表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

お隣さん

『お隣さん』


ある男性が、「イシシ……」と言いながら少し古いアパートに引っ越してきた。隣の部屋には70代くらいの老婦人が住んでいるらしく、挨拶の際に手作りのお菓子をもらった。

 どこか物静かで優しそうな人だと感じた。


 数日後、彼は深夜まで起きていると隣の部屋から不思議な音が聞こえた。

最初は木の床をコツコツと歩くような足音。次に、重いものを引きずるような音。

気にはなったが、大したことではないと気に留めなかった。


 その翌日、彼が出かける準備をしていると、老婦人に廊下で出くわした。

挨拶をしようとしたが、彼女は何も言わず、じっと彼を見つめていただけだった。

その後も数日間、老婦人はいつも同じ服を着て、同じ無表情で彼を見つめてくるだけ。

気味が悪くなった彼は、引っ越してから間もないが、友人にその話をした。友人は怪訝そうな顔をして言った。


「お前、隣の部屋の住人、誰だって?」


「70代くらいのおばあさんだよ。なんか無表情でちょっと変わってるんだけどさ。」


 友人はしばらく考えたが、やがて答えた。


「……ふうん。だったら、いいんだけどさ。」




















解説



・まず、冒頭に出てきたこの『ある男性』の正体であるが、『イシシ……』と喋った事から彼は石造人間『イシンガー』であることにお気づきだろうか?

イシンガーには戸籍がない。つまり、税金も払っていなければ、住民票もないのだ。そんな彼に引っ越しができるはずがないのである。


・そして、イシンガーは石造人間である。声帯は持ち合わせているが、歯はおろか舌も石製なので、流暢な日本語など喋れないのである。

ならば、『70代くらいのおばあさんだよ。なんか無表情でちょっと変わってるんだけどさ。』という台詞は、一体誰が答えたのだろう?


・イシンガー族は代々友人を作らず、孤高に生きていくことを信条としているのだ。『友人』という馴れ合いは、イシンガーにとっては屈辱以外の何者でもないのである。

よって、イシンガーに友人はいない。絶対に! 絶対にいない!!

だとするなら、この『友人』を名乗る人物は何者なのだろう……?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