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第16話 戦場パーティー

 パーティー会場での戦闘回。厨房でも戦闘があり、シリアスとギャグがある。

 雪達がいないのは痛いが厨房へいくことができないので三人でなんとかする。


「やれー!!」


 夢馬が命令すると淫魔達は炎を放った。古貞達は炎をかわし今の姿で戦う。


「このひどいパーティーをぶっつぶすことができる!!」


 緋恋はパーティー会場を破壊するように剣を振る。女体盛りの美女達を避け、テーブルなどを斬り、斬った物を投げる。

 しかし淫魔達は動きが速く、緋恋の攻撃をあざ笑うようにかわしており、ゴブリン達より減らすのが難しい。獣人の緋恋はオオカミの耳の聴覚と嗅覚ぐらいしかない。

 淫魔達は力が強い緋恋に近づかないようにし遠くから炎で攻撃する。


「こんなもの!!」


 火傷を負っても再生能力で治しながら進み、小さなハチを相手にしているように剣を振りまわす。

 鮎美は敵の動きに対応しており、パンチとキックで攻撃しているが、空気のような相手であまりきいていない。


「無秒速砕!!」


 豪地を倒した速いパンチをくらっても、あまりきいておらず笑みを浮かべていた。頑丈ではないやわらかい相手なのでダメージが低い。

 淫魔の鮎美は姿だけの無能力者なので、いつもと同じ戦い方しかできない。


「鮎美!! おれの力をやる!! 鬼曼珠!!」


 淫魔の古貞は刀にまとった炎を鮎美の淫紋へ送った。


「お腹が熱い!」


 腹部の淫紋が熱を放って赤く光る。そして彼女は古貞から送られた炎を両拳にまとった。淫魔の古貞は淫紋がある者に自分のエネルギーなどを与えて強化することができる。

 鮎美は炎の拳で敵を殴っていき、燃やして消滅させていく。淫魔達は遠くから炎を放つが鮎美は両手の炎を広げて攻撃を防いだ。彼女は古貞の炎をうまく使いこなしていた。

 敵達は羽で上へ飛んで逃げる。鮎美も淫魔だが小さな羽は飾りで飛ぶことができない。


「中途半端に飛べる敵は好都合だわ。滞空天!!」


 彼女は両脚に力をいれて高く跳び、両手を広げて回転した。空にいる敵達を降下しながら切っていく。天井があるので淫魔達は高く自由に飛ぶことができず鮎美のジャンプ力なら届き、滞空術の範囲だった。

 切れた敵達は落ちていき、少女は着地し再び両脚に力をいれる。


滞空烈たいくうれつ!!」


 高く跳び、今度は両手を広げずに回転し飛んでいない淫魔に向かっていき、両足で蹴りとばした。

 そして着地し、近くのテーブルにのった。逆立ちをして脚を振りまわし、集まってくる敵達を蹴って翻弄する。


「聖華!! 今助けるぞ!!」


 戦闘になっても無反応の聖華を心配し少年は舞台へ向かう。淫魔達が邪魔をするが斬って進む。


「奴隷淫紋!!」


 両目から黒いハートを放ち、二人の女淫魔の腹部に命中した。腹部に黒いハートの淫紋ができ、淫紋からエネルギーが出て古貞に集まっていく。


「力が抜けていく!!」


 鮎美に力を与えた少年は敵のエネルギーで元気になり、女淫魔達は動けなくなって斬られた。

 邪魔をする者達を倒し、古貞はジャンプをして舞台にあがった。やばいと判断し、飯子とクッスパイ、木琳は逃げる。


「聖華!!」

「んん~!!」


 少年が聖華に駆け寄ると宮は首を激しく横に振った。


「その子は!」


 夢馬は美惑の背後に回り口をふさいで悪い笑みを浮かべた。


「聖華!! だいじょうぶか!?」


 少年の声に反応し彼女は顔をあげた。両目にピンクのハートが浮かんでおり、コピーと同じ悪人面だった。正気じゃない顔なので古貞は慌てて離れるが聖華は能力封じの手錠を外し、水着の尻部分から毒々しい色のナイフを出して素早く古貞の腹部を刺した。


