており、手前のテーブルには数丁の拳銃が置かれていた。

「これは?」

「乃愛ちゃんに合う銃を選ぶんだよ。そしてその銃が更に乃愛ちゃんに合うようにマダムがカスタムしてくれるの」

「でも俺全然金持ってないぞ」

「その点は大丈夫。お金を払うのは政府よ。乃愛ちゃんは全くお金を払わなくて良いからそれよりも合う銃を見つけるのが重要よ。使ってみなさい」

マダムは微笑んでいた。

俺は拳銃のうちのひとつを持ち弾を込めた。

「あら、使い方知ってるのね」

「使い方はネットに載ってますからね」

「そうだったわね。じゃあ引き金を引いてごらんなさい」

俺は数メートル先の的目掛けて引き金を引いた。拳銃からは破裂音と共に弾が飛ばされ、その弾は的に命中した。的は大きな音を出し小さな凹みを作った。

「意外と反動は小さいんですね」

「弾が小さいからねぇ。違う拳銃も使ってみなさい」

マダムはやはり微笑んでいた。

「乃愛ちゃんはどんな銃が合うのかな?」

乃木は俺の腰を撫でた。

「ひゃう!」

俺は驚いた勢いで再び引き金を引いてしまった。弾は変な方向に飛んでしまった。

「乃愛ちゃん、ちゃんと狙わないと駄目だよ」

「くすぐったお前が何を言うか」

「本当に二人は仲が良いのねぇ。まるで恋人同士みたいだわぁ」

マダムは茶化すようにそう言った。

「マダム、私と乃愛ちゃんは恋人同士だよ?」

「もうそれで良いよ」

その後俺は数丁の拳銃すべてを試してみた。そして俺に合う拳銃が見つかった。それは軍用拳銃だった。

「あら、乃愛ちゃんは結構力があるのね」

マダムは俺にそう言った。

「マダム、乃愛ちゃんにはどんなカスタムが合うのかなぁ」

「とりあえず、サイトを蓄光仕様にするわね。それと反動はもう少し軽くするわ」

「私のカスタムに近いね。やっぱり乃愛ちゃんと私は一緒になるべくしてなったんだよ」

「そうだな」

俺は適当に返事をした。

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