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第13話 平均台落下

 場所のせいで本来の強さが発揮できない少女は、この危機をなんとかしようと考える。


「このままでは終わりだ」


 下と横は無理なのでジャンプをし、回転している敵をかわして頭を踏んだ。


「私を踏み台にした!?」


 踏まれても痛みはなく緋恋を弾いた。


「おっ!!」


 反対側に跳び、股間を強く打って着地し橋から落ちないようにした。


「男じゃなくてよかった」


 睾丸がなくても恥骨が砕けるような痛みを感じ、なんとか立ちあがった。


「この!!」


 ヴィランスは回転しながら反対側へ進む。反対側で下がる余裕ができても打開策がないと、また追いつめられてしまう。


「回転を止めてやる!!」


 緋恋はすり足で敵に向かっていき、つかみかかる。弾かれそうになったが落ちないように耐えて両手に力をいれる。回転と風のバリアで削れそうになっても再生能力で治り、触れることができる。


「回転が!?」


 彼女の怪力で回転が遅くなっていき、ヴィランスは驚いた。


「まずい!!」


 このままでは回転が止まって捕まってしまうので緋恋から離れ回転をやめた。


「今度は止めてやる」


 コツをつかんだので止める自信があり構えている。力で勝負するタイプではないので、この場所で戦闘をし、回転で弾いて落としていた。


「じゃあ、これを止めてみてよ」


 無能力者のヴィランスには、まだ攻撃手段があり笑みを浮かべ、両手で逆立ちをし、体を三日月のように反らした。体が軽く脚と同じように腕の力が強いので支えることができる。


「回転じゃないな」


 先ほどとは違う感じなので緋恋は警戒した。ヴィランスは前方倒立回転をしながら移動し緋恋に近づく。速いうえに橋から落ちないほど正確だった。


上弦じょうげんキック!!」


 三日月のように鋭く跳び、下から上へ向かって両足で蹴る。


「おっと!!」


 緋恋はかわしたが、バランスを崩しそうになった。敵はそのまま反対側へ飛んで落ちないように着地した。

 全身のバネを利用し下から上へ矢のように飛んで頭部を狙う強烈なキック。彼女の平衡感覚なら、かわされても平気で緋恋は防御と回避が難しく、くらえば落ちてしまう。


「次!!」


 ヴィランスは前方倒立回転をしながらくる。同じ攻撃と思い、頭部を守る。


下弦かげんキック!!」


 先ほどと違い、上から下へ向かって両足で蹴る。


「ずわっ!!」


 蹴りとばすのではなく蹴ってつぶす攻撃で頭部を守っても、くらった緋恋は下に落ちそうになり橋にしがみついた。


「立たないで闘った方がいいな」


 強烈なキックなので立たずに股で橋を挟んで闘う。


「それで闘えるの? このキックで落としてあげる」


 ヴィランスはバカにして笑い、前方倒立回転で緋恋を跳び越えて動きまわっている。


「上弦キック!! 下弦キック!!」


 キックをくらい続けても再生能力で治り安定しているので落ちないが動きが悪い。


(古貞のように空中に浮く能力があれば、こんな橋の上で闘う必要なんてないのに!!)


 両脚に風をまとって浮く古貞の能力を思いだした。ここでの戦闘は彼の方が向いており、同じような能力があれば緋恋も負けない。


(待てよ!! 光線は攻撃だけじゃない!!)


 いいことを思いついた緋恋は手の平を向けた。


「上弦キック!!」

「総括導!!」


 ヴィランスがキックをした時、虹カメレオンを倒した光線を使う。しかし光線はバリアのような形になって広がり、敵のキックを防いだ。


「なっ!?」


 かたい感触に驚き、ヴィランスは着地し動きまわって跳びキックを続ける。バリアは緋恋の全身を守っており、動きが悪い彼女は敵のキックがきかなくなった。


「くっ!!」

「くらえ!!」


 ヴィランスが前に着地した時、バリアを円盤状にして回し放った。


「こんなもの!!」


 ヴィランスはバク宙をして、かわし着地した。かわされても緋恋は笑みを浮かべ、円盤状の光線は橋を切断して爆発した。


「なっ!?」


 橋が壊れたので驚き、さすがの彼女もバランスを崩しそうになった。


「こんなことをしたら、あんたも落ちるよ!!」

「総括導!!」


 橋が落ちそうになっても緋恋は冷静で手の平を上に向け、光線をまとい円盤状にして回し浮いた。彼女の光線は攻撃だけでなく、さまざまな形にして利用することができる。


「この!!」


 飛行能力がないヴィランスは橋とともに落ちるが橋を蹴って跳び、浮いている緋恋に向かっていく。

 片手が使えて安定しているので剣を抜いた。回している円盤状の光線で動き、ヴィランスのキックをかわし無防備の相手を斬った。


「そんなああああああ!!」


 慣れていない浮遊で剣の威力が弱くて傷が浅くても、斬られた敵は真っ逆さまに落ちていく。彼女の回転は鮎美と違い、体を下に押しつけるものなので浮くことはできず落ちるしかない。


「勝った」


 ヴィランスが見えなくなり剣を鞘にいれ、着地できる場所がないので浮いている。


「あれは!!」


 天井に大きな穴ができた。今までのドアと同じで次の色欲衆の部屋へいくことができる。


「あの穴を通れば次の部屋だな」


 緋恋は上昇し穴に入ったので穴は消えた。この戦闘で光線を使いこなしたので、どんな相手や場所でも対応できる。

 ヴィランスのキック攻撃は上弦と下弦の月です。色欲衆は、あと四人です。

 評価とブックマーク、感想をよろしくお願いします。

 ポイントは小説を書き続けるための大きなモチベーションになりますので、ご協力お願いします。

 「名門貴族の男の娘の残酷オスガキ無双」と「非正規団員の小事件集」も連載中です。

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