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第14話 怪物の助手

 英士と勇奈は小ボス。管子と美花は中ボス。

 ◇


 巨大な培養カプセルがたくさんある研究室。中には培養液につかっている大小の豚人類がおり、ここは豚人類を量産する部屋だった。

 美花は電太の命令でこの部屋にきて敵を迎え撃とうとしている。しかし彼女は少しおかしくなっていた。

 電太への忠誠心はあるが頭の奥底から知らない記憶が出ているので、それを消している。美花の過去の記憶で天才の電太でも完全に消すことができず、たまにこうなる。

 思いだしても電太への忠誠心が勝っているので気にしていない。過去の記憶を消しながら正常に戻っている彼女は管子のことを思いだす。

 やられたことは知っており、どうでもいいと思っていたが心の奥底では彼女の死をうらやましがっていた。


「なにを考えているんだ、私は!」


 首を左右に振って余計なことを消す。そしてローディング状態から忠実な助手に戻った。敵を迎え撃つ彼女は足音に気づき、古貞が部屋に入ってきた。


「この部屋は?」


 古貞は周りを見て驚いた。


「あの豚どもだ!! そういえば電太が作って蝋燭女王に与えたもんだったな」


 蝋燭女王の話を思いだし、立っている女性を見た。


「次はあんたが相手か?」


 少年は刀を抜いて構える。


「ええ。管子はあんたの仲間の鮎美にやられたわ」

「鮎美がここにきてんのか!? 敵をひとり倒すなんて、やるじゃねえか!」


 彼女がきていることに驚き、仲間の勝利を知って喜んだ。


「喜んでいられるのも今のうちだ。あんたはここで死ぬ」


 美花が不気味な笑みを浮かべると体が大きくなって服は破れ、肌が緑色になっていく。顔は美しいまま、一回り大きく、たくましい筋肉質な体になった。

 服は破けたがゴブリンマスクの新しい体と同じ特殊素材の白いビキニは破けていなかった。


「変身しやがった!!」


 驚く少年を見て美花は体に力をいれて筋肉を見せる。


「私の体は転生劇薬とさまざまなドーピングによって強化されているのよ!!」


 管子は毒の実験台で毒の能力者。美花はドーピングなどの実験台で強化された体の塊だった。


「私だけじゃないわよ!!」


 彼女がウインクをすると完全な豚人類達がカプセルを壊した。培養液が流れ、六体の豚人類が出てきて美花の両側に並んだ。


「二対一の次は七対一かよ!!」


 英士と勇奈より数は多いが豚人類はザコなので簡単に倒せる。


「いくわよ!!」


 美花達は襲いかかり、古貞も向かっていく。倒しやすいザコから消そうと豚人類に斬りかかる。しかし美花が壁となり刀を体で受けとめた。


(かてえ!!)


