図書館で探し物
案内してもらったところは、図書館でもかなり奥まった暗い場所であった。一人で歩くには、少し怖い。光が入らない場所は、少しかび臭く、埃ぽい。
「こちらになりますが……」
「案内、ありがとう。少し、お話によさそうなものを見ていきたいので、先に戻っても大丈夫ですよ」
「……はい、では、失礼します。何かありましたら、お呼びください」
「わかりました。あぁ、それと、あとから侍女のベルが図書館に来ると思うから、来たらここへ案内してあげてくれるかしら?」
「もちろんです。では……」
暗い場所から、逃げるように司書は出ていく。私は棚を見上げながら、それらしい本を何冊か引き抜いた。
……それにしても、王宮の図書館はさすがね。古いものから新しいものもたくさんあるわ!
私は、その本を持って、少し明るい場所へと向かった。日の光が少しだけ入る場所で、本を開く。
「……これは、違うわ。これも……。そんなにすぐに見つけられるとは思っていなかったけど……、あるのかしら? 私がかけられた呪いについて書かれているものなんて」
持ってきた本に目を通し終えたとき、ベルが私を探して本棚のところへやってきた。
「ベルっ! こっちよ!」
「リーリヤ様、こんな場所に。図書館へ来てまで、何をお探しですか?」
「……ベルも、セイン殿下や両親がいる中で話を聞いていたから覚えていると思うけど……」
「もしや、呪いの関係の本をお探しですか?」
「察しがよくて助かるわ!」
「……察しというより、今、見られている本がまさにそうだったので、探していらっしゃるのかと思いまして」
「あら、本当。この表紙、まさに呪い全集って書いてあるわね」
手に持っていた本の表紙を見て、クスっと笑う。ベルも、少し呆れたような表情ではあったが、どうやら、手伝ってくれそうだ。
「そこには、なかったのですか?」
「えぇ、なかったわ。エリーゼ嬢がどんな呪いをかけたのかはわからないけど、もう少し、調べてみましょう」
ベルに手伝ってもらい、本を次から次へと読んでいく。そのどれにも、それらしいものがなく、今日はここまでにしようと言われたので、図書館を出る。
あてがわれた客間へ向かう途中で、ベルを呼び止めるメイドがいた。少し待つよう言われたので、その場で、二人のやり取りを見ていると、すぐにベルが戻ってくる。
「リーリヤ様にお待ちいただいて、申し訳ありません。王太子付きのメイドでしたので、何事かと聞いていたのですが、どうやら、殿下が今晩、客間へお越しになるらしいです」
「えっ? 私の部屋に?」
「えぇ、話があるとのことでしたので、とにかく、部屋に戻りましょう」
セインは今、学園から帰ったばかりだろう。ネズミのリアだった頃は、セインの側で一緒に本を読んでいられたのに、今はそうはいかない。
少し寂しいなと感じながらも、今日、部屋に来てくれるというので心待ちにすることになった。
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