表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】 小さくなった侯爵令嬢リーリヤの秘め恋  作者: 悠月 星花
リーリヤの想い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/94

セインからの提案

 ベルが淹れてくれる紅茶で、一息入れる。優しい味のするお茶は、それぞれが泡立った気持ちを落ち着いていく。


「先ほどは取り乱してしまい、大変申し訳ありませんでした」

「いや、いい。侯爵の気持ちを考えれば、当たり前のことだ。アンダルトも失礼なことをしたものだと、残念に思ったもんだ」


 ただ、先程から感じていたセインの表情は、父への労う気持ちも十分にあったが、それ以上に何かを話したくて、うずうずしているように感じた。


「……それで、侯爵。こちらから、提案があるのだが?」

「セイン殿下からのご提案と申しますと……?」

「少し前に、席を外させてもらっていたが、陛下……父とひとつ、話を通してきた」

「先程の短いお時間にですか?」

「あぁ、そうだ。少ない時間ではあったが、理解してもらい、承諾を得たよ。母も大喜びであったから、こちら側には問題がない」


 両親も私もベルも、セインのやたら機嫌のいい表情に戸惑いながら、次の言葉を待つ。とんでもないことをセインがいうのではないかと、内心気が気でないのは、両親だろう。


「……それで、その提案とは?」

「リーリヤ嬢を正式に王太子妃として、学園を卒業後に迎えたいと思う」


 私は、口を両手で押さえた。両親も驚いて言葉にならなかった。

 先ほど、私は想いを伝えたばかりなのに、思ってもみなかった申し出である。


「それほど、驚かないでくれ。幼いころからずっと、リーリヤ嬢に好意を持っていたんだ。アンダルトとの婚約は、残念な結果だったけど、前向きに考えてくれると嬉しい。公爵家への輿入れが決まっていたから、教育には全く問題はないし、リーリヤ嬢も私のことを想ってくれていることもわかった。侯爵家にとって、悪い話ではないと思うが、どうだろうか?」

「……突然のことで、驚きました。殿下を含め、陛下や王妃様がリーリヤを求めてくださるのであれば、異存はございません。リアは、どうだい?」


 父に問われ、セインと両親の視線が私に向かってくる。嬉しい気持ちはもちろんあった。でも、ここまでの大きな話題を世間に提供してしまった私に『王太子妃』が相応しいのか。そのことが引っかかる。


「本当に、私でよいのですか? その、突然、失踪した令嬢として、名が国中に広がっています。王となるセイン殿下の名に、私のせいで傷がつきませんか?」

「……傷? そんなものどうでもいいさ。それより、リーリヤ嬢が首を縦に振ってくれる努力なら、今よりもずっとするけど、どうかな?」

「えっと……これ以上は、何もなさらないでください。このひと月、私は、ネズミのリアとして、ずっと、側におりました。セイン殿下のことを昼夜問わず、見ていたのです。これ以上、私のために貴重な時間を割かないでくださいませ!」

「リーリヤ嬢のためなら、時間なんていくらでも割けるよ!」

「そうではなくて……私がセイン殿下のための時間を作りますから……その、」


 私に優しく微笑んだあと、父の方を見るセイン。


「決まりましたね、お義父様」

「……まだ、早いですよ、お婿殿」


 セインとベル、両親の四人は笑い合い、まとまった婚約に喜んでくれる。私は、みなの顔を見て、温かい気持ちになった。


「それで、もうひとつ、提案があるのだが……少々悪質なイタズラになってしまうので、侯爵が乗り気でなければ、止めるが……」

「どういったことでしょう?」


 悪だくみをする二人の男性たちに、母と二人、笑い合った。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

よかったよと思っていただけた読者様。

ブクマ、いいね!下方にあるポイントをポチっとお願いします。(o*。_。)oペコッ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