表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】 小さくなった侯爵令嬢リーリヤの秘め恋  作者: 悠月 星花
卒業式に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/94

卒業の通知

 卒業式の数日前には、用意された課題は全て終わり、無事、セインと同じく学園を卒業することが決まった。夜、いつものようにセインが部屋に来て、私に手紙を渡してくれる。


「卒業が決まった知らせだよ」


 セインのおかげで、特別に許可をもらい、課題の提出を以て、卒業することを許されたのだが、今日、学園側から、卒業の通達をセインがもらってきてくれた。


「セインのおかげで、無事に卒業をすることができます。ありがとうございました」

「たいしたことは、していないよ。課題を頑張ったのは、リアだから。一緒に卒業できるよう、少し先生たちに頼んだだけだから」

「……特別措置ってことですよね? よかったのでしょうか?」

「もちろん! 僕がリアと一緒に卒業をしたかったからね!」

「私もセインや他の友人たちと一緒に卒業式を迎えられることは、とても嬉しいです!」

「アンダルトもだけど? それも嬉しい?」

「……どうですかね。正直、アンダルト様とエリーゼ嬢のことはわかりません。会ってみないと、何とも。それより、どうやって、特別措置をお願いしたのですか?」

「……どうって……、すごく簡単だよ?」


 手招きされたので、セインの隣に座り直すと引き寄せられる。耳元で「リアが僕のお嫁さんになるための花嫁修業中だから、大目に見てって言ったんだ」と囁かれ、驚きでセインの方を見ると、少し頬が赤くなっていた。


「もう、学園では、知っている人がいるのですか?」

「いや、一部のものだけだよ。多くのものは、当日まで知らないだろう。口止めしてあるから」


 いたずら好きなセインは笑う。卒業式の前日に一度侯爵の屋敷に戻る提案もしてくれたが、私は首を横に振り、一緒に卒業式へ行くことをお願いした。


「そういえば、先日、王妃様から借りたおまじないの本があるのですけど」

「何かいいのがある? リアと僕が死ぬまで……死んでからもずっと仲良くいられるようにとか……」

「セインもこういうおまじないを信じるほうなのですか?」

「いや、もし、そういうおまじないをしたと言われたら、嬉しいと思っただけだ」

「おまじないをしなくても、私はセインのことを心から愛しています。ネズミだった私にまで愛情をかけてくださったこと、私は忘れませんから」

「僕もリアのこと、愛しているよ。ずっとね……」

「陛下と王妃様のように、仲睦まじくいられたら、幸せですね」


 肩に寄りかかると、「そうだね」と返ってくる。その言葉は、とても優しい。

 気になるおまじないの話をしないとと思いセインから離れる。名残惜しいとお互い思っていることは、離れていく距離で感じていた。


「そういえば、おまじないの本で1つ気になるものがありました。もしかしたら……と思っています」

「どれ? 見せてくれる?」


 王妃から借りているおまじないの本をベルに持ってきてもらい、気になるページを捲ると表情が変わった。


「エリーゼ嬢の前に立つことになる。リアはもう大丈夫だと思うけど、一応、気を付けておいた方がいいね」


「はい」と返事をし、卒業式当日、もしものときを考え、ベルとロン兄妹を含め、対抗策を深夜まで話し合った。

 このおまじないが、私の探している呪いだとしても、対処しきれるかの不安ではあった。「大丈夫、僕がついているから」と手を握ってくれるセインの優しい表情を見て頷く。セインの愛情に包まれている、そう感じずにはいられなかった。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

よかったよと思っていただけた読者様。

ブクマ、いいね!下方にあるポイントをポチっとお願いします。(o*。_。)oペコッ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