第21話 聖女のお礼
聖華のお礼回。
◇
次の日の昼。古貞は第三基地の部屋の自動ドアをノックした。ほとんど空き部屋になっているが又座書店の方がいいので移る気などない。
「どうぞ」
「失礼します」
聞き覚えがある女性の声だったので自動ドアを開けて中へ入った。
「ようこそ、古貞さん」
聖華がおり、優しく微笑んだ。彼女はポニーテールで赤いレオタード姿の裸足になっており座って、なにかの作業をしていた。
鮎美や石榴ほど親しくないので距離感などが分からず話しにくく自動ドアの前で立っていた。
「なにやってんだ?」
いつも通りに話し、テーブルを見た。
「聖女の雫を完全にするバイトです」
テーブルには、たくさんの聖女の雫があり、その中のひとつを見せた。下にもたくさんの聖女の雫が入ったダンボールがあり、奥には聖女の雫が入ったきれいな箱が積まれていた。
「聖女の雫を完全にするバイト?」
「このように聖女の雫に私の力を与えることです」
聖華は両手で聖女の雫を包んで軽く祈った。両手が一瞬光り、前より輝いている聖女の雫をきれいな箱の中に入れた。
「これで完全な聖女の雫になりました」
彼女の仕事は聖女の雫に自分の解毒と浄化の力を付与することだった。
「これも聖女の仕事で母がよく送ってきます。このアイテムがないと困る人がいて私のお小遣いにもなりますので重要なバイトです」
高価なアイテムの仕上げをしていてすごかったが、お小遣いと聞いて普通の少女にも見え、親近感が湧いた。
聖女でも自分達とあまり変わらなかった。
(あれのおかげで勝てたな)
あるかないかで大きく変わる高価なアイテムでアネモウネとの闘いで役に立った。
「第二基地の指揮官が母親だったな。今回のことで基地を移ることにはならなかったのか?」
聖華は石榴より優秀で引く手あまたなのに移る動きがなく問題があった基地にいる。
「あの男を見抜けずにここに送った母にも責任がありますので、私はその責任をとるために、ここにいます。これは母も許可しました」
責任を感じている真剣な表情で自分の意思でここにいた。彼女の母親も責任を感じており、我が子を強引に移すようなことはしなかった。
今までの上流階級よりマシで本当の上流階級と思い、感心した。
「それで、おれを呼んだ理由は?」
彼がここにきたのは朝の仕事中、聖華にくるよう言われたからだ。
「助けてくれたお礼をするために呼びました」
どこまでも明るく優しい笑みを浮かべた。電太から助けてくれたお礼をするために彼を部屋に呼んだ。
「お礼って、なんだよ?」
聖女のお礼に興味があり遠慮がなかった。
「殿方が好むマッサージです」
両手を合わせて微笑む。
「マッサージ」
石榴のマッサージを思いだしてしまった。お礼がかぶっているが、聖女のマッサージなので残念とは思っていない。
「ここのところ古貞さんの仕事が多いので心を癒すマッサージをしようと思いまして」
細川指揮官の嫌がらせは鮎美や石榴、聖華がカバーしてくれることもあり古貞への負担は少なく、あまり疲れていない。
「いいのかよ? 聖女がおれなんかをマッサージして? 今はこんなだけど元デブだぜ?」
石榴とは違うので少し抵抗があった。
「恩人がどのような人物でも関係ありません。古貞さんのことは家の力で調べました」
聖華は家の力を使って少年のことを詳しく調べていたので、いろいろ知っていた。
「いろいろ辛いことがあったでしょう。ですから古貞さんには幸福になる権利がありますので、その手助けをします」
真剣かつ善意を押しつける圧がなく彼が自ら進むように、やわらかく迎えている感じだった。
「それじゃあ、たのんまい」
断る理由がなく、うれしいのでマッサージを受けることにした。
「では、こちらに」
聖華は喜び、椅子を動かして自分の太ももを軽く叩いた。
「えっ!?」
きれいな太ももを見て少年は判断力がにぶってしまった。
「マッサージだよな?」
「そうですよ。ここでマッサージをします」
優しい笑みを浮かべているが圧を感じる。
「そうか。それじゃあ失礼」
逆らうと怖い感じなので古貞は彼女に近づき、背中を向けて太ももに座った。やわらかい太ももは極上の座り心地だった。
「重くねえか?」
古貞は太ももの座り心地よりも彼女の心配をした。
「ぜんぜん重くないですよ」
聖華はのせ方がうまく、重さを感じておらず微笑んでいた。
「それでは……」
彼女は乳房で少年の頭を固定し両手で脚を開いた。
「うおっ!?」
恥ずかしい格好になったが、やわらかい乳房が判断力をにぶらせて頭を固定しており動けなかった。
「いきます」
聖華は古貞の股間に両手を伸ばし、周りを優しくなでて揉む。
「ふあああ!」
じらすような手つきでいじり、快感を与える。股間に快感が集まっているが、生殺しのような気持ちよさで股間は膨らんでおらず、もどかしかった。
「はあああ!!」
古貞は悶えており、気持ちよさで白目をむき、よだれをたらし、マヌケ面を晒す。
「どうですか、私のマッサージは?」
悶えている少年を見て嗜虐的な笑みを浮かべて興奮している。その表情はコピー聖華よりはマシだが恐怖を感じた。
石榴と違って慣れており、何度も経験がある手つきだった。とても感じており両手は動かず股も閉じることができず乳房が支えているので落ちることもない。
「くう!!」
このままだと頭がやばいので古貞は歯をくいしばり、脂汗を流して耐える。
「次はこれを」
聖華は箱から聖女の雫をひとつ取って、素早くズボンの中に入れ睾丸につけた。
「おおおう!!」
睾丸に聖女の雫をつけられ、少年は変な気分になった。
「これは親愛の証です」
少女は笑みを浮かべ、聖女の雫を指でいじって耳もとで囁く。冷たい恐怖を感じ、睾丸が縮みそうになった。
「さあ、そろそろ終わりにしましょう」
股間の周りを強くなでて揉んでいく。
「ふへえええ!!」
強くなったことで、さらに気持ちよくなり、だらしなく舌を出して頭がおかしくなりそうだった。
「くっは!! 聖華!!」
「ふふ。我慢しないでください」
聖華は微笑み、耳もとで囁いて、とどめをさす。
「ひくううう!!」
もどかしい快感が爆発し少年の体は震えた。失神しそうになり、両目に光がなく脱力している。そんな少年を見て聖華は満足していた。
「どうでした? 私のマッサージは?」
妖艶な笑みを浮かべて聞く。
「ああ……最高に気持ちよかったぜ……」
石榴のマッサージとは違う快感でストレスなどがふっとび、どうでもよくなっていた。
「それはよかった。このまま休んでください」
石榴のマッサージは疲れをとるもので聖華のマッサージは快感を与えるものなので古貞は疲れていて体がだるかった。
マッサージが終わっても彼女は少年をどかすようなことはせず微笑んで頭をなでた。古貞は母性を感じ、甘えて眠りそうになった。
仲間達のおかげで古貞は細川指揮官の嫌がらせを乗り越えていく。
今の古貞は優秀な仲間達とともに仕事をしている。
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