箸休め話 過去を映す機械
百葉という領地の主人公の日常回。女主人公で百合。
和の国 日桜皇国の百葉。海が有名な皇東の領地で中心地 百葉には百葉第五基地がある。その第五基地でちょっとした娯楽が始まろうとしている。
基地の広い休憩室に四人の美少女がおり、机には古い機械があった。
「なんの機械だろうね?」
少女は指で機械をつっついた。背中に届くほどの長い白髪で赤丸ホッペがある可愛らしい少女。
スカートタイプの水色の団員服姿で白い靴下と黒いローファーを履いていた。背が低い幼児体型で細くて軽く健康的だった。
彼女の名前は日陽 光奈。ここの下級団員だ。
「基地の奥にあった古い機械だけど動きそう」
光奈の隣にいる少女は機械を壊さないようになでた。うなじに届くピンクのポニーテールで澄んだ水色の瞳。
白いセーラータイプの団員服姿で黄色いショートパンツを穿いており、白いニーハイソックスと白いスニーカーを履いていた。光奈より少し背が高く、ほぼ同じ体型だった。
彼女の名前は水上 真鈴。ここの下級団員で光奈の親友だ。
「売れば、お金になるかな? みんなのオカズが増える」
椅子に座っている少女は機械を見ている。黒髪のショートで白いバンダナをつけており、クールな感じの中性的な顔。
スカートタイプの黒い団員服姿で白いエプロンをつけており、細い美脚を晒し、裸足でローファーを履いていた。背が低く、色気がある体つきだった。
彼女の名前は須田 星音。ここの下級団員で家事担当だ。
「基地のものを売るのはまずいだろ」
星音の隣に座っている少女も機械を見ていた。赤紫のショートで明るくて、さわやかなかっこいい少女。
スカートタイプの赤い団員服姿で黒いブーツを履いており、胸が大きく、この中では発育がいい。
彼女の名前は古夢 月葉。ここの下級団員で星音の親友だ。
四人は基地の掃除で古い機械を見つけ、掃除が終わった後、休憩室で調べていた。
「あっ! 動いた!」
機械が動き、四人は驚いた。光が出て前の壁に当たり、映像になった。
「映写機かなにかかしら?」
映像は動いており、映画を観ているようだった。
『ここにウンコがある!』
映像は汚い子供が興奮しながら犬のフンを棒でつっついているもので映画にしてはお粗末で下品。
『ウンコ見たら、ションベンしたくなった!』
汚い子供はズボンをずらして排便をしようとしている。
「ちょっとやだ!」
「下品な子供!」
光奈と真鈴は笑いながら観ていた。
「男の子かと思ったけど女の子だ。女の子で野グソって」
星音も少し笑って観ていたが月葉は絶望的な表情を浮かべて、うつむいていた。
「どうしたの、月葉?」
隣に座っている少女を心配し揺すった。
「あれ私」
「「「えっ!?」」」
三人は驚き、映像の子供と月葉を交互に見た。髪の色が同じで面影がある。
「小さい頃、下品なことを言うのが好きでバカなことばっかりやってた」
恥ずかしさを通りこして絶望を味わっており真っ青で、このまま死んでしまいそうな顔だった。
「その……だいじょうぶだよ! 小さい頃って、こんなものだよ!」
「そうそう! もらして泣くよりマシだよ!」
光奈と真鈴はバツが悪く、月葉を励ます。
「これは児童ポルノの機械じゃないよね」
星音が小さい頃の月葉を映している機械を見た瞬間、映像が変わった。
『もうすぐ、ご飯ですよ』
今度は可愛らしい幼女がおもちゃのご飯を作っている映像だった。
「違う映像になった! 小さい頃の月葉さんじゃない!」
二人は映像が変わったことに驚き、映像を観た。
「おままごとをしているようね。この子、だれだろう?」
真鈴は首を傾げた。自分の黒歴史が消えたので月葉は元の表情になったが、星音の顔が赤くなった。
「もしかして星音?」
彼女の顔を見て気づいた。
「うん。私の小さい頃だ」
星音は恥ずかしがっており、映像を観ないようにうつむいた。
「私より断然マシじゃん!!」
黒歴史よりマシなので月葉は怒り、機械を見た。
