ルビーの宝飾品は、セインの愛
セインの部屋に着くと、メイドたちが、衣装や小物の準備をして、せわしなく動き回っていた。よくよく見ると、セインの正装が準備されているところだ。
「セイン、これは……」
「僕の正装だよ。卒業式に着るね」
「素敵ですね。青と……今回は赤も取り入れられているのですね?」
「基本的には、リアの衣装に合うようになっているよ。こっちにおいで」
部屋の真ん中に大きく衝立が立てられていて、何かと思っていた。手をひかれ、そちらに向かえば、私の卒業式に着る予定のドレスが掛けてある。
「今日出来上がったんだ。卒業式も近いからね、針子たちに最後の調整をしてもらいに来てもらったんだよ」
「そうなのですね? 図案も素敵でしたが……実物はもっと素敵ですね!」
「当日は、これに袖を通したリアはもっと素敵だろうね!」
「恥ずかしげもなく……」
恨めしそうに見上げると、微笑んでいた。本当に楽しみにしてくれているのだと実感すると、胸がほわっと温かくなる。
「本当のことだろう? 僕は、当日の楽しみってことで、今日は見ないから、ここで、調整をしてもらって。少し出てくるから」
「どこかへ?」
「たいしたことじゃないよ!」
「……最近、とても忙しくされているので、心配しているのですけど……ご無理はなさらないでくださいね?」
「もちろんだよ! 卒業式に出られなかったら、元も子もないからね! それじゃあ、後のことはベルに任せるから」
「かしこまりました、いってらっしゃいませ」
部屋を出ていくセインをベルとともに見送り、私は、用意されているドレスの試着する。直すところも特になく、ベルを含め、メイドたちと当日の髪型や宝飾品などの話をしていた。
当たり前のように話をしているが、身に覚えのない宝飾品の話になり、ベルを呼び止める。
「どうかなさいましたか?」
「さっきの宝飾品の話なのですけど……」
「セイン様が、リーリア様のためにご用意されたものですね。リーリア様の瞳と同じように、ルビーをご用意しています。セイン様も、当日はルビーをどこかに着けられると聞いているのですけど……どうかされましたか?」
「……いえ、その、ルビーを私にですか?」
「えぇ、セイン様からリーリヤ様へ愛を込めて贈られるものですよ!」
ベルに説明をされて、ボッと頬が熱くなる。宝飾品に選ばれたルビーは、私の瞳に合わせただけでなく、きちんと考えて贈ってくれるのだろう。
「……何か、お返しをしたほうがいいのですよね?」
ベルをジッと見つめると、柔らかく微笑み「失礼します」と耳元へ近寄った。
「リーリヤ様がセイン様のお隣で、誰よりセイン様を見つめて優しく微笑んでさえいてくれば、いいのですよ! セイン様には、それ以上、他に何も必要はございませんよ!」
少し距離を取るベルは、ニッコリ笑い「羨ましいです」という。ベルに言われた言葉を頭の中で反芻して、セインのことを考えると、とても恥ずかしくなった。
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