第7話 パーティー準備
蝋燭女王の館に囚われているのはアネモウネと石榴だけではなかった。
◇
蝋燭女王の館。石榴をさらったゴブリンマスクが帰ってきた。拷問部屋に入ると館の主がおり、お楽しみの最中だった。
「このメスブタ!!」
気持ち悪い嗜虐的な笑みを浮かべて鞭を振る。叩かれているのはアネモウネではなかった。彼女は四つん這いの状態で拘束されており、蝋燭女王を睨んでいた。
「はい!! 私はメスブタです!! こんなに小さくて可愛い女王陛下に可愛がられて私は幸せです!!」
鞭をくらって恍惚の表情を浮かべて喜んでいるのは中年の美女。背中に届くほどの長い黒髪で中年とは思えないほど若々しく肌にツヤがあり、艶ボクロがあって色っぽい。
黒いボンデージ姿で乳房はタレ気味でお腹とお尻が少したるんでいる。三角木馬に乗っており、両手は天井に吊るされ、両足には重りがついていた。
「おかえり、ゴブリンマスク」
帰ってきたゴブリンマスクに気づき、嬲るのをやめた。
「お気に入りの社地子を嬲ってるのか?」
ゴブリンマスクは二人を見て呆れていた。
「ええ。人身売買の処分セールで買った中年だけど、いいメスブタだわ」
彼女を嬲るのが楽しく舌なめずりをして鞭を構える。社地子は小さな会社の社長だったが倒産し莫大な借金ができ、人身売買組織に売られてしまった。
若くないので売れ残ってしまい、売れ残ったら殺される処分セールで蝋燭女王に買われて助かった。性欲をもてあましており、蝋燭女王の責めは甘美なもので、ここでの生活に満足している。
「ところでその娘は?」
蝋燭女王はゴブリンマスクが担いでいる少女を見た。
「おれを倒した古貞と一緒にいた娘だ。ここにつれてきたから鮎美の時と同じようにくるはずだ」
彼は少女の体を揉むように触って邪悪な笑みを浮かべた。鮎美と違い、彼女は少年を誘うエサだった。
「その娘を嬲ってもいい?」
新しいメスブタになりそうな少女なので蝋燭女王は嗜虐的な笑みを浮かべ、鞭を舐めた。
「死なない程度ならいいぞ」
死なない程度に痛めつけるくらいなら問題ないので許可を出した。
「じゃあ、その台に寝かせて拘束して」
彼女はX字の台を指さした。近くに不気味な機械があり、とても重苦しい。
「分かった」
彼女に従い、台に近づいて少女を寝かせ、両手と両足を拘束する。
「ん……」
彼女は最悪なタイミングで目を覚ましてしまった。
「ここは?」
周りを見て起きあがろうとするが両手と両足が動かず起きあがれなかった。
「なにこれ!?」
驚き、慌ててもがく。そしてゴブリンマスクと近づいてくる蝋燭女王を見て恐怖を感じた。
「あんた達、なに!? これを外してよ!!」
抵抗できない石榴は弱々しく睨む。蝋燭女王は機械の近くにおり、楽しそうに笑っている。
「ふふ。そんなことするわけないでしょ。とっても楽しいことをするんだから」
なにをされるのか分からないので石榴はおびえている。
「やめて!!」
逃げることなどできず両手を握り、なにが起きてもいいように体に力をいれる。
「頭を貫くほどの快楽を与えてあげる。ふふふ」
蝋燭女王が機械を素早く操作すると台に電気が流れた。
「あああー!!」
体に電気が流れ、悲鳴をあげる。
「ふふふ」
石榴が悲鳴をあげ、苦しむ姿を見て蝋燭女王は楽しんでいた。ゴブリンマスクは少し同情しているが、止める気などない。
「ああ。いいなあ。私にも電気を流してほしい」
社地子はうらやましがっており、腰を振って三角木馬に股をこすりつけている。
「もっと泣かせてあげる」
蝋燭女王は電気を強くした。先ほどより強い電気が流れ、石榴は一瞬、頭が真っ白になった。
「やめて!! 許して!! 許してください!!」
のけぞって首を激しく横に振り、許しを乞う。そんな姿を見て蝋燭女王は醜い笑みを浮かべている。
「このままでいいわ」
電気を止めずに放置し、アネモウネに近づく。
「私にこんなことをして! 絶対後悔させてやる!!」
アネモウネは殺意に満ちた目で見あげた。
「ほざけ、クソブタ!!」
相手が嫌がることをするのが好きな蝋燭女王は嗜虐的な笑みを浮かべて瞬時に赤い蝋燭を出し、吹いて火をつけた。
そして蝋燭をアネモウネに向け、溶けた蝋をたらす。
「あっ! 熱い!!」
背中などに落ち、皮膚を刺すような熱さを感じて悶える。逃げることはできず赤い蝋でそまっていく。
「火あぶりよ」
蝋をたらすのをやめ、蝋燭を近づける。
「ぎゃあー!!」
火でアネモウネの体をあぶって苦しめる。皮膚が燃えるような熱さを感じているが、同時に蝋燭女王への復讐心も燃えており反抗的な目で睨む。
「ふひひひ」
どこまでも反抗的なアネモウネに少しおびえ、冷や汗を流して気持ち悪く笑い、蝋燭であぶり続ける。
(自分がやられたことを相手にやっているな)
ゴブリンマスクは彼女の過去を少し知っていた。
蝋燭女王は幼い頃、両親に捨てられ養護施設で育った。陰険な少女で昆虫を捕まえて脚をもいで踏みつぶして不気味な笑みを浮かべていたので友達がいなかった。
そんな彼女は養子となり、この館にやってきた。しかし彼女は富豪の娘ではなく調教という虐待を受けて育つことになった。
養父の死を望む生活を送り、養父が亡くなったことで彼女は財産を受け継ぎ、悠々自適な生活になった。
そして自分が受けた苦しみを女性に与える蝋燭女王となり、最初は女性犯罪者を捕えて嬲っていたが気に入った女性を捕えるほどエスカレートしていった。
「お楽しみのところ悪いが、やつらがくるから協力してくれ」
彼女と協力して戦う気だった。数人で戦う格闘技もあり、ひとりで闘うこだわりは少なかった。
「いいわよ。外には雑草兵。中には豚人類。いつでもきなさい」
アネモウネを責めるのをやめ鞭で床を叩く。鞭の音に反応し外の雑草兵達が出てきて、館の中にいる豚人類達も動きだした。
「さあパーティーの始まりよ!!」
「あっ!!」
「もっとお!!」
蝋燭女王は鞭を振りまわし、アネモウネと社地子を叩く。アネモウネは痛がり、社地子は喜んでいた。
蝋燭女王の過去。今までの敵の中では少し同情できる。
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