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空のバイト

 かわいい穂乃果ちゃんが家庭教師の先生に

 なっていた頃…

 

 オレは…オレは…

 

 あっ、お客さん!

「いらっしゃいませー」

 と、接客中なのであった。

 オレはかわいいオルゴールが流れる甘い空

 気の店内で働いている…

 

 どこにいるのかって…

 

 …はい。

 洋菓子店でございます。

 

 なぜそんなことになってしまったのかとい

 うと…

 

 数日前どっかでまたバイトを始めると母親

 にボソッと呟いたのがそもそもの始まりだ

 った。

 あわよくばお小遣いアップしてくれればバ

 イトしなくてもいいんじゃね⁉︎的な考えだ

 ったオレ。

 …しかし、世の中はそんなに甘くないので

 ありました。

 

 

 えっ、ならナイスタイミングよ〜ってもの

 の数分で母親は、お友達に連絡。そして明

 日からよろしくとなったのである。

 

 …面接もないまま。

 ま、よくうちに遊びに来ていたおばさんだ

 ったからオレも何度かお会いしていたけど、

 まさかそのおばさんのケーキ屋さん…しか

 もこんな急に…

 

 という事なのだった。

 

 オレより穂乃果ちゃんの方がケーキ屋さん

 に合っているだろー。

 

 なぜこんなメルヘンの世界みたいなかわい

 いお店でオレはケーキを売っているんだ。

 

 …場違い男、参上‼︎

 って遊んでる場合じゃない‼︎

 

 あー、甘い匂い。

 店内は、心地よいオルゴールが流れている。

 なんなんだ。

 この状態は…。

 

 

 とにかく急だったから明日穂乃果ちゃんに

 は、あって伝えようと思っていた。

 

 しかし、バイトの帰りに偶然穂乃果ちゃん

 と遭遇。

 

「あ〜、空先生ですの。偶然です」

 とにっこり駆け寄ってきたのだけれど…

 

 一気に穂乃果ちゃんの表情が曇った。

 ん?

 どうしたんだろう。

 

「穂乃果ちゃん?」

 

 …  …  …

 

 ジーっ。

 オレをマジマジと全身見だした。

 そしてくんくんと犬みたいにオレの周りを

 嗅ぎだした。

 

「えっ…穂乃果ちゃん?」

「えっ?空先生?」

 と逆に聞き返された。

 

 …ん?

 

「空先生、わたしになんか物申すことござい

 ませぬか?」

 と眉間にシワを寄せて言われたので、

「あぁ、あのね今日からバイト始めたんだ」

 と答えた。

 

 すると口をムーッと膨らませた穂乃果ちゃ

 ん。

 

 あれ?ご立腹⁈

 

「ほ、穂乃果ちゃん…⁈」

「空先生…ひどいです。わたしが家庭教師の

 バイトを一生懸命していたのに…なのに空

 先生ときたら癒し系女子と浮気だなんて」

 と言い出した。

 

 えっ⁉︎

 浮気⁉︎

 しかもなんで癒し系女子限定…。

 

「違うよ。浮気なんてしてないよ」

 と慌てて否定した。

 

 でも、穂乃果ちゃんのほっぺは膨れたまん

 まだ。 

 

「あのね、実はさ」

 

「イヤイヤ…イヤです。他に好きな人ができ

 たなんてわたしは受け入れません‼︎ぜった

 いにっ‼︎ぜったいにですのっ‼︎」

 と言い放ち走り出した。

 

 えっ…。

 ちょっ

 

「穂乃果ちゃん‼︎」

 オレは穂乃果ちゃんを捕まえて抱きしめた。

 

「ふぇ…?そ、空先生…二股するおつもりな

 らわたしは…」

「そんなことするわけないでしょ。オレは穂

 乃果ちゃん一筋だよ」

 

 そう言い終わると穂乃果ちゃんにキスをし

 た。

 

「あの…ひと前ですの…」

「うん。いいよ。オレはだれに見られても」

「あ、はいです。わたしもです」

 といいまたキスをした。

 

 そして穂乃果ちゃんを抱きしめながら、

「オレさ、今ケーキ屋さんでバイトしてるん

 だ」

 と伝えた。

 

 すると穂乃果ちゃん。

 

「!えっ。だからあんな甘い匂いを漂わせて

 いたのですね、ごめんなさい。はやとちり

 もいいところです。ほんとうにごめんなさ

 い」

 と穂乃果ちゃんは、謝ってくれた。

 

「うん。いいよ。でも少しお仕置きが必要か

 もしれない」

 と言った。

「えっ、お仕置きですの?」

「うん、そうだよ。お仕置き」

 

 そしてオレは穂乃果ちゃんのくちびるを優

 しく甘噛みしたのでありました。

 

 

 無事仲直りができて一安心なのでありまし

 た。

 

 続く。

 

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