「ぐはっ!!」


 口から血が出そうになり元の姿に戻ってしまった。淫魔の能力がなくなり、鮎美と緋恋の淫紋が消えてしまった。


「この裏切り者」


 聖華は耳もとで冷たく囁き、ナイフを抜いた。傷からおびただしい量の血が流れ、手で押さえて片膝をついた。


「聖華……!」


 彼女は邪悪な顔で少年を見下ろしている。宮は絶望の表情を浮かべて少年を見ており、夢馬は美惑の首を舐めて笑っていた。鮎美と緋恋は刺された古貞を見て驚いていた。


「聖華さん!! なんてことを!!」


 鮎美は少年を刺した仲間を非難した。裏切り者の古貞を攻撃するのは分かるが、彼女がこのようなことをするのが信じられなかった。


「今だ!!」


 淫魔達は冷凍光線でスキだらけの鮎美を攻撃した。鮎美は炎を使うことができず淫魔から紫のレオタード姿になり凍りついた。きれいな体つきなので美しい氷像になった。


「鮎美!!」


 やられた仲間の心配をしていると淫魔達がナイフやフォークを投げた。


「うぐう!!」


 全身に刺さり、彼女は元の姿に戻ってしまった。戦えるのが緋恋だけとなり淫魔達は彼女を包囲していく。古貞達の状況は絶望的だった。


 ◇


 古貞達がピンチの時、厨房でも動きがあった。


「パーティー会場に敵が出た!! 冷凍倉庫に閉じこめたやつも敵の仲間だから調理するぞ!!」

「「「ウィーシェフ!!」」」


 報告を聞いたドワーフの料理長はミートハンマーを持ち、料理人達は包丁などを持った。


「ばれてしまったら暴れるしかないな」


 話を聞いていた雪達は元の姿に戻り、背中の槍を持ち、敵が開ける前に扉を壊して出た。


「活きのいい食材だ!! 調理してしまえ!!」

「「「ウィーシェフ!!」」」


 料理長の命令で料理人達が襲いかかる。


「僕が調理してやる!!」


 雪達は槍を振りまわし、くる敵を叩いてふっとばす。一人目は洗った食器にぶつかり、二人目は寸胴鍋をひっくり返して熱いスープを浴び、三人目はフライヤーに落ちて揚げ物になった。


「うまい!! これもうまい!!」


 余裕があり、料理を食べながら戦っている。厨房で暴れまわっていると雪達の体に食べ物がくっついていく。氷が指などにくっつくのと同じだ。

 頭にロブスター、胸部にステーキ、腹部にソーセージ、背中に鯛、股間にカニ、尻に半分のメロン、両腕にフライドチキン、両脚にハムがくっついていた。

 雪達の体は冷たく鮮度を保っており、邪魔になっておらず腕にくっついているフライドチキンにかぶりついて少し休む。


「卵爆弾を投げろ!!」

「「「ウィーシェフ!!」」」


 料理長の命令で料理人達は卵を投げた。雪達に当たって割れると中からコショウや粉末の唐辛子が出てきて目と鼻を刺激する。


「グシュン!! ブシュン!! 目が!!」


 くしゃみが止まらず目が痛くて見えなくなった。敵達はさらに卵爆弾を投げる。砂糖や塩などが出てきて少年に味をつける。


「僕に味をつけるな!! この!!」


 雪達は槍を振りまわして暴れ、厨房を破壊していき、ケチャップやマヨネーズなどを浴び、うまそうになっていく。まともに戦うと危険なので敵達は逃げまわっている。

 古貞達のピンチを知らない雪達は厨房で善戦していた。

 


 古貞を刺した聖華。雪達以外ピンチ。

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