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鬼と私の日常  作者: 亜叶夢
2/2

不審者

こんばんは。遅くなって申し訳ございません。

2話目になります。前回のあとがきでヒロインと不審者の名前を出すと書いていましたが、まだでてきません。すみません。

まだまだ更新が不定期なままになります。なるべく開けずに更新ができるようにがんばります。

「開けろー!こらー!聞いてんのか!!」

 クローゼットの中から叫び声が聞こえる。夢だと思いたい私のささやかな希望を打ち砕き、クローゼットの中の不審者は叫んでいる。私はひたすらこの不審者をどうするべきか考えていた。 未だに叫んでいる不審者を放置して私の意識は思考の渦に飲まれて行く。深く深く潜って周りの音も聞こえなくなっていった。

 ~30分後~

「ごめんなさい。開けてください、ぐすっ、お願い、ぐすっ、します。ぐすっひくっ、む、無視、しないでくれー」

 思考の渦から浮上した私が聞いたのは、情けない不審者の声だった。無視され続けてかなり寂しかったらしく、泣きながら訴えていた。その声を聞いて、私の心に少し余裕が出てきた。

「あ、開けてもいいけど襲い掛かって来ないでよ!」

 私は賭けに出ることにした。初めて見たときから何となくあった大丈夫だという思いを信じ、この不審者を自由にしてみる。このことが吉と出るか凶と出るか今はまだ私にはわからない。



 結果として、微妙だった………。

 確かにあまり危険ではなかったけど………うん考えるのは止めよう。

 そして今、私の前には本棚に突っ込んで倒れている不審者がいる。何故こうなったか不思議に思う人がほとんどだろう。

 理由は簡単だ不審者がのりで襲い掛かって来たからスリッパで迎撃してみました。倒せたよ♪

 マジか………え、なにこれ、スリッパがスゴいの?不審者が弱いの?

 私の中での不審者の危険度は一気に下がった。最初よりだいぶ余裕の出てきた私は、とにかくこの不審者から色々と聞かないといけないと思い立ち、不審者を縛る為にロープのようなものを探し出して起きる気配のない不審者に近付いたのだった。


 不審者をロープで縛り上げ動けないようにして、私は不審者が起きるのを待った。私は不審者が起きるまでの間もう一度よく不審者を観察することにした。

「改めて見るとホント真っ赤ね、こいつ。」

 そう、不審者は紅い瞳に紅い髪紅い着物と、とにかく赤かったのだ。

「しかも、これやっぱり角よね………。ということはこいつ、鬼?いや、そんなわけ」

「う、うう」

「ひゃ!」

「痛てて、いったい何が………あ、お前」

「えっと、オハヨウゴザイマス」

「よくもやりやがったな」

 や、やっぱり怒ってらっしゃる…………ど、どうしよう。えぇい、もうどうとでもなれ!

「不審者が襲い掛かって来たら誰でもあれくらいするでしょ!」

私は不審者に向かって言い切った。少し声が震えているのは仕方のないことだと自分に言い聞かせる。

「………。」

不審者は納得したのか、不審者と言われたことがショックだったのか黙ってしまった。

ちょうどいいので色々と聞かないといけないことを聞いておこうと私は口を開いた。

「色々聞きたいことはあるけど、一番重要なことを聞くね。……私の服はどこ??」

そう、これはこの不審者を見つけた時から頭の片隅にあった疑問だった。いままで、気にしないでいたのはこの不審者に対する警戒で精一杯だったからなのだ。この不審者に対する警戒が大きく下がった今、聞かないわけにはいかない問題なのである。

「あ?服ってこんなかにあったやつか?ならあそこから捨てた……けど……えっと、あ、あの」

不審者の顔色がドンドン悪くなる。それはそうだろう自分でも自覚はある。「捨てた」の辺から私の顔は般若になっていることだろう。心の中も充分般若になっている。

「へー、そう、捨てたの…………」

自分でも驚く程低い声が出た。この瞬間だけはこの不審者に対する警戒は無くなっている。

バコッバキッバゴッ

「……………。」

不審者は完全に沈黙したのであった。

読んでくださりありがとうございます。

ヒロインと不審者の名前は次で出すつもりです。すみません。

次はなるべく開けずに更新ができるようにがんばります。

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