最終話 ――世界最強の少女と、最後の森――
森が平和を取り戻して数日後。
赤ずきんは珍しく静かにしていた。
ホバーボードを磨き、ドローンを点検し、
おばあちゃんの家を壊さないように(珍しく)歩いていた。
赤ずきん「よし……今日は“問題起こさない”!」
オオカミ(遠くの木陰)
「毎日言ってるけど毎日起こしてんだよな……」
動物たちも“ほどよく距離を置きつつ”見守っていた。
うさぎ「今日は平和そう……?」
鹿「いや油断したら森ごと吹っ飛ぶ……」
リス「でもなんか落ち着いてるぞ……?」
鳥「嵐の前の静けさだ……(震)」
その時だった。
ド……ド……ド……
地鳴りのような音が森に響く。
オオカミ「赤ずきん? 今揺らした?」
赤ずきん「やってないよ?」
森の外からだ。
■ “最終敵”登場
森の入り口から、巨大な灰色の影が現れた。
それは、前回の重機軍団とは比べ物にならない巨体。
全長100メートル。
鋼の脚。
上部には「森開発マキシマム破壊マシーン」と書かれたプレート。
オオカミ「名前からして終わってる!!」
鹿「森林どころか大陸レベル!!」
リス「赤ずきんより破壊力あるやつ初めて見た!!」
鳥「いや赤ずきんの方があるけど!!」
重機のスピーカーが鳴り響く。
「今度は本気です!
森ごと削り取り、“巨大都市ハイパーランド”にします!!」
動物たち
「ハイパー被せてきた!!」
「赤ずきんの冠奪いにきたぞ!!」
「もう駄目だーー!!」
赤ずきんはゆっくり立ち上がった。
「……やだ。
森を消すなんて……絶対に許さない。」
■ 赤ずきん、最終決戦へ
赤ずきんはホバーボードを構えようとしたが、その手をおばあちゃんがそっと押さえた。
おばあちゃん「赤ずきん……これはお前ひとりの戦いではない」
赤ずきん「え?」
おばあちゃんは石を握りしめ、また光をまとった。
「ワシも全力で戦う。
“ハイパーおばあちゃん”第二段階、解放じゃ!」
ズオォォォン!!
おばあちゃんの周囲に光の柱が立ち上る。
動物全員(距離を取りながら)
「やばいやばいやばい!!」
「おばあちゃんが……進化した!!」
「文明レベルの戦い始まる!!」
■ 森最強タッグ vs 世界破壊マシーン
重機が巨大アームを振り下ろす。
その瞬間――
赤ずきん「いっくよーー!!」
おばあちゃん「任せい!!」
二人は同時に飛び出した。
赤ずきんのローラーブーツが地面を抉り、
おばあちゃんの光槍が空を裂く。
ズガァァァァン!!
衝撃波で森の手前が抉れ、重機のアームが吹き飛んだ。
開発員
「な、なんだあのババア!?!?!?」
「赤ずきん二人分の破壊力!?!?」
「撤退を……いや撤退も不可能……!!」
重機は咆哮のようなモーター音を響かせ、
森を踏み潰そうと足を上げた。
しかし――
赤ずきん「止まれぇぇぇぇぇ!!」
ドォォォン!!!
一撃で重機の脚が折れた。
おばあちゃん「ワシの森を汚すんじゃないわい!!」
ゴガガガガガッ!!
光槍が本体を貫き、
巨大マシーンは光に包まれて崩れ落ちる。
……静寂。
■ 世界を救った二人
赤ずきん「やった……森、守れた……!」
おばあちゃん「うむ。見事じゃ」
遠くから動物たちが少しずつ近づいてきた。
うさぎ「……勝った?」
鹿「森……守られた……?」
リス「赤ずきん……お前、本当にヒーローだな……」
鳥「距離は置くけど尊敬してる!!」
オオカミはしみじみと言った。
「……赤ずきん。
お前は強すぎるけど、
同時に……誰より優しい。
この森にお前がいてよかったよ」
赤ずきんは照れくさそうに笑った。
「みんながいるから頑張れるんだよ」
おばあちゃんは赤ずきんの頭を撫でた。
「よし。帰ったらパイを焼こう。
“森を守った勇者”の祝いじゃ」
赤ずきん「やったぁ!!」
動物たち
「距離は置くけど食べる!!」
「祝いたいけど近づきたくない!!」
「遠隔で乾杯しよう!!」
オオカミ「もうお前ら距離距離うるさい……」
■ そして、静かな森に戻る
森は夕陽に照らされ、どこか誇らしげに輝いていた。
壊れかけた木々も、
逃げ惑った動物たちも、
みんなここが大好きだった。
赤ずきんは小さくつぶやいた。
「……この森を守り続ける。
どれだけ強くても、優しくなるのを忘れないように。」
おばあちゃん「それでええ。
お前は“ハイパー”じゃが……
心は、誰よりも優しいんじゃ」
赤ずきんは笑った。
森は今日も騒がしく、そして平和だった。
――完。




