ぷろろ~ぐ
あとがきで書かせて頂きましたように、こちらは一度頓挫した私立メルヘン学園の改稿版になります。今度こそリベンジ果たせるように頑張ります!
私の名前は伏義アリス。この春、とある学校に入学する事になった新入生で、その為の準備をしているところです。
寮生活との事で、着替えはもちろんの事、お泊りセットや携帯、必要な遊戯グッズやゲームを少し…… そんな風に色々なものをカバンの中へ詰め込み、私は自分の準備を今か今かと待っている姉へと声を掛けました。
「アリサお姉ちゃーん! 準備出来ましたー!」
私が声を掛けると、お姉ちゃんは「はーい」っと、言葉を返し、私のお部屋へと扉を開けて入ってきます。
私と同じ母譲りの綺麗な金髪に、日本人の父譲りの紅葉みたいな赤茶色の瞳、巷ではコスプレっと言われかねない魔女のような黒を基本にしたフリルがふんだんにあしらわれたドレスを着た女の子。『伏義アリサ』は私のお姉ちゃんであり、そして……
「あらら、別に服とかは要らないと思うんだけど…… まあ、いいわ。ほら、そろそろ出発の時間になるから行きましょう」
「はい!」
「良し、それじゃあそぉれ♪」
彼女は袖から小さな木製の杖を取り出すと、それをタクトのように振るい、声をかける。すると、タクトから光が出たと思ったら、目の前に真っ黒い円が現れました。
そう、お姉ちゃんは魔法使いなのです。
何かに通じそうな真っ黒い円からは人の雑踏の音や、喧騒が聞こえてきて、バスのアナウンスコールの音さえも響いてきました。そう、この中に入ると、今から向かう場所であるバスターミナルへすぐに行けるのです。
普通ではありえないこのような便利な技、非科学的で不思議な力…… 魔法。私のお姉ちゃんはそれを自由に操れる魔法使いで、私もいつかそんなお姉ちゃんみたいに、魔法を自由に操れる魔法使いになることを目指して、魔法使いだけが通う事が出来る『私立メルヘン学園』という、何とも可愛らしくも、怪しい学校へ入学する事を決めたのでした。
怪しいとは言っても、お姉ちゃんはそのメルヘン学園の生徒。しかも彼女はダントツの成績を誇る将来有望の魔法使いと、先生方や魔法使いの周りから言われてるみたいで、気苦労も絶えないみたいです。でも、そんなかっこよくて、周りから尊敬されるそんなお姉ちゃんに私は憧れています。
「ほら、行きましょう」
アリサお姉ちゃんはそう笑顔で言って、私に手を差し出す。私はすぐに頷くと、重い荷物をよれよれになりながら取って、彼女の温かい手を取りました。
ここから、私の夢のような不可思議で毎日が驚きの学園生活が始まるのです。