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あなたがその生の中からどれほどわずかな時間しか自分のために残しておかなかったか

・・・・・・・


もう無言というか、それでいいだろとしか言えない。


アンコールが終わり「音楽家」も指揮者も挨拶して終わった。最後まで「音楽家」は指揮者を祝福していた。しっかりとゲストとして振る舞っていた。


ステージから誰もいなくなるとアナウンスがなくとも、皆様方綺麗にお帰りになりはじめる。


てっきり客席に有名人が座っているのだから、混乱が起きるかと思いきや、別に普通である。


ファン層としてどう考えても御年配が非常に多いコンサートである。配慮はできて当たり前なのかもしれない。


ましてや一階。ファンクラブというか、率直に大変敬虔なファンしかいなければ「音楽家」に問題視される行動はしないだろう。


周りについていけないのは同じだが、相変わらず狐に化かされたような、非常に気に入らない恐ろしい感覚が残っている。ヒステリー球が治らない。冷や汗を感じる。


ただ周りは幸せそうだ。

やはりこの「音楽家」様に会えたというのは、この方々にとって幸せなのだろう。


空っぽ、というか片づけ中のステージを見つめる。

不思議だった。あまりにも。


どう見ても「普通」にしか見えない「音楽家」。

どう考えても「異能」としか言えない「音楽家」。


調べれば調べるほど、よくわからない。

感覚的にそこまでネット民全員が全力で叩くほどエキセントリックな人物に見えなくなってくる。


真夏の夜の夢。


シェークスピアがこの戯曲を作った感覚とは、こういう感覚なのだろうか。


一度ならず二度見てわかったことは、たぶん言語にならない「何か」はあるのだろうということか。


周りに合わせてホールから出る前に、一瞬だけ、改めて足を止めてステージを見る。今回のコンサートの副題は、悠久の時、か。


なんだろう。


今を走り続けようとする「音楽家」。

「悠久の時」になるには、まだ早いのでは?

と思った。

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