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第21話 灼熱のコブラ柔術

 ヴィランスに勝利した彼女はここにきて灼熱コブラと戦闘をしてやられた。気絶していて再生能力で治りながら燃えている。


「生きてる!! よかった!! いや燃えてるからよくねえな!!」

「緋恋さん、無事でよかったですね」

「やられて燃えてるから無事じゃねえよ!! なっから風!!」


 古貞は刀から冷たい風を放ち、緋恋を燃やしている炎を消した。ちょうどいい冷たさと周りの炎で凍ることなく彼女の火傷だらけの体は冷え、再生能力で治っていく。しかし治っているだけで目を覚まさない。


「宝璃は動くな!!」

「はい!!」


 宝璃が役に立たないことは分かっており、なにも期待していないので、その場から動かないようにいい、素直な彼女は従った。二人を守って戦闘をしようとしているが灼熱コブラは古貞しか見ていない。

 彼女にスキがなく少年は刀を構えたまま動かない。


(こいつ、緋恋と闘ったのに、なんで無傷なんだ。それほど強いのか)


 緋恋と戦闘をして無傷なのはおかしいので警戒し余計動けなくなった。


「こないのでしたら、こちらから攻めます」


 灼熱コブラが動き、古貞に近づく。


「くるな!!」


 よく分からないまま少年が刀を振ると彼女は簡単にかわした。


「くっ!!」


 彼女をよく見て刀を振りまわすが緩急をつけた読みにくい動きでかわしている。


「なんて動きだ!!」


 灼熱コブラは顔を動かさずに刀を見て体だけをくねらせ、のけぞってかわす動きもして少年のペースは乱れ攻撃が当たらない。


「けど、いつまでもかわすことはできねえぞ!!」


 相手の動きは古貞のペースや攻撃のタイミングを乱し回避するもので慣れれば攻撃を当てることができ敵を斬った。


「斬っても無駄です」


 斬られても灼熱コブラは痛みを感じておらず冷静で周りの炎を浴びると血は蒸発し傷は治って消えた。


「炎を浴びると回復するのか!! 部屋が燃えてんのはそのためか!!」


 緋恋と戦闘をして無傷だったのは能力で回復していたからだった。


「すごい……」


 宝璃は凄まじい戦闘を見ており少年の言う通り、その場から動かず、へたりこんだ。


「今度はこちらが攻撃します」


 回避していた彼女は貫き手で攻める。


「くっ!!」


 緩急をつけた動きで古貞のペースを乱していて読みにくいので回避が難しく、かすることが多く頬をかすり血が出て周りの熱で蒸発した。


「この!!」


 負けずに攻撃して斬っても炎があるかぎり回復してしまう。灼熱コブラは刀を振っている腕をつかみ蛇のように自分の腕をからめる。そのまま勢いよく倒れ、からめている腕に力をいれて骨を折った。


「ほぐっ!?」


 激痛と腕に力がはいらなくなり刀をはなし落としてしまった。


「ぎゃああああああ!!」


 敵が腕から離れると少年は叫び、ありえない方向に曲がっている片腕を見た。


「ひどい……」


 痛々しい姿の古貞を見て宝璃は自分の腕が痛くなり気絶しそうになった。


「まだ腕はある!!」


 折れていない片腕で刀を拾おうとしたが灼熱コブラはコブラツイストをして妨害した。


「ぐぎゃああああああ!!」


 ただのコブラツイストではなく体を回転させ全身の骨を折って八つ裂きにしようとしている。やわらかい体で蛇のように巻きついて固定しているので、いくら力をいれても余計苦しくなり脱出することができない。回転で風が起き、周りの炎は勢いを増す。


「風足!!」


 脱出が無理なので古貞は両脚に風をまとい回転したまま浮き、敵を天井にぶつけた。


「うっ!」


 回転が止まってもコブラツイストをしているので下に飛んで壁に激突させた。


「むう!」


 ようやく解放し少年は離れた。


「やった!」


 解放された古貞を見て宝璃は喜んだ。


「翻功弄!!」


 体がバラバラになりそうなダメージを受けたので回復する。灼熱コブラは炎を浴びて回復し少年に突っ込み貫き手をする。

 古貞の片腕は治り貫き手を手で受け流した。灼熱コブラは貫き手で攻めまくるが、すべて受け流し全身のダメージは消えていく。

 貫き手と見せかけてキックをし、攻撃するタイミングをずらして攻撃し、ハイキックをするようにローキックに変化させるフェイントなどで攻めても受け流していき完全に治り回復は終了した。

 また片腕を折ろうとつかんで自分の腕をからめた時、彼女を回して翻弄しバランスを乱す。折ることができず灼熱コブラは離れ、古貞は愛刀を拾って構えた。


「この部屋が燃えているかぎり私は無敵です」


 翻弄されても炎があるので負けることはなく冷静だった。


「部屋が燃えていなければ!!」


 部屋全体の炎を見て悔しがる。この部屋は灼熱コブラの独壇場で消火装置はなく少年の能力では炎を完全に消すことはできない。

 水で回復する鉄砲人魚と似ているので同じやり方なら倒せるかもしれない。しかし天井には太陽のような照明があるので同じやり方だと古貞が焼けてしまう。


「鉄砲人魚がいたプールのような大量の水があれば炎を消せるのに!!」


 古貞がプールのことを思いだすと刀から水がたれた。


「ん?」


 水がたれ床に落ちて蒸発したことに気づき刀を見る。刀が濡れていて水が流れている。


「水!?」


 少年は驚き、流れてたれている水を見て、刀を持っている手から水が湧いてくるような感覚があった。

 刀を鞘にいれると流れている水でいっぱいになり刀を押しだそうとしている。水が止まるように念じると止まり、出るように念じると出た。

 ポイントは小説を書き続けるための大きなモチベーションになりますので、ご協力お願いします。

 「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。

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