第37話 黒ビキニの別荘
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沼束の戦いが終わった頃。緋恋にやられた虹カメレオンが薄暗いところで気絶していた。
「ん?」
彼女は目を覚ました。体が動かないことに気づいて見ると金属のフレームにX字拘束されて立っていた。
「ここは?」
頑丈な拘束具は能力封じで能力を使うことができないが、このようなことには慣れており、冷静で周りを見た。
自分の下に巨大なベルトコンベアがあり、刑務所のような場所だった。
「虹カメレオン!!」
虹カメレオンの後ろに同じ状態のスルーダイルがいた。古貞にやられた彼女もここで気絶していて目を覚まし、虹カメレオンがいたので喜んでいた。
「ここはどこなの!?」
スルーダイルは少し動揺して周りを見た。
「分からない」
緋恋にやられたことは分かっており、この状態はおかしくて分からなかった。
「古貞にやられたから、ここは地獄かな?」
「ここが地獄なら生きてるのはおかしい」
スルーダイルは古貞にやられた体が治っており、二人は死んでいない感じだった。
「わっ!?」
ベルトコンベアが動き、のっているスルーダイル達は前に進み、動けないので下りることができない。
「おっ!? なになに!?」
いろいろな方向から光が出て、二人に当たっているのでスルーダイルは驚いた。進みながら光が当たり、二人の服は消えていく。
「いっ!?」
スルーダイルは服が消えて、腋が見えているので歯をくいしばって恥じた。
「なぜこんなことをするんだ」
冷静な虹カメレオンは冷めた表情をしており、服が消えていても平気だった。
「くっ!!」
光が二人の体を調べているようなくすぐったい感じがして、スルーダイルは汗をかき、虹カメレオンは汗をかいていない。
全裸の裸足になりそうになった時、黒いビキニができて胸と股間を隠した。
「なにこれ!?」
ビキニ姿の裸足になったのでスルーダイルは驚き、虹カメレオンは気にせず前を見ている。
前には牢屋があって開いており、ベルトコンベアが牢屋の前で止まり、拘束具が外れた。
「わっ!?」
後ろのスルーダイルが虹カメレオンを押してしまい、二人は中に入り、牢屋は閉じた。質素な牢屋で二段ベッドしかない。
「拘束具が外れたのに能力が使えない!! どうなってんの!?」
能力封じの拘束具が外れても自由ではないのでスルーダイルは慌てた。
「この黒ビキニのせいかも」
冷静な虹カメレオンはそれしか考えられないのでビキニをひっぱった。
「ご明察」
牢屋の外に若い女性が現れて、嗜虐的な笑みを浮かべている。
黒髪のショートで白いメッシュ。白と黒の横縞の半そでヘソ出し服と同じ横縞のショートパンツで美脚に裸足。手には痛そうな鞭を持っている。
「何者だ!?」
スルーダイルが怒って話すと女性は鞭で鉄格子を叩いた。鞭に驚いて彼女を睨みつける。
「私の名前は処刑バチ。ここは私が支配する別空間 処刑バチの巣だ」
「ここは別空間だったのか」
虹カメレオン達は動揺した。二人は古貞と緋恋の攻撃で死なず偶然ここにきてしまった。
「ここに突然現れたので捕えて体を調べ、能力封じの黒ビキニをつけた」
二人に当たった光は健康状態を調べて、黒ビキニを作るものだった。
「それなら」
虹カメレオンは両手でビキニをひっぱって脱ごうとした。
「全裸になって逃げる気?」
脱ごうとしている彼女を見て、処刑バチは笑った。唇をかんで必死に脱ごうとしているが、ずらすことしかできず脱げない。
「すばらしい度胸だけど無駄だ。その黒ビキニは特殊で脱ぐことはできない」
「くっ!」
脱ぐことや破ることができないので虹カメレオンはあきらめた。
「ここにきたお前達は私のオモチャになる人生だ」
牢屋が開いて処刑バチは中に入った。
「オモチャになるのはあんただ!! 能力が使えなくてもあんたくらい!!」
スルーダイルは殴りかかる。しかし鞭で叩かれて倒れた。
「バカ。その黒ビキニには弱体化効果もあって、この私が弱いわけないでしょ」
黒ビキニで能力は使えなくて弱くなっており、かなり強い処刑バチを倒すことはできなかった。
「連帯責任だ」
虹カメレオンも鞭で叩いた。倒れた彼女を見て、スルーダイルは怒ったが、処刑バチに頭を踏まれた。
弱体化で鞭がきいており、赤くなっていた。
「私達にこんなことをして、ただですむと思うなよ!!」
顔が床についているスルーダイルと虹カメレオンは処刑バチを睨んだ。
「私の恐ろしさを教える必要があるな」
反抗的な二人が気に入らないので処刑バチは頭を踏んでいる足に血管が浮かぶほどの力をいれ、恐ろしい表情になった。
「ぐぎっ!」
「むう!」
二人は恐怖し、これからのことを覚悟した。
悪党達が罰を受ける話です。
「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。




