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第20話 お開き

 淫魔団との二回戦。

 使い魔達は夢馬を守るように前に立った。


「誘惑ワーク!!」


 宮がいやらしい動きをし、谷間を見せるポーズをとると古貞達の体はピンクに光り、無数のハートを放ち、パーティー会場での戦闘の疲れがなくなって頑丈になった。


「やれ!!」


 夢馬の命令で二体の使い魔は黒いハチ達を召喚した。黒いハチ達は飛びまわり、古貞達だけでなく団員達を襲う。


「「鬼曼珠!!」」

「治師手!!」


 古貞と緋恋は刀と剣から炎を放ち、水着姿の聖華は光る手の平を向けてハチ達を消していくが団員達は逃げまわり、毒針に刺されてやられている。

 普通のハチとは違うひどい毒で、やられた団員達は倒れ、醜く腫れていた。毒で即死する者や苦しんでいる者がおり、地獄のようになった。


「ハチをなんとかして団員達を助けねえと!! 聖華!! 頼む!!」

「はい!!」


 少年の指示で聖華は戦闘から抜け、団員達のところへ駆け寄る。


「治師手!!」


 手の平から光を放ち、ハチ達を浄化し苦しんでいる味方から毒を消して治していく。団員達の腫れは治り立ちあがるが、ハチ達は猛威を振るう。


「悩殺ダイナマイト!!」


 美惑は水着を脱いで、いやらしいポーズをとってピンクの光を放ち、光を浴びたハチ達は爆発し消滅した。


「台馬風!!」


 鮎美は両手を広げて回転し突風を起こしてふきとばし、ハチ達は風に耐えられず散った。二人の攻撃でハチは全滅した。


「ハチがいなくても使い魔がいる!! やれ!!」


 ハチを召喚した二体は目から光線を発射し、五体は目から銃弾を連射した。光線と銃弾で地面がふっとび、古貞達は爆発や攻撃をかわして散開した。


「くらえ!!」


 空中へ逃げた絵亜郎は両方の弓を構えて無数の光の矢を放つ。使い魔達は自分の体を壁にして夢馬を守った。光の矢があまりきいておらず銃弾と光線で絵亜郎を攻撃する。彼は空中を自由に飛んでかわしていく。


「無秒速砕!!」


 鮎美は速い拳、緋恋は剣、雪達は槍ですべての敵を攻撃する。しかし使い魔達は液体のような体であまりきいていない。それでも意味がない攻撃を続ける。


「使い魔達を倒すのは難しいぞ!! そいつらはおれのハーレム要員だ!!」


 苦戦している鮎美達を見て夢馬は笑う。容姿関係なく従う使い魔達は彼にとって理想で自慢の手下だった。


「あの姿じゃ相手をしてくれるのは使い魔しかいねえよな!!」


 古貞はバカにして笑い、夢馬に斬りかかる。味方が使い魔達の相手をしているので夢馬を狙う。


「くっ!!」


 夢馬は慌ててランスで刀を防ぐ。


「ほざけ!! クラウンから聞いたぞ!! お前も太っていたそうだな!! しかもおれのような能力がなくて寂しい負け犬人生!!」


 クラウンの情報で少年のことを知っており見下して、ランスに力をいれる。


「おめえみてえな犯罪者とは違うし、やせてる!! 今のおめえは勝ち組の皮をかぶった負け犬以下だろ!!」


 デブの頃はクソのような人生だったが夢馬の人生をうらやましいとは思っていない。


「自分の能力でいい思いをして、なにが悪い!? 他人がどうなっても、おれが幸せなら、それでいいんだよ!!」


 彼は少年以上にひどい人生で心が腐って歪んでおり、どうにもならない。強靭な心がなかった古貞の成れの果てのようなものだった。


「電魔!!」


 ランスに電気をまとってドリルのように回転させた。


「くっ!!」


 電気が流れたので古貞は離れた。


「電魔血尾!!」


 すかさず、まとっている電気を光線のように放った。


「破紋邪!!」


 少年は刀を光らせて光線をかわし、夢馬に向かっていく。


「かっこよく死なせてやる!!」

「無様に死ね!!」


 古貞はかっこよく刀を振り、夢馬は一瞬醜い素顔になってランスで突く。ランスは少年に当たり、夢馬は斬れた。


「宮ちゃんのおかげで軽傷だ!!」


 先端が浅く刺さっただけで我慢できるダメージだった。


「おおっ!!」


 夢馬のダメージは大きく傷が光っており、彼はランスをはなし落とした。


「し、死んでたまるか!! バラ色の人生になったのに!!」


 光が強くなって大きくなっていき、夢馬は慌てており消滅しないように耐えている。彼の体は歪み、顔の半分が醜くなり、またイケメンになるなど不安定になっていた。


「潔く死ねばかっこいいのに」


 醜く生きようとしている敵を見て気分が悪くなった。イケメンが台なしになるほどの顔や涙と鼻水とよだれをまき散らしている本当の顔がとても気持ち悪い。


「うわあああ!!」


 耐えられなくなった夢馬は完全に本当の姿になり、光が大きくなって体を消していく。そして淫魔団の醜い団長 夢馬は跡形もなく消滅した。


「やったぜ」


 強敵を倒したが古貞はあまり喜んでいなかった。夢馬が他人のように思えず自分を斬ったような気分だった。さゆりと出会って力を得た少年が夢馬のようになっていたかもしれない。