「どうやら、この機械は近くにいる人の過去を映すもののようだ」
二人の小さい頃の映像を出したので古い機械のことが分かった。この機械は過去の映像を出すもので古いため近くにいる人の過去をランダムに映していた。
『はい。ご飯ができました。どうぞ』
幼い星音がおもちゃの料理を無邪気な笑顔で出した。今では考えられない顔なので月葉は顔を赤くして見とれているが、料理を取ろうとしている手を見て正気に戻った。
「大人の手。お父さんとかと、おままごとをしていたのか?」
「違うよ。ひとりで遊んでいたら知らないおじさんが声をかけてきて、おままごとをしたんだよ」
映像に慣れ、昔を思いだして平然と冷静に言った。
「事案!!」
月葉は大声を出した。
「あの頃は寂しくて気にしていなかったけど、今考えると恐ろしいな。夫婦だから一緒に寝ようと言ってきて昼寝をしたな」
星音は恐怖を感じておらず、しみじみとしており三人は青い顔をしていた。当時の彼女は友達がおらず警戒心がなかった。
「おままごとがお医者さんごっこになる!!」
月葉が大声を出すと映像が変わった。幼女と大人が手をつないでいる映像だった。ちなみに知らないおじさんは逮捕された。
「今度はだれだろう?」
残っているのは光奈と真鈴。髪の色などを見て月葉は気づいた。
「これ私だ」
真鈴は顔を赤くしていた。
「この頃の真鈴ちゃんも可愛い!」
幼い真鈴を見て光奈は喜んでいる。
「ありがとう、光奈ちゃん。それにしても懐かしい」
恥ずかしさと同時に懐かしさを感じていた。
「お父さんと手をつないでいるのか? 微笑ましいな」
「お父さんじゃなくて知らないおじさんだよ」
月葉が和んでいると真鈴がとんでもないことを言った。
「また事案!!」
三人が驚いたので真鈴は説明する。
「知らないおじさんが家まで送るって私の手を握ったんだ。脚や股を触ったりしたから怖かったな」
この時のことを思いだして真鈴は恐怖を感じ、光奈は怖い顔になった。
「真鈴ちゃんにいやらしいことをするなんて! 許せない! そういうのは私がやるんだもん!」
頬を膨らませてむくれた。
「光奈ちゃん」
彼女の言葉で恐怖が薄くなった。
「まあ小さい頃から飛行能力があったから飛んで逃げたんだよね」
幼い真鈴が泣きながら空を飛んでいる映像になった。
「知らないおじさんも飛んでる!!」
手をはなしていないので知らないおじさんも飛んでおり、三人は驚いた。落ちないようにしっかり握っており、涙と鼻水で顔が気持ち悪くなっていた。
「ざまあ!!」
光奈は腹をかかえてメスガキのように笑った。そして彼女が飛んでいる映像から別の映像に変わった。ちなみに真鈴と一緒に空を飛んだ男も逮捕された。
「最後は光奈ちゃんだね」
最後の人物の過去を映す。
「私の過去は、みんなみたいに面白くないよ」
彼女の過去が映っているが、三人と違い、最近のもので基地の冷蔵庫の前に立っていた。
「私達と違うな。冷蔵庫の前でなにやってんだ?」
今までと違う映像なので三人は集中している。
「やば!」
光奈は見ないようにし静かに移動する。映像の光奈は冷蔵庫を開けていた。
『いただきまーす!』
彼女は冷蔵庫のものを食べた。ばれないように少しずつ食べており、巧妙で狡猾だった。
「これって」
「よく食べ物がなくなるのは」
「私が買っておいたオヤツを食べたのも」
三人の表情が怖くなっていき、光奈は急いで逃げ、休憩室から出た。
「待て!! 光奈!!」
三人は怒り、彼女を追う。それと同時に機械は壊れ、映像は消えた。
「あんな機械を見つけなければ!!」
光奈は後悔し、自分の体を光の粒子にして逃げる。三人は彼女を追いかけ、基地は騒がしくなった。
過去を映す機械によって光奈の罪はばれたが、彼女の方が強く、逃げながら三人を返り討ちにしていった。
光奈は自分の体を光の粒子にして機械などに入るレアな光属性の能力者。
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