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箸休め話 追いはぎ敗北

 獅子武の街。暑い夏でも悪は活発で翠八達は悪党どもを捕まえていた。逃げた者達もおり、そのひとりが路地裏を走っている。凶悪な顔のたくましい男で強そうだった。


「捕まってたまるか!!」


 追っている者がおらず、このままでは逃げられてしまう。


「止まれ、この悪党!!」


 男は声に反応し前に人がいるので止まった。真猫がおり両手でピンクのピストルを構えた。ピンクのベビードール姿で裸足にピンクのサンダルと女児にも見える涼しい服装でいやらしい。

 オモチャのような見た目のポケットピストルだが威力はあり、ブラジャーやパンツの中に隠せるほど小さい。

 理江とともに悪党達を捕まえていた彼女は逃げている男を見つけ、待ち伏せしていた。理江は他の相手をしていて援護できないので、ひとりでなんとかするしかない。


「わたくしが捕まえてやるから、おとなしく両手をあげなさい!!」


 丸腰の相手なので余裕の笑みを浮かべている。しかし悪党は冷静だった。


「あああー!!」


 突然、怖い顔を醜くして叫び、少女に向かっていく。


「動くな!!」


 叫び声に驚き、真猫はピストルを撃ったが男は弾をかわして近づき、ピストルを蹴りとばした。


「ああっ!!」

「このガキ!!」


 丸腰になった少女をぶちのめし、倒れた少女の頭を踏んだ。


「ひいい!!」


 殴られた痛みと恐怖で泣いている。


「よくも邪魔をしたな」


 立ちあがれないように頭を踏んで押さえ、凶悪な顔で見下ろす。


「仕事でやったことなので乱暴しないでください!! お願い!! 許してー!!」


 真猫は恥も外聞もなく命乞いのように泣き叫ぶ。


「うるさい!! こうしてやる!!」


 男は逃げられないように彼女を押さえながら、ベビードールを破いていく。


「おっそろしい!! 翠八!! 理江!! お父様!! たちゅけてー!!」


 露出が多い下着姿にされた真猫は破れたベビードールで後ろ手に縛られ、暴れたのでサンダルが脱げていた。恐怖のあまりおもらしをしてしまい、地面に尿の泉ができており彼女は浸って泣きじゃくっている。

 縛って、すぐに離れたので男は濡れておらず惨めな少女を見て笑った。


「じゃあな、ションベン小娘」


 好みの女性ではないので、それ以上乱暴なことはせず悪党は逃げる。


「うう~!!」


 なにもできない彼女は悔し涙を流して弱々しく睨む。そんな時、彼女を救う者が現れた。


「真猫、なにやってんだ?」


 理江に会い、すぐくることができた少年は真猫を見て驚きを通りこしていた。


「翠八!! あそこに悪党!!」


 翠八に醜態を見られてしまったが恥ずかしさを我慢して逃げている悪党を教えた。


「ありがとう、真猫!!」


 男の後ろ姿が見えるので両目に渦巻きマークを出して回す。


「そのまま警察団の基地まで走れ!!」


 肉体操作能力で男を操った。


「なんだ!? 足が止まらなくなった!?」


 自分のペースで走ることができなくなり、警察団の基地へ走っていく。基地までいけば警察団員が捕まえてくれる。


「すいはち~!!」


 真猫の顔は赤く涙でグチャグチャになっていた。


「だいじょうぶじゃないな。今拭いてやる」


 翠八は同情し彼女に近づき拘束を解いて立たせた。少女の尿が少しついて少年の団員服が濡れた。


「やあ……! きちゃない……!」


 これ以上、翠八を汚したくないので離れようとしている。いつもの生意気さがなく女児のように弱々しい。


「汚くなんてないよ。拭くからじっとして」


 いつもより優しく、微笑みタオルを出した。


「うん……」


 彼女はおとなしくなり翠八は尿で濡れた体を優しく拭いていく。真猫の両目にはハートが浮かんでおり真っ赤な顔でキュンキュンしている。

 拭いた後、少年は自分のポンチョを少女にかけて肌を隠した。彼のポンチョは闇を編んだもので冷たく、暑い夏にちょうどいい。

 悪党に負けたが、いい時間稼ぎになり翠八がきて肉体操作能力をかけることができたので名誉の醜態だ。しかし真猫はこの屈辱を忘れなかった。


 ◇


 その日の夜。獅子武の街にあるコンビニに強盗が現れた。捕まえることができなかった逃走中の悪党でブサイクな顔のたくましい男だ。


「さっさと金を出せ!! あああー!!」


 店員にピストルを向け奇声をあげて脅している。オモチャのようなピストルだが真猫のポケットピストルと同じで威力がある。悪党の間で流通しているオモチャのようなピストルでオモチャといってごまかすことができる。


「早く金を出せ!!」


 店員は生きた心地がせずレジから金を出そうとしている。そんなコンビニに入る者がいた。だれかが入ってきたことに気づき強盗は振り向いた。


「うあああー!!」


 強盗が見て驚いたものは背が低くて小さい甲冑だった。


「今度こそ、わたくしが捕まえてやる!! 覚悟しなさい!!」


 顔は見えないが中身は真猫だ。特殊部隊の装甲を甲冑のように装着し強化していた。屈辱を忘れず名誉挽回のために悪党に立ち向かう。


「なんだ、このふざけたやつは!?」


 動揺しながらピストルを連射する。肌がまったく出ていない頑丈な装甲なので弾が当たっても、まったくきいていない。


「そんなもの、わたくしにはきかないわ!!」


 まったく痛みがない少女は甲冑の中で余裕の笑みを浮かべていた。相手が弾切れになるまで撃ったので反撃しようとピンクのポケットピストルを向ける。


「これならどうだ!!」


 ピストルを撃つ前に強盗は少女に殴りかかる。殴られても平気だが男は倒れた真猫の装甲をつかみ、ゆっくり力をいれる。装甲が少し曲がり、接着部分がとれて簡単にはがれた。

 弾や打撃には強くても、ゆっくり力をいれると簡単にはがれてしまう弱点があった。

 強盗は悪い笑みを浮かべて同じように装甲をはがしていく。


「いやあ!! お願い!! やめてえ!!」


 真猫の余裕はなくなっていき、抵抗虚しく下着姿にされてしまった。


「また負けた~!!」


 同じ屈辱を味わい彼女は泣き、涙で顔がグチャグチャになった。


「また負けたのか」


 コンビニに入った翠八は真猫の惨めな姿を見た。


「また敵か!?」


 強盗は少年に驚き、ピストルを向けた。


「撃つな!!」


 両目に渦巻きマークを出して回し男の両目を見て命令した。


「分かった」


 催眠能力で翠八の命令に従い撃たなかった。


「このまま警察団の基地へ出頭しろ」

「分かった」


 男はコンビニから出て警察団の基地へ向かう。


「すいはち~!! 今回は漏らさなかった~!!」


 路地裏と違ってコンビニを汚すわけにはいかないので漏らしていない。しかし涙がすごく床に涙の泉ができて浸っていた。


「真猫は頭と胸がないな」


 翠八は呆れつつ負けてもあきらめずにがんばった少女を評価していた。

 女児のような見た目の真猫はいやらしい女児のような服装が多いです。

 評価とブックマーク、感想をよろしくお願いします。

 ポイントは小説を書き続けるための大きなモチベーションになりますので、ご協力お願いします。

 「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。

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