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箸休め話 熱い悪霊の花火

 日桜皇国の皇西こうさいの領地 奈寺なてら

 季節は夏だが、猛暑で夜になっても暑く、夜に怪奇な事件が起きていた。

 部屋で人が干からびて死んでおり、熱中症どころではなかった。全身の水分がなく、目玉が乾燥して消え、ミイラになっていて、多くの人が死んでいる。

 この事件を解決するために若い男性団員が多発している場所にあるホテルの空き部屋に泊まった。


「夜になった。なにか起きるかもしれない」


 男性団員は窓の外を見て警戒している。

 涼しそうな坊主頭で無愛想な顔。青い団員服姿で、いつでも行動できるように黒いブーツを履いていた。

 彼の名前は座前ざぜん 念気ねんき。修行の旅をしている奈寺出身の非正規団員だ。


「ん!?」


 念気は部屋が暑くなったことに気づいた。


「ああっ!!」


 部屋が赤くなって歪んだので汗を流した。


「暑い!!」


 暑さで喉が渇き、頭が痛くなった。冷風が出ていたエアコンから熱風が出ている。


「これで死んだのか!!」


 原因が分かり、なんとか暑さに耐え、水を飲むために水道に近づくが、赤い熱湯が出ていて飲めない。


「くっ!!」


 水は無理なので冷たい飲み物が入っている冷蔵庫を開けて涼もうとした。


「むわっ!!」


 冷蔵庫の中は暑くなっており、飲み物も熱くなっていた。


「ここから出ないと!!」


 急いでドアへ向かい、開けようとした。


「開かない!! くっ!!」


 ドアが壁のようになっていて開かないので、修行で鍛えた拳と足で攻撃して壊そうとした。しかし、おかしな力で頑丈になっており、壊すことができなかった。

 暑くなっているのは、この部屋だけでドアを攻撃している音も聞こえないので、ここにくる者はいない。


「ううっ!!」


 余計熱くなり、無駄なのが分かり、攻撃をやめた。


「このままではまずい!!」


 汗が出なくなって喉が焼けそうになり、頭が沸騰しそうになっているので念気は正座をした。


「心頭滅却すれば火もまた涼し!!」


 合掌して精神統一をした。全身からオーラが出て四角錐になり、念気を覆った。

 回復効果があるオーラのバリアなので念気を熱から守って回復している。


「このようなことをしているのは」


 回復した念気はオーラをセンサーのようにして部屋を見た。姿を消して浮いている黒い球体が見えた。


「そこだ!!」


 バリアを消して、オーラで正座のまま浮いて飛んだ。両手にオーラをまとい、銀色にしてチョップをした。

 黒い球体は消え、部屋の温度と色は元に戻った。しかし、まだ終わっていない。

 黒い球体はホテルの外の夜空に出現し、鋭くて白い歯がある赤い口を開け、不気味な笑みを浮かべた。口からヨダレのように溶岩をたらし、下を溶かして燃やした。

 熱で人々を殺す悪霊で口から砲弾を連射して、ホテルや街を火の海にし、暑い夜をさらに暑くした。


「おのれ、悪霊!!」


 念気は外に出て、悪霊を睨んだ。


「悪霊退散!!」


 銀色の手の平からオーラを光線のように放った。くらった悪霊は苦しんでいる。オーラは霊を見つけ、ダメージを与えることができる。

 悪霊は爆発し、中身や破片はオーラでオレンジ色の光になって、花火のように散った。飛び散った光にはオーラがあり、悪霊の炎と溶岩を消した。


「ナームー」


 悪霊を退治したので念気は両目を閉じて合掌した。

 悪霊がいなくなったので怪事件は起きなくなり、念気は旅に出た。

 皇西の新キャラで暑い話です。

 「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。

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