 敵のかたさに驚き、離れると豚人類が殴りかかってきた。かわして斬ろうとするが美花が殴って妨害する。

 少年はかわし美花を見た。豚人類達を庇いながら戦っているようだった。ザコを減らさず数で攻めようとしている。


「ザコは後だ!!」


 強敵を倒してから、うるさいザコを片づけようと美花に斬りかかる。強化された緑色の筋肉は頑丈で傷がつかなかった。

 そして彼女は古貞を攻撃する。ゴブリンマスクより速く力が強くて攻撃をかわすのは大変だった。


「追風乗!!」


 刀の峰から風を放ち、鋭く振って彼女の片腕を切断した。しかし美花は痛みを感じていないようで切断されたところから無数の糸を出した。

 無数の糸で切断された片腕を拾い、くっつけて縫合した。片腕は灰色になり不気味だが、ちゃんと動いている。


「再生できるのか!?」


 彼女の能力を見て驚き、灰色の拳をくらってしまった。威力が落ちており、なんとか耐えるも豚人類達が攻撃してくる。

 攻撃に耐えて反撃をしても美花が邪魔をし、また豚人類達が攻撃をするので古貞は押されていく。

 英士と勇奈よりチームワークがあるというより豚人類達が駒のように動いている感じだった。


「ちょっとやべえな!」


 ピンチになっている古貞。その時、豚人類達がふっとんだ。


「ハ~イ、古貞」


 片手がツルのアネモウネが気持ち悪い笑みを浮かべて立っていた。


「敵が増えた!!」


 古貞は新たな敵に斬りかかる。


「ちょっと待って!! 私を痛めつけるのはプライベートの時にして!! 私は加勢にきたのよ!!」


 戦意が消えたことに気づき、刀を止めた。少し信頼し話をすることにした。


「石榴がいたはず」

「スキをついて逃げてきたのよ。あんたが悲しむから、あの子に攻撃なんてしていないわ」


 古貞を倒した女だけあって石榴のスキをついて逃げ、ここまできた。


「多勢に無勢なようだから一緒に戦うわ」


 少年はアネモウネと美花を交互に見た。


「ザコブタどもを頼む」


 今のままではまずいので共闘することにした。


「任せなさい」


 アネモウネは共闘がうれしく、悪い笑みを浮かべて舌なめずりをした。敵が増えても関係なく美花と豚人類達は二人に襲いかかる。


「風ノコ!!」


 古貞は刀に風をまとって回し美花の相手をし、アネモウネはツルを振って豚人類達の相手をする。

 長いツルの広範囲攻撃で豚人類達は彼女に近づくことができず叩かれている。アネモウネのおかげでタイマンができ、美花を斬りまくって頑丈な肉を飛ばしていく。

 美花は肉を失ったところから無数の糸を伸ばして飛ばされた肉を集め、くっつけて縫合する。縫合したところは灰色になり彼女の体はツギハギになっていく。

 いくら再生しても縫合したところは弱く、簡単に斬れ、少年は同じところを集中攻撃し美花は再生している。


「私の養分になりなさい!!」


 アネモウネは胸部の花から蜜を出して五体の豚人類にかけた。醜く溶けていき、胸部の花が液状になっている敵達を吸いこむ。

 無事な豚人類は彼女に殴りかかるが花の口が拳を受けとめた。蜜で溶かしながら飲みこもうとしており敵の抵抗虚しく花の口の中へ消えた。


「豚でもまずいわね」


 顔をしかめて吐きそうになった。


「さて古貞に加勢しないと!!」


 豚人類達を倒したので少年が闘っている美花に挑む。再生すればするほど弱くなっているが休むことなく攻撃しているので押されつつある。


「今、助けるわ!!」


 アネモウネは胸部の花から能力封じの花粉を放った。


「なっ!?」


 花粉を浴びると糸がゆるんで美花の体は崩壊していく。糸も出ないので、くっつけて縫合することもできない。


「ありがとう、アネモウネ!!」


 元敵だが素直に感謝した。


「お礼はあんたの新芽でいいわ」


 少年の股間を見て下劣な笑みを浮かべ、胸部と股間の花から蜜をたらした。彼女を無視し風が激しく回る刀で敵を両断した。

 再生できないので、そのまま死んだが一瞬笑って消滅した。そして光る全裸の美花が現れた。


『ありがとう』


 管子と同じように泣いて喜び古貞の体に入った。


「わっ!?」


 光が入り、自分の体が光ったので少年は驚いた。


「古貞!!」


 アネモウネも驚き、光のせいで古貞に近づくことができず名前を叫ぶことしかできなかった。光が消え、冷静になった古貞は自分の体を見た。


「ダメージがねえ!? それと力があふれている!!」


 英士と勇奈との戦いで受けたダメージや先ほどの戦いでのダメージや体力の消耗が消え、前より強いエネルギーが体内をかけめぐっている。

 管子と同じように解放された美花の魂が古貞を回復させ、転生劇薬の力を与えて体の内側を強化した。


「おおおう!」


 同時に気分が悪くなり、吐きそうになって舌を出した。


「だいじょうぶ!?」


 アネモウネは心配し駆け寄った。


「あ、ああ。それより頼みがある」

「なに?」

「ここに鮎美がいるから助けてやってくれ。おれはこのまま進む」


 気分が悪く鮎美を捜す余裕がないのでアネモウネに頼るしかなかった。


「分かったわ。あんたは安心していきなさい」


 いつもと違い、アネモウネは真剣な表情だった。美花に勝つことができたので、もう彼女は敵ではない。


「ああ。頼むぜ」


 古貞は刀を鞘にいれ、気持ちが悪いのを我慢して、なんとか移動する。アネモウネは鮎美を捜すために別の道を移動した。


 ◇


 電太がいる研究室。


「美花までやられてしまった。まあいい。あいつらは英士と勇奈と同じ使い捨ての実験ネズミだ」


 彼はデータをとるために今までの戦闘を見ていた。ほとんどの戦力を失ったが、あまり気にしていない。


「おれの最高傑作はこのオペガだ」


 近づいてきたロボットを慈しむようになでる。電太は人間などの生物を実験ネズミとしか思っておらず機械を友のように信頼している。


「それにこいつがいる」


 邪悪な笑みを浮かべると、ひとりの少女が裸足で歩いてきた。暗くて顔が見えない赤レオタード姿の聖華だった。


「こいつなら古貞に勝てる。絶対に負けない!!」


 電太は機械と自分が作ったものしか信じず、絶対の自信と余裕を持っていた。


「さあいって古貞を倒してこい!!」


 聖華は電太に従い無言で移動した。


 元敵との共闘とアネモウネのデバフで勝利。

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