 しかし古貞は力を正しく使おうとするタイプで力におぼれて腐った夢馬とは違い、彼のようにはならないだろう。

 夢馬を倒したので、あとは使い魔達を倒すだけだ。主が死んでも使い魔達は死んでおらず暴れており、鮎美達は苦戦している。


「破紋邪!!」


 古貞は刀を光らせて一振りで、すべての使い魔を斬った。魔を滅ぼす光によって使い魔達の体は溶けて消滅した。


「終わった」


 使い魔達がいなくなったので鮎美達は安心した。


「これで淫魔団の団長はいなくなった」


 戦闘が終わり、少年は刀を鞘にいれた。夢馬の襲撃を受けたが、回復能力が使える聖華の活躍で死傷者は少なかった。


 ◇


 夢馬を倒した後。聖華の回復能力と宮の体力回復能力で連合団は万全な状態になり、淫魔団の基地へ向かっている。

 活躍した古貞達は後衛で休んでおり前衛は鈴菓率いるゴブリン団だった。


「基地のやつらに敗北を教えてやる」


 美惑は本来の服装であるピンクのすけている着物姿で裸足に黒塗りの高下駄を履いていた。そして自分の姿を空中に大きく映した。


「坂場がいるわ!!」

「陰木団長はやられたのか!?」


 巨人のような美惑を見て基地の淫魔達は夢馬の死を知り、激しく動揺している。ほとんどの淫魔は逃げ、抵抗する者は少なく、ヤケになって空中を飛び連合団に近づく。


「攻撃準備!!」


 鈴菓達は止まり、手に石を出現させて構えた。彼女の石を生みだす能力で味方にも石を与えた。


「攻撃!!」


 淫魔達の空中攻撃と同時に石を投げる。石が命中し地面に落ちて死んだ者は少なく、かわしている者が多い。

 空が飛べないゴブリン団は不利だが絵亜郎が飛んできた。彼は両方の弓を構えて無数の光の矢を放つ。淫魔達は矢をかわしながら攻撃しており絵亜郎より空中戦に優れている。


「私の攻撃は光の矢だけじゃないぞ!!」


 片方の弓から風の矢を一発放った。光の矢より速く、敵はかわすことができず貫かれ、風の矢はそのまま他の淫魔達を貫いていく。

 逃げてもかわしても方向を変えて敵を追う。そして風の矢は竜巻のように旋回し、風を起こして淫魔達を切り刻む。


「連射ができない分、強力な性能の矢だ!!」


 絵亜郎の攻撃で空中の敵は全滅し死体などが雨のように降ってきた。


「ゴブリン団、合体!!」


 鈴菓と五人のゴブリンがくっついて、ひとつになり巨大なゴブリンになった。敵がいないので、まっすぐ基地へ進み、防壁を破壊した。

 そして巨大ゴブリンは手に岩を出現させて投げ、巨大テントの一部を壊した。戦うことも逃げることもしなかった淫魔達はすぐに降伏した。


「古貞達のおかげで圧勝だ」


 被害が少ない勝利をしたので絵亜郎は喜んだ。パーティー会場がなくなり夢馬が死んだことで淫魔団の戦意はほとんどなく簡単に勝てた。

 淫魔団との戦闘が終わると基地から自惚れの盾の破片が飛びだした。


「あれは!!」


 飛んでいる絵亜郎は驚き、彼の横を通過して飛んでいき、後衛に置いてある鏡部分がない盾にはまった。あと四つの破片があれば自惚れの盾は直る。


「グランパーティーより面白いものを観たぜ」


 淫魔団の基地近くの安全な場所に姿を消しているクラウンがいた。味方の敗北すら彼にとっては楽しいことで笑っている。


「このことを幼仲に報告しよう。もっと面白くなるぞ」


 主への報告というより、かき乱すための報告をするためにクラウンは転送装置があるドワーフ団の基地へ向かう。

 今回の勝利はゴブリン団に勝利した以上で沼束全体に広がっていく。



 

 淫魔団に勝利したが、まだまだ幼仲には遠い。古貞達を応援してください。

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