第一章 不思議な学園と個性的な生徒たち 6
約3か月の放置本当土下寝レベルでごめんなさい\(^o^)/ 大丈夫…… 次からはちゃんと更新させます…… 多分、多分。(目を逸らせつつ)
そんなこんなで班が決まり、クラス全員の名前程度の軽い自己紹介が終わったところで、ようやく魔法に関する授業が始まりました。
灰音先生は教室内に大きめのショッピングカート(かご付き)を鼻歌を歌いつつ、陽気に押しながら持ってきます。ショッピングカートのかごの中には沢山の道具が入っており、私含めみんな興味津々に中に入ってる道具を見ました。
「魔法具ね」
「これが魔法具…… ですか?」
私は恵美さんの言葉に耳を傾けて、改めてかごの中に入ってる水晶やらカードや杖を見ました。 …… うん、確かに魔法使いが使うような道具かも? だけど……
「刀にタブレットに…… えーっと、扇子? 弓まで…… って、武器が混じっちゃってるんですけど!?」
「魔法具は扱う人によって適正が変わるから、荒々しい性格の子とかになるとどうしてもこういう武器とかの方がしっくり来たりとか」
「な、なるほどです…… 」
私の疑問にかぐやさんは笑顔で丁寧に答え、それから恵美さんに「ねー♪」っと同意の言葉を投げかけます。
「普通そこで私に振る? そこはもう少し説明加えまくって私がその通りよって言うパターンじゃ」
「だって、私よりやっぱり魔法使いの家系として濃い涼波家のお嬢様がこってりねっとり教えないと♪」
「 言 い 方 考 え な さ い 」
「あら、ごめんあそばせ♪」
いや、恵美さんも十分良い勝負をしてそうな気がするのは私だけでしょうか…… ? 前回のあの豹変っぷりはどう見ても…… っていうか、かぐやさんも今分かりましたけどかなりあれですね…… 決して何とは言いませんが!
「それでは皆様、こちらで人数分の魔法具を用意したから一人ずつ取ってどうぞ~♪」
先生はほんわかとした笑顔でそう言うと、私達含めてクラスの全員はかごの近くに並び、一人ずつこれからずっと使う事になる魔法具を慎重に選んでは手に取って行きます。
私の前には恵美さんが並んでいて、次に彼女の番になり、少し恵美さんはどれにするか考えていましたけど割と早く魔法具を決めたみたいです。どうやら杖を選んだみたいですね、先端には水色っぽい綺麗な宝石が付いており、見た目クールなお姉様系お嬢様の恵美さんにぴったりな感じの魔法具でした。
恵美さんが手に取ると、魔法具は水色に光出します。光によって属性を判明させるので、これで彼女が水属性の魔法使いということが証明されました。
彼女が終わった事で、次は私の番。
さてと、私は何にしようかな…… ? かごの中に残ってるのは…… トランプっぽいカードと、金棒と、鉄砲と…… え゛? 鉄砲!!? 何でこんなものがあるの!? あ、でも待って、落ち着くのよアリス! ここは確かに銃刀法のある日本だけども、この場所ではきっとそんな法律は無用な筈…… だって、既に魔法とかいう非科学的で何でもありな能力が使えるのだから…… だから、こうやって普通に先生が生徒に銃を渡せるのです! いや、無いですよね。普通に無いですよね。そんな殺伐とした学校があってたまりますか。
私はすぐさま危険な香りのするそれをどかすや、比較的自分に合ってそうなトランプっぽい、カードを手に取ります。
「これに決めました!」
「あら、アリスさんはカードを選んだのね~。えぇ、とってもお似合いよ~♪」
朗らかに笑う灰音先生からそう肩を押され、私は選びなおす事無くこれに決定。さて、次は私の魔法属性を知る光が…… あれれ、出ない?
「あれ?」
「おやおや~?」
私は手に持った魔法具を取りあえず左手に持ち替えてみたり、シャカシャカ振ってみたり、カードをシャッフルさせてみます。それでも、全く反応無し…… えっ、えっ? どういうことなの!?
「光が出ないみたい…… ですね~?」
「ななな、何でなのー!?」
私はもしかして、魔力が無かったの!!? で、でもそれだったらまず入学は出来ないだろうし、それにお姉ちゃんが気付かないわけないし……
「おかしいわね~? もしかして魔法具の不調かしら~?」
「そ、そんな事ってあるのですか?」
「あまり無い筈なのだけど~、ちょっと良いかしら~?」
先生から魔法具を貸すように頼まれ、私はすぐに彼女へ自分の選んだカードの魔法具を手渡す。
すると……
「特に異常は…… 無いみたい?」
灰音先生が手にすると、カードの魔法具は淡く白色に光だし、彼女が光属性の魔法使いだということを証明した。だけど私が再び魔法具を手に取ると、光が消えて何も起きません……
「それっぽい現象、あの時にもあったわよねアリス?」
私と先生の会話を聞いていた恵美さんがそう自分に質問し、私は思い出した。
「そういえば……!」
私は迷子になって、地図を見ようとしおりを開いた時、何故か白紙だったあの時に確かに似ています!
もしかして、やっぱり私は……
「ま、魔力が無い?」
「それは無いと思うわよ~? 入学希望の生徒達には魔力が備わっているかの採血を受けてもらってる筈だもの~」
「魔力を持ってるなら採った血に魔力反応があるのだから、疑いようが無いわ」
「じゃあこれは一体……?」
「う~ん、こうなったら魔法を使って調べてみるしかないかしら~」
先生は笑顔でとんでもないことを言い、私は勿論、教室内の皆が顔をひきつらせて驚く。こんな狭い場所で使ったら何が起こるか分からないし、それに……
「魔法を使うにしても、その魔法を一つも覚えてないから使えないのじゃ……」
「実はね~、これは授業で一応話そうかと思ったのだけど、魔法は初級の基礎魔法だけはどの属性の魔法っと原理が一緒なの♪ 呼称が違うから、違う種類に思えるのだけどね~♪」
先生がのんびりとした声で説明を始めると、その言葉にクラスの皆は「おお!」っと感嘆の声を上げる。それは博識っぽい恵美さんも同様みたいで意外に知られてない知識みたいでした。
「でも、あくまで初級の基礎魔法だけだから、他の魔法達になると大元の構造がそれぞれ違うから注意するようにね~♪ っという事で」
彼女は突然、タクトの魔法具を取り出すと、ゆっくりと歌うように魔法を唱える。
「さあ、私達を守る盾となりたまえ~、ライトニングシールド~♪」
灰音先生が唱え終えると、彼女自身は勿論、私や他の生徒達が光のベールに包まれました。
「これで、魔法を使ってもみんなに怪我一つ入らなくなったので、安心してアリスさんは使ってくださいね~♪ 取りあえず魔法具に魔力を注ぎ込んでライトー!って言えば良い感じだから~♪」
「は、はぁ…… ?」
先生の何ともゆるふわな助言で果たして大丈夫なのか分かりませんが、まあでもやるしか無いですよね。大丈夫、きっと彼女の言う通りしたら魔法が出てくる…… 筈!
根拠は無いのだけれど、それでもやるしか無いと覚悟を決めた私は、ゆっくりと落ち着いて深呼吸する。それから魔法具を両手で抱え、持ってる魔力を抱えている魔法具に注ぎ込むイメージを頭で思い浮かべつつ、ゆっくりと唱えたのだった。
「ライト!」