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第18話 新グループ

 基地奪還から三日後、新グループで初任務。

 ◇


 基地奪還から三日後。古貞と鮎美、石榴、聖華は女体魚アクアリウムにいた。


「ここで仕事かあ。上馬には海がないから思いっきり泳げる!!」


 石榴は女体魚アクアリウムをプールと思っており、はしゃいだ。


「遊びじゃなくて仕事だよ、石榴さん」


 鮎美は少し笑って呆れていた。四人の仕事は女体魚アクアリウムの手伝いだ。今、基地は事後処理で大変だが、活躍した四人は気楽な仕事をしている。


「よくきてくれた」


 黒い水着姿の月夜が妖艶な笑みを浮かべながらきた。


「「「「今日はよろしくお願いします!!」」」」


 四人は仕事を教えてくれる先輩に頭をさげた。


「よろしく。はい、これ仕事着」


 月夜は三人の少女に水着を渡した。石榴は色鮮やかなグッピーのようなビキニ。鮎美はベタのような青いハイレグ競泳水着。聖華はエンゼルフィッシュのような美しいビキニだった。


「きれいな水着。これ着て泳いだら熱帯魚だね」


 石榴は水着を見て喜び、水着になることに抵抗はなかった。


「水着になるのか。少し恥ずかしいけど仕事だからしょうがないわね」


 鮎美は少し抵抗があり頬を赤くして古貞を見た。管子の毒攻撃の後遺症などはなく水に入ることはできる。


「水着姿になる仕事は何度かありました」


 聖華はこの仕事を楽しんでいた。新しい仲間達との仕事で嫌なことを忘れようとしている。

 水着をもらっていない古貞は楽しそうにしている少女達の中に入らず別のことを考えていて仕事に集中していなかった。


(ラボにいた女はご領主様だった。ご領主様が悪党達を支援していたとは。しかも風呂の幻にいた)


 領主が悪党達のスポンサーで茶釜屋敷の風呂で見た幻にいたので頭がおかしくなりそうだった。


(だれかに言うか。いや、だれも信じねえだろうな。今は黙っていた方がいい)


 相手は領主で彼女を見たのは彼だけで証拠がない。下級団員の少年がなにをほざいても周りは信じず、情報操作などで簡単につぶされてしまうだろう。今は忘れて仕事に集中することにした。


