第6話 ――森の引っ越し編――
森がなんとか復旧して数日。
だが森の動物たちは、もう以前の平穏を取り戻せなかった。
うさぎ「……もうダメだ……また木が折れたぞ……」
鹿「昨日の風圧、赤ずきんの“くしゃみ”らしい」
リス「生存本能が毎日悲鳴あげてる」
鳥「ここで暮らすのは危険すぎる……!」
動物たちは森の奥、“赤ずきんの家から距離を置いた場所”で集まり、真剣に話し合っていた。
オオカミ「……引っ越しを考える時が来た」
全員が静まり返った。
■ 引っ越し会議スタート
オオカミは地図を広げた。
「候補は……
・遠い草原
・山奥
・別の森
の三つだ。とにかく“赤ずきんの活動範囲外”を目指す」
うさぎ「その“活動範囲”って地球全域な気がする……」
鹿「昨日、彼女の音で空が震えた……」
鳥「宇宙しかないのでは?」
リス「移住計画が国家レベルなんだよ……」
それでもみんな本気だった。
この森から離れ、生き延びるために。
その時――葉の擦れる音がした。
オオカミ「まずい……来たぞ……!」
赤い影がゆっくり近づいてくる。
赤ずきんだ。
■ 動物全員、即散る
誰よりも早く逃げたのはリスだった。
鹿、うさぎ、鳥も一斉に走り、飛び、隠れる。
残ったのはオオカミだけだが――
オオカミもすぐに木の裏へスライド。
赤ずきんは、ぽつんとその場に立った。
「みんな……また逃げちゃった……」
その声は、いつもより小さく聞こえた。
動物たちは距離を取りつつ(おおよそ50〜80mほど)、木陰からそっと覗いた。
うさぎ「(泣きそうだ……)」
リス「(罪悪感が……)」
オオカミだけが覚悟を決め、小声で声をかけた。
「赤ずきん、聞こえるか!? ここだ! 木の後ろだ!! 近づくなよ!!」
赤ずきん「え〜そんなとこから話すの? 遠いよ〜」
オオカミ「こっちは命の危険があるんだよ!!」
■ 引っ越し計画がバレる
赤ずきんは不安そうに言った。
「みんな……森、嫌いになっちゃったの……?」
動物たちは慌てて手を振る。
うさぎ「違う!! 嫌いじゃない!!」
リス「ただ……君の力がちょっとだけ……怖い……」
鹿「ほんのちょっとだけね!」
鳥「ちょっとどころじゃなくても気持ちは好きだから!」
赤ずきんの表情が緩んだ。
「そっか……よかった……」
だが、オオカミが苦しそうに続けた。
「でも……本気で“引っ越し”は考えてる。
この森、もう安全じゃないんだ……」
赤ずきんは目を伏せた。
「……そっか。
じゃあ……私が出ていけばいいね」
動物たち「やめろーーーー!!」
■ その時、別の“脅威”が来る
森の外から重い音が近づく。
ドドドドドドド……
巨大な建設用車両だ。
前回よりもさらに巨大。
スピーカー
「動物の皆さん! 森を一帯まるごと整地します!
ここに巨大テーマパークを建てます!!」
動物たち
「整地!?!?!?」
「森ごと消される!?」
「赤ずきんよりヤバい!!(赤ずきん除く)」
「いやどっちにしろ無理!!」
赤ずきんだけは静かに立ち上がった。
「……森を壊すのは……私の仕事……
他の人には、させない。」
オオカミ「言い方悪いけど頼もしい!!」
■ 赤ずきん、暴走重機を迎え撃つ
重機が森に突っ込もうとした瞬間。
赤ずきん「やぁぁぁぁあああ!!」
ズガァァァァン!!!
重機は一撃で宙を舞う。
別の重機も木に刺さり、三台目は地平線の彼方へ消えた。
開発員A「撤退ッッ!!」
開発員B「ここは人類の領域ではない!!」
開発員C「この森は封鎖しろ!!」
1分で全部いなくなった。
■ 動物たち、引っ越し撤回
動物たちは距離を保ったまま(約50m)、おそるおそる顔を出した。
オオカミ「……赤ずきん。
お前がいないと……森は即終わるな……」
うさぎ「……引っ越す前に森消されてた……」
リス「引っ越しても結局危険……」
鳥「結論:赤ずきんの近くが一番安全(距離は置く)」
赤ずきんは嬉しそうに笑った。
「じゃあ、みんな……これからもよろしくね!」
動物たち
「近づくなよ!!」
「距離は守ろうな!!」
「愛してるけど怖い!!」
赤ずきん「はーい!」
森は今日も騒がしい。
でも、みんなここが好きだった。
――続く。




