送り火
ご先祖様を見送った送り火が消えた。
今年のお盆は、静かに終わった。
送り火を見ながら、親が昔話を始めた。
昔は、お供え物を16日の朝に、海に流していたけど、環境に悪いという事で、お寺や河川敷で燃やすようになった。
海に流していた頃は、ガキ大将格の大きな子が、流された供物から、果物や野菜を抜き取り、皆で食べていたらしい。
今みたいに食べ物がたくさんあるわけじゃなく
貧しい子もいたと思う。その子達にとっては、供物でも大事な食糧。
今年みたいに日照時間が少ないと、米や作物に影響が出て、飢饉になる。
そうなると、小さな子、貧しい子から亡くなって逝く。
我が家の墓誌には、数人の2歳~6歳の子の名前がある。
病気だったのか、飢饉だったのか?
想像する事しか出来ない。
小さな子供達を含めたご先祖様は、我が家に快適にいてくれたのだろうか?
今日の送り火は、3日間で一番燃え上がった。
偶然だろうけど、炎が観音様に見えた。
お盆は終わった。




