暴かれた真実
シーツのドレスから、母が持ってきてくれた私のドレスに着替え終わり、整えられた応接間へベルに案内される。新聞を賑わせていた『侯爵令嬢リーリヤ失踪事件』の顛末をセインや家族に話すことになった。
その場には、不安そうな父が一人待っていて、私の顔を見るなり涙を見せた。心配をかけていたことがわかる。私は、父との再会にひとまず喜んだ。
「リア! 無事で……無事でよかった!」
「お父様、ご心配おかけしました。また、お父様の元へ戻ることが叶い、リアは……」
感極まったため、目に溜まる涙を父が指でそっとぬぐってくれる。滅多に人前ですることはないが、両親と再会できたことが嬉しく、父に抱きつく。もちろん母も私を抱きしめてくれ、父は優しく髪を撫でてくれた。
一頻り再会を家族で喜んだあと、ふと、セインの姿がないことに気付く。ちょうど、「遅くなってすまない」と応接室の扉が開いたので、そちらをみれば、申し訳なさそうな表情を浮かべたセインが立っている。
「……もう少し、あとでもよかったかな?」
「……いえ、セイン殿下。十分にリーリヤとの再会を喜べました。この度は、リーリヤを保護してくださり、誠にありがとうございます」
「いや、先程も言ったが、侯爵。リーリヤ嬢は今朝がた見つかったのだ。その話もしなくてはいけないし、詳しい話は、これから僕たちもリーリヤ嬢から聞くことにしている。よかったら、一緒に聞いてくれないか?」
「もちろんです! リーリヤが見つかったからといって、助けてくださった殿下に対し、失礼なことをするつもりはありませんから」
「それは、よかった」と、少しホッとした顔をしているセイン。先ほどまで、席を外していたようだが、一体どこへ向かっていたのか、気になった。
そのうち、話してくれるだろうと、私たちはベルの勧めてくれる席へと座る。
「まずは、リーリヤ嬢が帰ってきたことを喜ぼう。両親もさぞ、嬉しいと思う。早く水入らずで話をしたいと思っているところだろうが、リーリヤ嬢を捜索するなかで、不思議な点が多かった。知らなくてはならないことが多いように思う。少し協力してほしい」
「もちろんです。私どもができることなら、なんなりとお申し付けください」
「ありがとう。では、リーリヤ嬢に聞く。ことの顛末を教えてくれ」
私は、セインに聞かれたことを、順番に話していく。
男爵令嬢エリーゼに、手紙で放課後、学園の中庭に呼び出されたこと。
呪いのようなものをかけられ、ネズミになったこと。
ネズミになった私は、お腹をすかせて城へ忍び込んだこと。
メイドたちに追いかけられていたとき、セインに拾われ、大事に守られていたこと。
これまでのアンダルトとの関係性やエリーゼ嬢との確執。
セインとの会話から、アンダルトへの失望、見限ったこと。
そして……セインへの恋心を。
学園でのアンダルトやエリーゼを取り巻いて起こったことや、この数ヶ月間のこと全てをセインと両親へと話した。
中には、公爵家への
胸の内に私が体験した不思議な出来事を信じてもらえるのか、不安はあったが、両親もセインもベルも、私の話を真剣に聞き、ひとつひとつ確認をしながらじっくりと聞いてくれる。
……セイン殿下、お父様、お母様、ベル。再び、リーリヤとして、皆様の目の前に立てただけでも嬉しい。
胸がいっぱいになり、頬をつたう涙。みなの優しいまなざしと、「使って」とセインに渡されるハンカチで目元を拭く。
私が話し終え、しばらくの沈黙のあと、アンダルトからの婚約解消についての話を静かに話す父から聞いた。
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