「それじゃあ着替えよう」


 石榴がその場で団員服を脱ごうとしている。


「ちょっと待て」


 少年の声に反応し石榴は脱ぐのをやめた。


「ただ着替えるのはもったいねえからジャンケンで負けたら一枚脱ぐのはどうだ?」


 服を脱ぐ美少女が三人いるので、とんでもないことを提案した。


「オカイコ、エロオヤジみたい。でも面白そう」

「負けて服を脱ぐって、なんかいやらしいな」

「聞いたことはありますが、やったことがないのでやってみたいです」


 石榴はやる気があり、鮎美は恥ずかしがっており、聖華は興味があった。


「それ、いいわね。準備するわ」


 月夜は動画などの撮影準備をする。


「じゃあ私とシノッチの勝負だ」


 鮎美を脱がす気満々で石榴は張りきっている。古貞はこれから始まることに期待していたが、それを見ることはできなかった。


「岡井 古貞がいたわ!!」


 突然、二人の中年女性が現れて近づいてきた。上流階級の嫌な女性という感じだった。


「だれだよ、これからいいことが始まるのに」


 邪魔が入ったので古貞は不機嫌になり二人の中年女性を見た。


「岡井 古貞!! 私達の子供の仇!!」


 二人の中年女性は怒っており少年を睨んでいた。


「子供って、おれは子供を殺したことなんてねえぞ。おばさん達、だれだよ?」


 子供を殺したことがないので中年女性達の言っていることが分からなかった。


「私は英士の母!!」

「私は勇奈の母!!」


 二人が英士と勇奈の母と知って古貞は納得した。


「庶民の分際で私達の子供を殺した岡井 古貞!! 貴様のせいで跡継ぎがいなくなってしまった!! その罪は重く死んで責任をとりなさい!!」


 英士の母親は偉そうに少年を指さして責める。二人は内藤家と岸家の当主でもあり英士と勇奈の仇をうちにきた。

 子供を殺されたというより跡継ぎを殺されたとしか思っていない。しょせん英士と勇奈は家の道具だった。


「なんで、おれが死ななきゃいけねえんだ? やつらは裏切ったんだぞ。悪党に魂を売ったやつらを殺すのは当然のこと」


 間違ったことはしていないので言い返す。正確には古貞が殺したというより仲間割れで死んだ。


「うるさい!! とにかく貴様のせいで跡継ぎが死んだんだ!!」


 なにもかも彼が悪いと思っており、やめる気などなかった。上流階級は理不尽で庶民を殺してもいいと思っている者は多い。

 領主のこともあり古貞は死ぬ気などなく抵抗する気で刀を抜こうとしたが聖華が前に出た。いつもの優しい表情のようで冷たさと圧がある。


「古貞さんは私を助けるためにあなた達の子供を殺したのです。あの二人は私や多くの団員をだまして裏切った、悪人よりもタチが悪い外道。生かしておくことなどできません」


 聖華は古貞を庇った。助けてもらった恩返しと少年を責める二人が許せなかったので心と体が動いた。


「いくら綿姫家でも私達の邪魔をすれば家に迷惑がかかるわよ!!」


 聖華が出てくるとは思っていなかった二人は少し勢いが弱くなった。


「跡継ぎと信用を失ったあなた達の家なんて怖くありません」


 自分の家より格下なので微笑んで挑発した。聖華も貴族なので見下しているが品格や顔がいいので嫌な感じがなかった。


「もういい!! 貴様も殺してやる!!」


 格上の相手に怒り、邪魔をする聖華も殺すことにした。


「出番よ!!」


 英士の母の大声とともに周りから見覚えがある団員達が現れた。


「無頼党!!」


 黒い目指し帽と黒い革ジャン姿の団員達。殺し屋ギルド 無頼党高山奇支部の団員達だ。


「貴様を殺すために雇ったのよ!!」


 正規の部下達はつれてきておらず金を払えば荒っぽいことをやってくれる無頼党をつれてきていた。


「古貞と聖華だけでなく他のやつらも殺せ!! 電太の残党がやったことにすれば問題ないわ!!」


 目撃者を残さず関係ない人達まで殺すつもりだった。


「やれ!!」


 英士の母の命令で団員達は五人に襲いかかる。しかしザコばかりなので古貞達の相手にならず簡単にやられていく。

 あまり本気を出さず軽い攻撃で体力を節約している。


「なっ!?」


 圧倒的な強さとやられて消える団員達を見て余裕がなくなり恐怖を感じている。相手の強さを知らずにしかけたので浅はかだった。

 団員達はすべて消滅し古貞達は余裕で立っていた。もうなにもない英士と勇奈の母は絶望の表情を浮かべて震えていた。


「今度はおめえらがくるのか?」

「うわあああ!!」

「ひいいい!!」


 少年が睨むと二人は逃げた。古貞達が怪物に見えているようで走り慣れていない足で必死に走っている。


「あいつら、もうこねえよな?」

「そうですね。私達に挑む勇気と力はもうないでしょう」


 英士の母と勇奈の母を撃退したので古貞達は仕事をする。ジャンケンは盛りあがり、水着がない古貞は股間にレイアウトの葉っぱ一枚をつけた。

 月夜は水着美少女達の写真や動画を撮り、石榴達は熱帯魚のように泳ぐ仕事をした。


 ちなみに内藤家と岸家は対立している周りの貴族が乗っ取り、英士の母と勇奈の母は追放されたので古貞を殺しにくることはもうない。

 ふたつの家は法ではなく権力で理不尽に滅ぼされた。


 

 主人公の古貞、格闘戦が得意な鮎美、汎用性がある石榴、回復役の聖華。高山奇第三基地最強のグループ誕生。

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