私の侍女
両親との再会を果たせたのちも、セインの申し出により、私は王宮の一室を賜り、過ごすことになった。今は、ベルトともに過ごす日々だ。
「リーリヤ様、今日はどこかへ向かわれますか?」
「図書館へ行きたいのだけど……」
「図書館ですか? 学園の課題に何か必要なものがあるのでしたら、私が代わりに取ってまいりますが」
「いいの、ベル。部屋にこもりきりだし、少し、外も歩きたいわ。」
「わかりました。それなら……」
侯爵家の屋敷から持ってきたドレスに加え、セインが用意してくれたドレスがたくさん詰まっている衣裳部屋へと向かう。「今日はこれを」とベルが選んでくれたドレスに袖を通し、髪も結ってくれる。私の髪は、この国では珍しい輝くような白で、よく目立つ。髪をベールのついた髪飾りで隠し、図書館へ向かう。
「……ずっと考えていたのだけど」
「何でございましょう?」
「ベルは、セイン殿下の侍女頭を辞めても、本当に良かったの?」
「もちろんです! 私はリーリヤ様の侍女になれたのですから。今更、いらないとは言わないでくださいね?」
「そんなこと! 私はベルが身の回りのことをしてくれることが、とても嬉しいの。王宮のことが何もわからない私にはとても心強い味方よ!」
「それなら……私のことは気になさらないでください。元々、私が侍女としてお仕えできるのは、殿下が学園を卒業するまでと決まっていたのです。本来、成人され、王太子となったセイン様の側にいるのは、許されません。今までは、私に婚約者がいるからという理由で、許可されていたにすぎませんから。
今度は、王太子妃になるリーリヤ様の侍女頭にしていただいたので、特に今までと変わりなく過ごすことができています」
ニコリと笑かけてくるベルの事情を聞き、それが例え私のことを考えた作り話であったとしても、側にいてくれると決断してくれたベルに感謝しかなかった。
「そうだったの。なんだか、私の面倒をみないといけなくなったこと、申し訳なく思っていたのよ」
「リーリヤ様が気になさることではありません。セイン様もですが、リーリヤ様も相当なお人よしです!国の顔となられるのだから、私たちには、もっと我儘でもいいのですよ?」
「……そういうわけには。それに……」
慌てると、ベルが私を見て、可愛いと微笑んだ。
「セイン様には、私よりできる近侍がつきましたので、ご安心ください。最近忙しくて、リーリヤ様はセイン様にお会いしていないので、ご存じなかったと思いますが、私が1番に信頼している人ですから、大丈夫ですよ!」
「……新しい近侍?」
「えぇ、そうです。今度、紹介しますね! 今日は、忙しいと言っていたので」
「……仲がいいのね? その近侍の方と」
「えぇ、私の師匠的な存在ですし、近しいので」
「近しい?」
ベルの言うことが理解できずに廊下を歩きながら首を傾げていると、「ベル!」と呼ぶ男性がこちらに向かって足早に歩いてきているようだ。ベルが振り返っているが、私も思わず振り返った。
……そういえば、ベルの婚約者もこの王宮で働いている人だったわね。その方かしら?
背の高い男性と親し気に話すベル。どことなく雰囲気が似ているなと見入っていた。
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