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地理のお勉強

 オレは修と言う友達の妹に恋をしている。

 

 とにかくかわいくて面白い。

 その子は、穂乃果ちゃん。

 とにかくお近づきになりたくて自分のでき

 る能力を最大限に生かしてここに至る。

 

 今まで頑張って青魚をコツコツ食べてきた

 甲斐がある。

 

 あー、今日も穂乃果ちゃんに会えると思う

 とテンション上がるなー。

 穂乃果ちゃんに勉強教えるためにもオレも

 勉強がんばろう。

 

 そして家庭教師のお時間

 

「空先生。またお会いしましたね」

「…うん。そうだね」

 お会いしましたって…そりゃ家庭教師です

 からね。

 お会いしますね…。

 

「じゃあ、今日は地理だね!」

「はい‼︎」

「どう?地理得意?」

「うーん…困りました。得意とも言えません

 が不得意とも言いがたい…です」

「じゃあ、そこそこ普通ってとこかな?」

「はい。得意と不得意のハーフという事で」

 

 …ハーフ。

 

「ところでさ、昨日新婚旅行行きたいとか言

 ってだけど、どこの国行きたいの?」

「えっ⁉︎わたし達、まだ結婚していないのに、

 新婚旅行の話進めていいのですか?空先生、

 結構グイグイの押し押しタイプなのですね

 ?」

「えっ、あぁ、オレとじゃないにしてもさ、

 どこの国行きたいとかあるのかなーって」

「えと、じゃあ、今のはプロポーズじゃない

 んですよね…?」

「う、うん。ってか、普通まず交際からじゃ

 ないかな」

「えっ、今わたし告白されたのですか?」

「あー…告白じゃないかもだけど。」

「そうなのですね。シュン…です」

「え?オレと付き合ってもいいの⁈」

「あ、あの…うーん。です」

 あいまい…ってか、なんだ。

 このグダグダ…

 そして、オレの手汗半端ない…。

 

「ま、とりあえず勉強しよう‼︎」

「ハイっす」

 …はいさの次は、ハイっすか。

 

「じゃあ、ここの国わかる?」

「ピザの王国です!」

「まー、ピザ有名だけど…イタリアね」

「あー、なるほどです。マルゲリータ‼︎」

 マルゲリータ…


「じゃあ、ここは?」

「ここは、もちろんカレーです」

「インドね…」

「あー、バターカレー‼︎」

 

 大丈夫かな…

 

「じゃあさ、大陸っていくつあると思う?」

「そうですねー。千くらいでしょうか…?」

 

 多っ。

 

「6つだよ」

「へっ…そんなぽっちなんですか?」

「うん。」

「うわぁ〜、勉強になりました〜」

 …うん。まさに勉強中です。

 

 地理苦手かもな…穂乃果ちゃん。

 

「じゃあさ、気候とかどう?」

「気候ですか…春です」

「えっ?」

「春が好きです。」

「あー…オレも春好き」

 って…そうじゃなくて。

 

「気候帯っていくつだ?」

「えと、三十八歳。独身ですか?」

 え…誰。

 聞き方がよくなかったかな…

 

「気候帯って人じゃないよ。熱帯とか乾燥帯

 とか」

「あぁ、それですね。なんか地理の先生が授

 業でこそこそ話していたやつです」

 コソコソ話って…

 

「乾燥帯、温帯、冷帯、熱帯魚、寒帯ですよ

 ね」

「ん?なんか魚混じってなかった?」

「え?」

「なんか、熱帯のところを熱帯魚って…」

「あー…ひっかけ問題にまんまとハマってし

 まいました。」

 ひっかけ問題だったのか⁈

 ま、ここは大丈夫そうか。

 

「じゃあ、冷帯は何という針葉樹林が広がっ

 ていますか?」

「えーと。待ってください…想像力を広げて

 みます。」

 …想像力を広げだした穂乃果ちゃん。

「あっ‼︎あの人です‼︎フウタくんです‼︎幼稚

 園一緒だった。」

 フウタくん…

「えと、フウタくん⁇」

「あれ、違いました?」

「タイガね」

「あー…タイガくん」

 いやいや…なぜくん呼び…⁉︎

「じゃあ、熱帯は気温が高く雨が多いですが

 何を中心に広がっている?」

「ハイ‼︎先生‼︎」

 ピンと手をあげる穂乃果ちゃん。

 自信満々だ。

「いいね!ハイ‼︎穂乃果さん!」

「ハイ‼︎もちろん赤いはちまきをしたお魚屋

 さんです‼︎」

 あれ…魚まだ離れてなかった…

 しかも微妙に赤いはちまきとかって…。

 んー…

「赤道ね」

「あー…もーまたです。赤いまでは、大当た

 りしていましたね。まずまずの大当たりで

 よかったです。」

 …うん。そうなのか…?

「では、温帯は季節風や何の影響を受けてい

 ますか?」

「わかります。あれは大変です。痛風ですよ

 ね。」

「それはまた…」

「あれ、間違えました。痛風ってお病気でし

 た。偏頭痛のほうで、」

 …えと。

 ここ、薬局かなんか?

「偏西風ね」

「おやおや」

 おやおやって…

「では、最後に寒帯。寒帯は、南極や何に広

 がっていますか?」

「これは、またいいヒントをちょうだいいた

 しました。」

「うん。南極ってきたら?」

「もちろんシロクマさんですよね。海一面に

 シロクマさんがぷかぷかと広がっておりま

 す。」

 …うん。それは、かわいいけどさ…。

「残念。北極周辺」

「あら、シロクマさんじゃなかったんでした

 っけ?見たかったです。」

「そうだね。かわいいかもね」

「はい‼︎」

 

 と言うとこで地理も無事終了。

 

 続く。

 

 

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