もう終わっていた
「エリアナ! お前との婚約を破棄する!」
「畏まりました」
卒業記念パーティーの場で私エリアナ・ロワーズは婚約者である王太子様から婚約破棄を告げられたが慌てる事は無かった。
(こんな日が来るだろう、とは思っていたけどまさか妹に手を出すとはね)
王太子様の隣には涙目でこちらを見ている我が愚妹の姿があった。
血を分けた姉妹であるが妹は両親からの溺愛を受け私を見下してきた。
両親は完全に妹の味方だから私の言い分なんて聞かないし興味を持たない。
「あ、理由とかは結構ですので、私はこのまま退場させていただきますね」
「待てっ! 逃げる気かっ!? お前は実の妹であるカテリーナを虐め……」
「虐めてませんし、なんなら必要最低限のコミュニケーションしか取っておりません。 そこら辺の方は既に国王様は承知済みです」
「……え? 父上が?」
「はい、仮にも王太子様の婚約者ですよ? 私や私の家族も監視対象になるに決まっているじゃないですか?」
そう言うと王太子様は顔面蒼白になった、おまけに隣の妹もブルブルと震え出した。
「あ、因みに既に私と王太子様との婚約は王太子様の有責で破棄となっておりますし私は貴族学院の卒業と同時に家の籍を抜けております」
「えっ……」
「ですから現在の私はただの平民のエリアナでございます。 なので未来永劫姿は現さないのでご安心ください、では平民の私は場違いですので失礼いたします」
会場が呆然としている間に私はさっさと会場を後にした。
「エリアナ、ご苦労であった」
会場の外で待っていたのは国王様と王妃様だ。
「国王様、王妃様、今までお世話になりました」
「後は私達に任せてちょうだい。 愚息達を叩き潰してあげるから」
「よろしくお願いいたします」
私はお辞儀をして去っていった。
あれから1週間後、私は王都の小さなアパートに住んでいた。
「王太子様は王位継承権を剥奪されよその国の王家に婿入り、ロワーズ公爵は長年の虐待や国費の横領によりお取り潰し、妹は厳しい修道院行きになりましたか……」
長年、私を苦しめてきた人達が一網打尽となり私の気分は健やかだ。
「国王様が話がわかる方で良かったわ〜」
そもそも私と元王太子は性格が合わなかったのだ。
元王太子は自己中我儘で人の話を一切聞かない人だった。
国王様や王妃様はその性格を知っているから私が苦労している事に同情的で私の味方だった。
だからこそ、妹と一緒に私の事を馬鹿にしているのを聞いて、国王様に婚約の見直しを話をした。
その時点で国王様は元王太子を切り捨てる事を決めた。
更に私と実家との悪縁を切ってくれた。
これが1年前の話である。
平民になる事が決まった私は平民として暮らす常識を学ぶ為に平民が通う学園に通った。
貴族学院は卒業単位は既に取得済みなので留学という形で通っていた。
「何事も先を見て行動しないとダメね……」
私は穏やかな暮らしを満喫している。




