第4話 ――おばあちゃん、ついに反撃する――
今日のおつかいも当然のように爆速で終わり、赤ずきんちゃんはおばあちゃんの家に帰ってきた。
「おばあちゃーん! 今日の学校、超楽しかったよ!!」
ドアを開けると――
いつもの優しいおばあちゃん……ではない。
おばあちゃんは机に向かい、謎の道具を並べていた。
巨大なゴーグル。
分厚い手袋。
赤いフードそっくりの布。
そして“ハイパーおばあちゃんマニュアル”と書かれた分厚い本。
赤ずきん「……え? なに作ってるの?」
おばあちゃんはゆっくり振り返り、
不気味な笑顔で言った。
「赤ずきん……そろそろ 仕返し をしようと思ってねぇ……」
赤ずきん「し、仕返し……?」
■ おばあちゃんの不満爆発
おばあちゃんは立ち上がり、鼻息を荒くした。
「赤ずきん! あんた最近、元気すぎるのよ!」
「え、元気なのはいいことじゃ……」
「いいことじゃないわい!!」
おばあちゃんは指を突きつけた。
「まず、ローラーブーツで家の前の森ごと吹っ飛ばすな!!」
「えへへ……ごめん……」
「散歩のたびに木が全部倒れて、玄関まで“一本道”になってるんだよ!」
たしかに、赤ずきんが走るたびに“森の一本道”が増えていた。
「あと、オオカミいじめすぎ!!」
赤ずきん「え、いじめてないよ? 友情だよ!」
オオカミ(玄関の陰で聞いてる)
「いや、あれはもう戦争……」
■ おばあちゃん、装備をつける
おばあちゃんは机の上の道具を装着し始めた。
ゴーグルをかけ、
手袋をはき、
赤ずきんそっくりの赤いフードをかぶる。
そしてポーズを決めた。
「名乗りを上げるよ……
ハイパーおばあちゃん、爆誕じゃ!!」
赤ずきん「な、なんだってぇぇぇ!?」
■ バトル開始
おばあちゃんは杖を構えた。
「赤ずきん、今日こそ言ってやる……!
“いい子にしなさい!”ってな!!」
赤ずきん「そ、それは普通に言ってよ!!」
ドゴォォン!!
おばあちゃんの杖から謎の風圧が発生し、赤ずきんが数メートルふっとぶ。
赤ずきん「お、おばあちゃん強っ!?」
「当たり前じゃ! あんたが赤ちゃんの頃、ハイハイしながら床を割った時から鍛えておる!」
赤ずきん「そんな過去あったの!?」
おばあちゃんはブンッと杖を振る。
赤ずきんは必死で避ける。
「ひぃぃぃっ!!」
部屋の柱が“ポンッ”と消えた。
オオカミ(外)
「家が吸い込まれた!?!?」
■ お説教ラッシュ
おばあちゃんは空中で赤ずきんを追い詰めた。
「赤ずきん! あんた最近、暴れすぎ!!」
「ひっ!」
「森の道を5本も作った!!」
「うっ!」
「村の倉庫を体育の授業で吹っ飛ばした!!」
「ご、ごめん!!」
「オオカミが毎晩泣いてる!!」
オオカミ「ちょ、ちょっと!? バレてた!?」
赤ずきんは涙目になった。
「……おばあちゃん……私……そんなに迷惑だった……?」
おばあちゃんは腕を組んでため息をついた。
「迷惑じゃ。
でも……可愛い孫じゃ。
だからこそ一度、ビシッと言いたかったんじゃよ。」
■ おばあちゃんの本心
おばあちゃんは赤ずきんの頭をぽんぽんと撫でた。
「悪さをしたわけじゃない。あんたはいつも誰かを助けたいだけじゃ。
だけど……強すぎるんじゃよ」
赤ずきん「……うん……」
「強い子ほど、周りに優しくしてやらにゃ。
それが“ハイパー”じゃなく“本当の強さ”よ」
赤ずきんは目を輝かせた。
「おばあちゃん……すごい……! まるで“ハイパー賢者”みたい!!」
「賢者じゃよ」
「ほんとに!?」
「ほんとじゃよ」
■ 和解(?)
おばあちゃんは満足そうに頷いた。
「さあ、今日のお説教タイムは終わりじゃ。飯にしよ。」
赤ずきんは笑顔で飛びついた。
「おばあちゃん大好き!!」
玄関の陰で震えていたオオカミが言った。
「……なんか今日の赤ずきん、普通に負けてたな……」
赤ずきん「聞こえてるよ?」
オオカミ「ひぃっ!」
おばあちゃんは豪快に笑った。
「オオカミ、あんたもご飯食べていけ!」
「い、いいんですか……?」
「もちろんじゃ。赤ずきんの友達なんじゃろ?」
オオカミは少し感動して泣いた。
赤ずきん「じゃあ、今日も3人でパイ食べよ!」
こうして、
おばあちゃんの“ハイパー逆襲”は無事成功し、
赤ずきんは少しだけおとなしく――
いや、ほんの少しだけおとなしくなった。
森は今日も騒がしい。
でも、ちょっとだけ優しくなった。
――続く。




